中国で言う『人民民主主義』がどんなものなのかを論じた記事があったので、紹介します。中国関連記事なのに、なぜか韓国の姿に見えるから不思議です。朝鮮日報、カナダのマクマスター大学、ソン・ジェユン教授の寄稿文です。
<<・・中華人民共和国の建国を三ヶ月後に控えた1949年6月30日、毛沢東は中国共産党28周年記念式で「人民民主独裁を論じる」を発表した。彼は「人民民主独裁」を、反動派の発言権を剥奪して、ただ人民だけが発言権を持つようにすること」と定義し、次のように議論を続けた。
人民が誰なのか?中国の現段階では、労働者階級、農民階級、都市小資産階級と民族資産階級である。これらの階級が労働者階級と共産党の領導の下、団結して、自分の国を作り、自分たちの政府を選出する。資産階級の手先である地主階級、官僚の資産階級とそのような階級を代表する国民党反動派とその賦役者たちに対しては専制を実施し、独裁を実行する。そのような人たちを圧迫して規律で縛り、その妄言妄動を禁止しなければならない。彼らは妄言をして妄動をするなら直ちに逮捕して制裁を加えなければならない。人民の内部に対しては民主制度を実行する。人民は、言論、集会、結社などの自由権を持つ。人民には選挙権が与えられ、反動派にはそんなもの無い。人民内部に対する民主方式と、反動派への専政方式が相互に結合された両面の制度こそが、まさに人民民主独裁である・・
・・彼が提唱した「人民民主独裁」は、今日の中国の憲法序言(憲法前文)と総綱 第1条に定める最高統治原則である。人民民主独裁の実行のためには、人々を人民と敵人(人民の敵)に二分する「分断」がまず必要になる。毛沢東は多数の人民が少数の反動分子を制圧する人民の独裁こそ真の民主主義だと固く信じていた。少数者の人権保護、多数の暴力の防止、法の前の平等、自力救済禁止など立憲主義の基本原則には、彼は興味はなかった・・
文革開始4年前、彼は次のように語った。「民主が無いと、群衆を発動させなくては、群衆の監督が無いと、反動分子及び悪い群れに対する効果的な独裁をすることができない。それらを効果的に改造することもできない。彼らはずっと騒ぎを起こすかもしれないし、さらには、復活を図るかもしれない」(1962.1.30。「拡大中央工作会議強化」にて)
振り返ってみると、文化大革命の全過程が多数の人民が少数のバンドンパを制圧する群衆独裁(mass dictatorship)の歴史であった。文革初期には群衆が直接出て人民の名で反動勢力を虐殺群衆の反乱の過程であった。1968年半ば以降からは軍隊が率いる「革命委員会」が民主人民独裁の名前で仮想の反動分子を探し出す魔女狩りの狂気が続いた・・
・・彼は継続的に多数の人民が民主的合意を通じて少数の敵人を独裁的に監視して処刑しなければならないと革命群衆をあおった。「人民民主主義」(people’s democracy)は、人民が法の上に君臨する暴民政治(mobocracy)と変わらない。表面的には、人民が集団知性の力を発揮して自発的に人民主権を行使するように見えるが、実際には独裁政権が軍警を動員してその人民を監視し、調整する。人民民主主義が階級虐殺(classicide)と民族浄化(genocide)を可能にした理由はそこにある・・>>
「表面的には、人民が集団知性の力を発揮して自発的に人民主権を行使するように見えるが、実際には別の力によって監視されている(ろうそくデモ)」、「敵人(親日)」、「委員会(市民団体)」、「人民が法の上に君臨する(三権分立)」・・・に見えました。「軍警」でなく、市民団体による扇動がその「別の力」になるでしょう。中国の過去・現在に関する内容なのに、韓国の現在・未来に関する予言に見える、不思議な記事でした。
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