韓国国会議員73人、反・軍事政権デモ参加者(民衆運動家)とその家族を「貴族」にする法案を発議・・教育無料、住宅支援など

韓国では一般的に「民主化運動」とされている、民衆運動の類。それに参加した人たち(多数の国会議員が含まれます)及びその家族に、朝鮮日報曰く『生涯全てにおいて』特例を提供する法案が発議されました。いままで2回か3回、似たような法案が発議されましたが、基本的に左派政党が主張する内容だったので、国会通過には失敗しました。

今回も内容は大して変わらず、家族の教育(学費)全額、技術取得費用(何かのライセンスを取るためにかかる費用)などの一部を国家が負担し、土地や住宅購入のための低金利貸し出し、必要な場合は住宅を支援する、などの内容です。事実上、『両班補完計画』のようなものです。以下、月刊朝鮮から部分引用します

 

<<・・ソル・フン議員が代表発議(※発議した国会議員は総73人です)した制定案は、上記したように、人間のライフサイクルに必要なすべての恵沢を網羅して「民主化人士」とその家族に提供しなければならないという内容を盛り込んでいる・・

・・教育支援は、受益者が30歳になる前に教育機関に就学(入学・再入学・編入学または転入学を含む)する場合、授業料・入学金など学費一切を免除し、学習補助費を支援する。実質的に、幼稚園から始め大学院まで通うのにかかるすべての費用を国が負担し、場合によっては追加でも支払うという内容だ・・

 

・・就職に必要な技術を習得することができるように、大統領令で定め、職業再活訓練を実施でき、その費用は国が負担する。就職に必要な資格や能力などを開発しようとする就労支援対象者には、予算の範囲内で、その費用の一部を支援したり、奨励金を支給できる。「無料」で教育を受けてから就職するときも、国がその費用の責任を負わなければならないという主張だ。

制定案は、「民主化運動関連者の名誉回復及び補償に関する法律」に基づいて民主化運動関連者とその家族又は遺族に対して、教育支援、就労支援、医療支援、貸し出し、介護支援、子育て支援などをするという内容が盛り込まれた。また、政府と地方自治体は、民主化運動の精神継承などのために、様々な記念・追悼事業を行うことができるよう規定した。

いわゆる「民主化運動負傷者」の負傷部位と関連した診療費は、国が負担する。それ以外の病気については、その診療費の一部だけを当事者が負担する・・・いわゆる「民主化運動の負傷者」が身体障害(記者注:障害発生原因を特定していない)に基づいて補綴具が必要な場合は、これを支給できる。また、民主化運動の負傷者の身体機能退化を防止し、その機能を回復させるために、医学的再活、リハビリに関する施策を設け、その事業を行う。国家報勲処は、その経費の全部または一部を補助する。

制定案第29条「国は民主有功者とその遺族の自立と生活の安定のために長期低利で貸付することができる」とし、国の金融支援も明示する。このほか、「住宅支援」と関連して、「国家報勲処は貸付け金の対象者に住宅を供給するために必要な場合、第30条の規定による財源で住宅を建築して分譲・賃貸または管理することができる」と明示する・・

 

・・養老支援、療養支援補助、福祉サービス、子育て支援、輸送施設の利用支援、文化施設などの利用支援なども、「その他の支援」として明示されている。

また、「国と地方自治団体は、民主有功者の民主理念を称え、これ継承・発展させるために記念・追悼事業に関する体系的な政策を開発して効率的に推進しなければならず、公共機関、民間団体等の第1項の規定による記念・追悼事業を共同で推進したり、委託して実施することができ・・となっている。

「民間団体」「委託」「予算支援」が重要だ。これは、記念・追悼事業進行と施設管理を民間団体に委託して、その団体に予算を支援する法的根拠を残したものと解釈できる・・>>

 

 

本当に民主化のためだったかどうかはともかく、韓国で民主化運動関連者となると、高い確立で市民団体と繋がっています。金大中政府のときに市民団体の政治勢力化が一気に進んだのも、そのためです。民主化運動関連者への支援ということで、彼と繋がっている市民団体への支援が法的に可能となる・・引用最後の部分は、そういう意味でしょう。

結構前から書いてきましたが、韓国は政権交代しても、上下(支配階級と被支配階級)が入れ替わるだけです。結局、ろうそく改革(笑)だどうとかと騒いでいた人たちも、『貴族階級による問題を無くすため』ではなく、『自分が貴族階級になって同じ権力をものにするため』にやっていただけ。それがよくわかる話でした。

 

 

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