まだ「政権が変われば日韓関係はよくなる」を信じる人がいるとは

更新が遅くなって申し訳ございません。

文在寅大統領が就任4周年演説をしましたが、いままでは(ほぼ間違いなく悪い意味で)出ていた日本または日韓関係についての内容がまったくありませんでした。韓国側のマスコミは、「言わなかったというより、言えなかったのでは」という分析を主に載せています。なぜなら、任期中に何か変化が訪れることは不可能だから、日韓関係それ自体に触れないようにした、というのです。個人的に、たしかにそういう側面はあるだろうと思います。何を言っても逆効果だったでしょうし。ただ、こういう流れに乗じて、「政権が変われば日韓関係も改善できる」という主張が聞こえてくるようになりました。まず、記事を一つ部分引用してみます。ニュース1です。

 

<<ムン・ジェイン大統領が就任4周年特別演説で、梗塞局面が長期化している韓日関係については何も言及しなかった。その背景に関心が集まっている。一部では、文大統領が今後1年余りの残りの任期の間には、韓日関係の改善が事実上「不可能」だと見ているのではないかという観測も提起されている。文大統領は今年の3・1節記念辞までは、「私たちが越えなければならない唯一の障害は、時折、過去の問題を未来の問題と分離できず、将来の発展に支障をきたすということ」とし、対日歴史問題の対応と未来志向の協力を分離するという、いわゆる「ツートラック」の基調を強調した。

しかし、文大統領は10日、演説では「残った(任期)1年が過去4年間、これまで以上に重要である」と言いながらも、2017年の就任以来、葛藤と反目だけ重ねてきた韓日関係についてはまったく取り上げなかった・・

 

・・一部では、「日本政府が米国を中心とする韓米日3カ国の対北朝鮮共助には参加しても、韓日両国間の懸案は、来年以降に先送りしようとしている」との分析が提示されている。文大統領ではなく、韓国の次期大統領と、一連の過去の問題の解決策を模索しようとする可能性が大きいというものだ。チョ・ジング慶南大極東問題研究所教授も「日本の立場では『もし韓国の政権が変わった場合、外交に大きな変化が来るだろう』と判断している可能性がある」とし「だから下手に(関係改善に)出るつもりは無いようだ」と診断した。

このような中、日本政府のスポークスマン加藤勝信官房長官も文大統領が今回の演説について「対北朝鮮政策は、日米韓が引き続き緊密な連携を図りたい」と明らかにしたが、「韓日関係に関連記載がなかった」との指摘には「コメントを控えたい」と言葉を惜しんだ>>

 

個人的に、「願望にすぎないが、政権が変われば雰囲気も変わるのではないか」とか、「政権が変われば、対話(会談など)の場が今より増えるかもしれない」ぐらいの意見なら、それはそれで分かります。でも、政権が変われば日韓関係が改善するって、それは「前の政権がやった合意だからやぶってもいい」の別バージョンにすぎません。

たんに思い出してみれば、それでいいじゃないでしょうか。盧武鉉大統領が李明博大統領に変わったとき、日韓関係において、韓国の外交に何か『大きな変化』とやらがあったのでしょうか。対・北朝鮮スタンスが右派寄りになった、というのはあるでしょう。でも、日韓関係において、何かあったでしょうか。それから李明博大統領が竹島に上陸したり、いわゆる天皇侮辱発言をしてから、朴槿恵氏が大統領になりましたが、それからはまた何か大きな変化があったでしょうか。

日本と韓国の問題です。安倍政権でもなく菅政権でもなく、日本。朴槿恵政権でも文在寅政権でもなく、韓国。その日本と韓国の問題なのです。国際法違反しているのは文政府ではありません。韓国です。日韓関係、および対話の進展(対話の場ではなく、その内容の進展)は、大統領が変われば進展するものではありません。『韓国』がその問題を認めてこそ、進展するものでありましょう。

 

 

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