慰安婦とか売春とかそういうキーワードではパッとしなかった「古い記事検索」が、「娼妓」だと多くの記事がヒットし、昨日からあれこれ読んでみました。昨日の「史上最悪の植民『店』支配」がもっとも印象的だったので(でも馬山署はちょっとやりすぎでは?とも)同じ趣旨の記事をいくつか紹介しましたが、その過程で見つけた記事も今日紹介したいと思います。大して役に立ちそうなものはありませんが、読み物としてどうぞ。
ラムザイヤー教授の論文やイ・ウヨン研究員の寄稿文などによく出てくる『契約』の内容は、当時としてはどう認識されていたのでしょうか。基本的には、労働期間を決めて前金を払うという内容ですが、これは当時としては違法ではなかったのでしょうか。1930年、朝鮮日報が運用していた紙上の法律諮問コーナーに、「その契約だと人身売買になりませんか?」という質問があり、当時の弁護士「李仁(イ・イン)」氏が答えています。
問「法律上人身売買は許されないことですが、にもかかわらず、酌婦を売買することがあります。これは法律に抵触することではありませんか?」
答「人身売買は出来ませんが、酌婦娼妓は一定期間の労務に服することにして金銭を前借するものであるため、現法には抵触しません」(1930年10月31日朝鮮日報「法律問答」)
1935年1月26日には、前金150ウォンを支払って、相手の無知を利用して300ウォンの契約書を二重で作成した観月楼という売春店の店主「ハ・スンド」氏が「私文書偽造詐欺」で送致された、という記事がありました。個人的な考えですが、こういう詐欺は結構多かったのではないでしょうか。
逆に、法律通りにやって警察がバカにされた事例もありました。1924年12月4日、朝鮮日報「平壌署の大失態」という記事です。漢字の読み方は紙面の原文のままにしました。
平壌の䀼町(ジンジョン)遊郭の娼妓「千代香(チョンデヒャン)」が無断で外出してもどらなかったという理由で平壌署から7日間の拘留に処したが、その千代香は750ウォンに5年契約をし、藤(ドゥン)家に来て娼妓業をしていた。先月、その5年が終わったものの、前借金750ウォンではなく別の借金を700ウォンもしてしまった。営業を休んだ日が14日あったことで、その14日間仕事をしてやって、借金700ウォンはあとで稼いで返すということで、廃業届を提出した。しかし店主の連署が無く、廃業届を返還し、営業を続けろと勧めた。しかし千代香はもう親にも知らせてあるので借金を返し、もし返せなかったとしても稼いで返せばいいだろうと応じなかった。だから平壌署側は娼妓取り締まり規則の違反として拘留としたわけだが、これに対し、日本人たちの間では、廃業届を出したその時点で娼妓ではないのに、娼妓規則違反だとして拘留処分をしたのは大きな失態であるだけでなく、人権蹂躙であるとし、まさに物論とされてしまったという>>
最後の「物論」は、超訳です。本文では무뎨거리となっています。거리は「~もの、ネタ」のことですが、무뎨(ムディェ)が何を意味するのがちょっと分かりません。そもそも、最近は使わない表記です。「舞台(ムデ)もの」で「見世物にされている」という意味なのか、それとも「問題(ムンジェ)もの」のミスかもしれません。詳しく分からなかったので、記事初頭に出てくる「物論」としました。
連署(同じ書類に娼妓と店主が一緒に署名する)してないというのは、店側が認めなかったか、または書類の不備になるから、平壌署としては規則通りにしただけではないでしょうか。しかし、世論は完全に同情論が優勢だったようです。いまどきの言葉にすると『炎上』になるのでしょうか(笑)。
※今日、更新時間がかなり遅れるまたは不安定になると思われます。ご理解ください※
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