韓国政府(統一部)は、米国務省の「人権報告書」の北朝鮮報告書も毎年公開しています。ですが、去年のものを、韓国政府が1年間も非公開にしていたことが分かりました。報告書には北朝鮮の赤ちゃん殺害、拷問や政治犯収容所問題などが指摘されています。なんで公開しないのかと指摘されて、「前任者が空席だったので」と、1年ぶりに公開した、とも。以下、ソウル経済の記事です。
<<昨年、米国国務省が発行した国別人権報告書の北朝鮮編を、1年間公開しなかった政府が、野党に指摘されてから公開したことが、23日、分かった。 「韓米の北朝鮮人権問題への立場は同じだ」という政府の発表とは異なり、実際には、北朝鮮の人権問題を無視しているという指摘が提起されている。野党は「ムン・ジェイン大統領が主張する韓半島の平和プロセス政策のせいで、北朝鮮の人権問題が無視されている」と批判した。
ジ・ソンホ「国民の力」議員室によると、統一部は前日、米国の「2019国別人権報告書」を統一部のホームページに公開した。これは昨年3月、米国務省が報告書を発表してから約1年ぶりである。
統一部は、ジ議員の関係者が報告書を公開しない理由を尋ねてから、約1時間後に報告書を公開した。統一部の関係者は、その理由について、「前任者が空席なので、その間に上がってきた2019年国別人権報告書は掲載しなかった」と釈明した。統一部が一歩遅れて明らかにした2019年北朝鮮人権報告書には、乳児殺害、拷問、政治犯収容所の過酷な生活環境、障害者差別などを網羅し、北朝鮮人権実態が書かれている。
このような措置は、「韓米の、北朝鮮人権問題への立場は同じだ」とする当局の立場と相反するものである・・
・・ジョー・バイデン政権が普遍的人権を国際アジェンダとしているものの、韓国政府の北朝鮮人権問題の比重は徐々に縮小してきた。統一部の北朝鮮人権記録センターは、根拠法である「人北朝鮮人権法」に基づいて、北朝鮮の人権報告書を公開することになっているが、法が制定してから4年の間、報告書を一度も発刊していない。イ・インヨン統一部長官は、北朝鮮の人権報告書に含まれている脱北者の証言について、「記録が本当のものか、脱北者の一方的な意思を記録したものなのか、確認・検証が不足している」と話した。
人権問題の主務省庁である国家人権委員会でも、北朝鮮の人権問題についての議論は、ムン・ジェイン政府に急激に減少した・・
・・野党は、文大統領が「平和プロセス」を固守しながら、北朝鮮の人権問題に目を閉じていると批判した。ジ議員は「統一部と政権与党が懸念しているのは、人権報告書と北朝鮮人権記録センターの調査報告書に盛り込まれた北朝鮮人権侵害の記録であろう」とし「文政府が主張する韓半島の平和プロセス政策のために、常に北朝鮮の人権問題に対して自由ものが言えず、無視するだけとなり、今この瞬間にも苦しんでいる2500万の北朝鮮住民は眼中にもない」と指摘した>>
ちなみに、国家人権委員会というのは、この前、ラムザイヤー教授の論文を擁護する韓国保守系学者たちの声明を「ヘイト表現である」と話したあの機関です。国連で北朝鮮が「北朝鮮人権法を廃止せよ」と話したことで、「国連が北朝鮮人権法の廃止を要請してきた」としていたのもこの機関です。韓国の人権関連案件の、主務部署となります。
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