全斗煥氏の回顧録を販売禁止した韓国、金日成氏の回顧録は販売を許可

ひさしぶりの、ソースURL無しに書いてみます。

ブログにも拙著にも書いた内容ですが、韓国も北朝鮮も、国家の正統性(legitimacy)を『抗日』としています。1919年31運動で臨時政府が出来て、それが大韓民国の公式政府だったとする主張が韓国の正統性です。しかし、北朝鮮は、31運動も臨時政府も、ブルジョアジーたちの失敗した闘争だとします。『始祖』である金日成の抗日こそが、国家の正統性にふさわしいというのです。だから金日成氏の血統(いわゆる『白頭血統』)を王族とし、当時ゲリラ仲間たちを『貴族』、すなわち労働党幹部としました。彼らの職権は世襲制となっています。

韓国は北朝鮮の、北朝鮮は韓国の、お互いの『国家の生まれ』そのものを否定しているわけですすが、この主張は、両方が嘘です。韓国が主張する臨時政府は政府としての要素を何一つ満たしていなかったし、金日成氏は抗日闘争でそれほど功績が残せたわけでもなく、そもそも北朝鮮が始祖とする人物は金日成本人でもありません(キム・ソンジュという人が金日成を名乗っているだけ)。

「南も北も、なんで自国の正統性を論じながら、日本と戦った話しか出てこないのだろう」たる疑問。朝鮮末期には何もできず、戦後にも明らかに米国とソ連による建国。それからも、南北ともに捏造された抗日主張。いったいどれだけ『自力』で出来たことが無いのか・・嘆かわしいことであります。

 

そんな韓国で、なんと、金日成回顧録が発売され、問題になっています。『世紀とともに』という題の本で、どうやら修正無しのようです。言うまでもなく、この本は「金日成こそ子供の頃から日本に対抗して朝鮮の解放を主導した抗日愛国指導者」としており、韓国が「母体」としている3・1運動(臨時政府史観では『建国』)は「ブルジョアどもによる抗日だったが失敗した」「革命首領(金日成)の指導を受けなかったから失敗するしかなかった」というふうに書いています。韓国からすると、いわゆる正統性そのものが全面否定される内容です。

 

この本が発売されると、さっそく韓国の保守右派系の団体から出版差し止め仮処分を申請しました。国家保安法違反であることはもちろん、憲法の「自由民主主義秩序」にも反し、韓国の人全員に対する人格権の侵害だ、と。私は、個人的に、残念ながら本の発売は仕方ないと思いました。確かに無茶苦茶な内容ではありますが、「親北」という言葉が珍しくもなくなった韓国社会の昨今。「良い・悪い」を離れて、本の発売は認めて、どこがどう間違いなのか、韓国の学者たちが指摘すればいいでしょう。ただ、やはり韓国には国家保安法というものがあるし、他の国ならともかく韓国でこの本の一般販売は、認められないだろう(出版差し止めが認められるだろう)・・とも、思っていました。ちなみに、日本では1992年日本語版が発売されています(「金日成回顧録・世紀とともに」)。

 

ですが、ちょっとびっくり。裁判所が、出版を許可しました。法律的に問題ない、というのです。どうでしょうか。あとは、『親日名簿』のように、どっかの自治体が学校や図書館に無料配布したり・・そんな流れになるのでしょうか。「歴史歪曲」「名誉毀損」などを理由に全斗煥氏の回顧録(全2巻、問題になったのは1巻の方)が出版差止めを喰らい、1巻は今でも発売されないでいることを考えると、さらに複雑な気分です。

 

それはともかく、最後にオチを少しだけ綴ります。もともと金日成回顧録「世紀とともに」は、北朝鮮のオリジナルは「金日成 世紀とともに」または「金日成同志 世紀とともに」という題で出版されています。ですが、韓国版は、「金日成 抗日回顧録 世紀とともに」となっています。もしや、『抗日』を強調することで、反対世論を抑えようとしたのではないか・・金日成ならダメでも、抗日なら受け入れられるだろう、そんな意図ではないのか。どうしてもそう見てしまうのは、私の心が曇っているからでしょうか。

 

 

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