奴婢を増やせ・・「一賤即賤」の罠

朝鮮時代、特に世宗(セジョン)時代以降、奴婢(男性奴隷が奴、女性奴隷が婢)が急激に増えた、と言われています。人口の約40%が奴婢だった、とも。他の国の戦争捕虜を奴隷として扱うことは他の国でもあったものの、朝鮮の奴婢は完全に『所有物』で、売買が可能で、『理由があれば』殺しても問題ありませんでした。そんな奴婢が、なぜセジョン時代に急に増えたのでしょうか。というか、どうすれば増やせるのでしょうか。

高麗時代から、奴婢と奴婢以外(奴婢以外の身分をひとくくりにして『良人』と言います)の結婚で生まれた子は奴婢でした。悪即斬・・ではなく賤即賤ということで、親のどちらかが奴婢なら、その子も奴婢になったわけです。これを『一賤即賤』と言います。

 

高麗時代、私的な労働力を必要とした支配階級の人たちは、奴婢と良人(奴婢以外)を結婚させました。奴婢を増やそうとしたわけです。でも、妙なことに、『高麗時代には奴婢と奴婢以外の結婚は違法だった』という話もあります。「奴婢を増やすために良人と奴婢の結婚を勧めた」と「奴婢と奴婢以外の結婚は違法」の両方が本当なら、それは結婚ではなく、とりあえず子を作るように命令しただけかもしれません。これは邪推です。とにかく、この『奴婢補完計画』は、高麗という国の国力を大いに弱体化させます。奴婢は、国に納税なんかせず、主の言うことだけ聞いたからです。高麗末期には、兵士に給料をやることもままならず、支配階級の私兵たちに頼っていた、という話もあります。自分たちで派兵した一人の武将(イ・ソンゲ)の裏切りによってあっさり滅ぼされた、一つの理由でもあります。

 

朝鮮時代になって、この問題に対する牽制の意味で、朝鮮の三代目の王 太宗は、従父法といって、「奴婢と良人が結婚して生まれた子がいても、父が良人なら子も良人だかんな。文句言うなよな」という法を作ります。1414年のことです。いわゆる「良賤交婚(奴婢と奴婢以外の結婚)」をしても、この法により、奴婢が急激に増えることはなくなりました。婢(女性奴隷)を男が思いのままにすることが圧倒的に多かったので、父が良人(奴婢ではない)である場合にその子を良人にすると、奴婢はそう増えなくなるわけです。もちろん、その子は奴婢じゃないから、納税、兵役の義務を背負うことになります。

 

ですが、両班階級が不満をあらわにしました。王への嘆願の中には、『(良人身分の子を産んで楽して生きるために)奴婢の女どもが良人の男性を誘惑しまくっている』という内容まであったとかなんとか。多分、嘘だったでしょう。両班たちが必要としていたのは、所有物である奴婢と、両班に逆らえないそれ以外の身分の人たちを結婚させ、さらに奴婢を増やすことでしたから。奴婢の数は、そのまま権力でした。結局、ハングルを作ったことで有名な世宗(セジョン)の時代、1432年に、従父法は廃止されます。『反日種族主義』のイ・ヨンフン元教授によると、世宗は、キーセン(妓生)を世襲制にして「キーセンの子はキーセン」としたり、朝鮮各地に軍人を相手するキーセンたちを配置し、1400年代版 慰安所(?)を作ったりしたそうです。そっち方面にかなり拘っていた人かもしれません。

 

とにかく、それから再び奴婢補完計画が始まり、1485年には、朝鮮の法典「経国大典」にも、一賤即賤が明記されることになります。しかし、また奴婢が増えて納税と兵役の義務を果たす人が少なくなり、1669年にはまたなんとかしようとしたけど、もう時は遅く、なぜか今回は『従母法』というものを作ります。奴婢の男と、良人の女性の間で生まれた子は、良人にするというのです。1731年のことです。ですが、率直に言って、奴婢の男と結婚した良人の女性ってどれぐらいいたのでしょうか。男も女も、相手を選ぶ基準は人それぞれでしょうけど、あの極端な身分社会で、そう多かったとはとても思えません。

 

韓国では、併合される前に奴婢制度は無くなったと主張していますし、実際、奴婢制度は廃止されました。しかし、普通なら奴婢から開放されたときに『良人』となり、姓氏を手に入れたはずですが(奴婢は姓氏がありません)、実際は、併合時代になっても『姓氏の無い人』が多く、日本を困らせました。そう、すでに朝鮮末期は、法律で運用される国ではありませんでした。両班、特に「儒教思想を徹底した両班階級」であるサデブ(士大夫)が奴婢廃止に猛反発し、奴婢をそのまま自分の所有物としていたわけです。併合時代になってもなお『姓氏』を持っていない朝鮮人(奴婢)が多かった理由が、そこにあります。彼らをちゃんと解放し、勉強すれば出世できるようにしたのは、日本でした。

引用はしていませんが、ソースとして2020年6月28日中央日報2018年3月30日のイーデイリーの記事をリンクしておきます。

 

 

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