わざと狙っているわけではありませんが、韓・中 関連ネタが増えてきました。もう一つ、紹介します。中国の官営メディアが、「韓国は、QUAD加入しないで『戦略的あいまいさ(あえて米中どちらかを選ばないので曖昧さを維持する政策)』を続けたほうがいい」という露骨な主張を展開しました。以下、ニューシースから部分引用してみます。
<<中国国営メディアは、韓国が「クワッド」(Quad、アメリカ・オーストラリア・インド・日本に構成された対中連合体)に加入すると、中国との信頼を損なうことになるだろうと、慎重に考えるべきだと促した。「グローバルタイムズ」は12日、チェン・シャオホ 中国人民国際関係学院教授の「韓国政府は、クワッド加入にて戦略的あいまいさを放棄してはいけない」というタイトルの寄稿文を掲載した。
チェン シャオホ教授は史上初のクワッド首脳会談と米国の国務長官・国防長官の韓国訪問日程に言及しながら、「彼らは、韓国政府がクワッドに参加するよう説得し、より多くの圧力をかけるだろう」と主張した。
続いて、米国が韓国と防衛費分担金交渉署名仕上げ、韓半島政策、クワッド、主要7カ国(G7)首脳会議などを議論するだろうとし、「これらの問題は、韓国をクワッドに招待しようとする米国の『パッケージ・ディール』の一環であると分析した。
チェン教授は「韓国のクワッド加入を支持する人々は、域内・世界の問題で国家的役割が強化されるだろうと思っている」とし「韓国は常に国際舞台でより大きな役割を望んでG7加入も望んでいた」と説明した。
続いて「しかし、クワッド加入には長所と短所がある。クワッドが中国に対応する非公式安全保障団体というのはセンシティブな点で、韓国もこれをよく知っている」とし「本質的にクワッドは、小規模の反中グループだ」と強調した。
彼は「クワッド加入は、中国と韓国が今まさに回復しつつある戦略的相互信頼を必然的に毀損することになるだろう」、「韓国がクワッドに加入すると、相互の信頼を崩す。合理的で慎重に検討しなければならない」と述べた。
中国政府は昨年11月、王毅 中国外交担当国務委員兼外交部長の訪韓以降、韓中が外交・安保2 + 2対話を含めて10種類の共同合意を成し遂げたと主張したことがある。
チェン教授は「クワッドと関連し、韓国には、戦略的あいまいさを守るのが、より良い選択だ」としながらも、米国との関係、米軍駐留費、G7参加などを考慮すると、現在の韓国としては、戦略的あいまいさを捨てる必要を感じている可能性もあると指摘した。教授は「韓国政府は慎重に考えなければならない」とし「クワッドに対する中国の公式立場は、否定的だ。我々は、クワッドが中国を狙うだけでなく、米国のインドの太平洋戦略の履行に非常に重要な支持勢力だと思っている」と強調した・・>>
韓国を訪れる米国の国務長官、国防長官による2+2会談で、米国側は『中国関連も議題になるだろう』としています。会談後に公表されるのかどうかは分かりませんが、この時点でクアッド加入が議題にならないはずはありません。
チェン教授も言ってますが、中国としては、韓国が『戦略的あいまいさ』を続けるだけでも得になります。伝統的に「敵側」とされていたコマが一つ、機能しなくなるからです。韓国が「戦略的あいまいさ」を中立だと思っているのが実は「勘違い」でしかないという点が、ここでハッキリしています。クアッド首脳会談、クアッドによるワクチンやレアメタルについての議論、先日、在韓米軍司令官が米議会で急に言いだした『年内のミサイルシステム増強』の話。全人代で韓国関連質問を一切受けず、その「無視」の解除条件として、教授という立場の人を介して『戦略的あいまいさの維持』を提示した中国。しかし、こんな中、少なくとも私から見る分には、韓国に取れる措置は何もありません。
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