「日帝 賛美・鼓舞 禁止」法律を発議した国会議員、去年11月には「国家保安法から『反国家団体(北朝鮮) 賛美・鼓舞 禁止』を削除すべき」と改正案を上程

ちょうど「賛美(韓国では『讚揚』とします)・鼓舞」についての内容があったので、その点について書いてみたいと思います。いまはずいぶんと弱体化されたものの、まだまだ強い力を持っている韓国の国家保安法。軍事政権時代、独裁のための道具にされた側面は否定できませんが、私は、分断国家である韓国に必要な法律であると思っています。国家保安法の中でも、随分前から「いわゆる賛美・鼓舞の罪」とされる部分が、議論になってきました。国家保安法を擁護する人たちでも、さすがにこの部分はちょっとおかしくないか、と指摘したりします。

詳しくは国家保安法第7条、『国家の存立及び安全や自由民主主義の基本秩序を危険にすると分かっていながら、反国家団体やその構成員、又はその指令を受けた者の活動を賛美及び鼓舞及び宣伝及び同調したり、国家変乱を宣伝扇動した者は、7年以下の懲役に処する』のことです。反国家団体とはなっていますが、実はこの「反国家団体」の中には北朝鮮そのものも含まれています。韓国の憲法解釈だと、韓国の半分を違法占領している「団体」ですから、北朝鮮は。そうでなくとも、「指令を受けたもの」も含まれるので、反国家団体とは「北朝鮮『側』」そのものと見てもいいでしょう。

 

さすがに、条件がちゃんと書いてあります。「国家の存立や安全、自由民主主義を危険にさらすと分かっていながら」です。すなわち、国家システムに大きな被害を与える目的のもとに行った場合のみ、この法は適用されます。文章だけで見ると、「そんな危険なやつを処罰する法なら問題ないじゃないか」と思えます。「同調」の場合もそうです。Aという人が「金日成は抗日英雄らしいぜ」と主張したとします。Bという人が、その主張に単純に同調しただけでは、国家保安法の適用対象にはなりません。Aが「国家システムに被害を与えると分かっていながら」その主張を繰り広げていて、また法律の解釈的に、Bもそれが分かっていて同調した場合のみ、Bまで処罰されることになります。広い範囲で考えると、Bが個人的にAの主張について研究したり、Aの主張に同意してその主張を広げたりしただけでは、処罰までは行きません。ちなみに、元法務部長官チョ・グク氏も、大学生だった頃にそんなことがありました(北朝鮮の主張を研究するグループを作ったりしましたが、最終的には国家保安法による処罰はありませんでした)。

問題は、AやBが「知っていたかどうか」「指令を受けたかどうか」、彼らの主張が「韓国に危険をもたらすかどうか」を誰がどう決めるのか、です。「知っていた」を確実にするためには、拷問などが用いられました。危険なのかどうかは、政権の色で決まります。韓国は「右でないのは左」な社会ですから。そこで国家保安法の悪名が高くなったわけです。

 

よって、国家保安法から7条だけでも削除または大幅に修正すべきだ、という主張は、もうずいぶん前からありました。軍事政権が終わってから不定期的に提起され、特に盧武鉉大統領の頃から強くなった、と記憶しています。その国家保安法で実際に苦労をしたのは金泳三、金大中氏のはずですが、盧武鉉氏の頃からこの主張が強くなったというのも、妙な話であります。

 

つい先の例だと、2020年、こんなことがありました。同年11月19日朝鮮日報の記事です。

<<現行国家保安法で「反国家団体 賛美・鼓舞の罪」を削除する内容の改正案が18日、国会法制司法委員会に上程された。国家保安法の適用対象縮小議論は盧武鉉政府時代だった2004年第17代国会以降16年ぶりだ。共に民主党イ・ギュミン議員が代表発議し、共に民主党キム・ヨンミン、キム・ナムグク、開かれた民主党キム・ジネ、無所属キム・ホンゴルなど与党側議員15人が署​​名した。

改正案によると「国家の存立~(中略)~処する」とした7条1項はもちろん、反国家団体の構成・登録、虚偽事実捏造・流布、賛美・鼓舞と関連した表現物制作・未遂、準備・陰謀などと関連した3〜7項すべてが削除される。キム議員などは、改正案で「賛美・鼓舞の判断基準が主観的であるだけでなく、法執行者の政治的性向や価値観、時代の変化等に応じて解釈と適用が変わる危険性がある」とした・・>>

 

ちなみに、まだ改正は出来ていません。文在寅大統領がまだ大統領候補だった頃この7条を改善すると言ったこともあるし、大統領の意向も入っていると見て間違いないでしょう。

さて、本題ですが・・一つ前のエントリーでお伝えしたとおり、同じ党の人たちから、今回は「日本の帝国主義支配または日帝治下暴力・虐殺・人権蹂躙と独立運動関連の事実の歪曲と同調行為、日帝支配または日本の暴力・虐殺・人権蹂躙の賛美・鼓舞・扇動行為などを禁止」、「外国人または外国・海外団体の歴史歪曲または日本賛美同調及び経済的支援行為」、「日本帝国主義の賛美・鼓舞・宣伝目的のための全てのシンボル(軍事旗・造形物)の使用行為も禁止」という法律が発議されたわけです。この場合の賛美と鼓舞って誰がどう決めるのでしょうか。というか、これ、わざと同じフレーズを取っているのではないでしょうか。

日帝賛美・鼓舞禁止法律を代表発議した人は、共に民主党のキム・ヨンミン議員です。彼は、去年11月、(北朝鮮関連で)「虚偽事実捏造・流布しても処罰するな」「賛美・鼓舞なんか判断基準が主観的だ」「法執行者の政治的性向や価値観、時代の変化等に応じて解釈と適用が変わる危険性がある」とする改正案に署名し共同発議者の1人です。

 

 

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