韓国地上波「(7日の却下判決は)親日判決だ。安倍と同じ主張をした」

1つ前のエントリーの中央日報は、韓国内の非難世論を紹介しながらも、国際法専門家たちの肯定的評価もともに紹介しました。ですが、すべての記事がそうやってバランスを取ろうとしているわけではありません。韓国の地上波放送MBCが、今回は(いわゆる)元徴用工の賠償請求を却下した判決を、一方的に『親日だ』と主張しました。親日である論拠の1つに、安倍前総理と同じことを言った、とする部分もあります。以下、引用してみます

 

<<韓日請求権協定で得た外貨は、「漢江の奇跡」に大きな貢献をした。日本を含めて、どこの国も植民地支配の不法性を認めた資料がない。日本、また、米合衆国との関係毀損につながる恐れがある。裁判官が書いた判決とは信じられないが、このような理由で、7日、ソウル中央地裁民事合意34部は強制動員被害者らが出した訴訟自体が成立しないと宣告しました。法の論理よりも政治、外交にもっと気を使ったこの判決文を読んでみると、日本の右翼の論理とそっくりそのままです。

2015年、日本外務省が全世界の大使館のホームページやCNNを通じて広告した映像です。【日本外務省制作映像(2015年):「韓国の浦項(ポハン)総合製鉄所建設など、各国のインフラ設備をODA(政府開発援助)で支援しました」】。

浦項製鉄を作ったのも、ソウル地下鉄1号線を開通したのも、昭陽江ダム建設も、すべて1965年の韓日協定による日本の援助のおかげで可能だったということです。植民地支配に対する謝罪や反省どころか、他のアジア諸国の近代化の基礎を提供したと主張し、当時、議論が起きました。【安倍/当時の日本総理:「日本は、国際社会と手を握って大きな責任を果たしていきます】。

 

このように、日本政府と韓国の極右勢力が掲げる、いわゆる「植民史観」の延長線でしかない論理が、今回の強制動員賠償判決にも登場します。「大韓民国が韓日協定で得た外貨は、いわゆる『漢江の奇跡』と評価されている目覚ましい経済成長に大きな貢献をした」と書いてあります。判決の全体的趣旨も、日本政府の長年の主張と似ています。日本は2000年代に入って、「韓日協定に基づいて韓国人の請求権は行使することができなくなった」と主張し、2007年の日本の最高裁は、「被害者の請求権は消えなかったが、訴訟を出す権利はない」と判決しました。今回裁判所の論理も、「請求権は消滅していないが、訴訟することはできない」、同じです。

 

【イ・グクオン/勤労挺身隊市民の会代表:「まさに日本の論理をそのまま踏襲するものであり、日本でもない私たちの裁判所が、なぜ日本とそのまま同じ主張をしなければならないのか」】。さらに、日本戦犯企業の賠償を認めた3年前の最高裁全員合議体の判決を覆しながら、なぜそうなのかは説明していません。【イム・ジェソン/弁護士:「少なくとも3年の間にどのような事情の変更などあったのか、それとも当時の全員合議体が扱わなかった国際法的論理があるのか​​を十分に説明すべきです」】。

今回の判決は、「国家安全保障」と「外交関係」を理由に、国民の個人の基本権を制限しています。基本権侵害の最小化のための悩みだけでも判決文に書いてあるべきでしたが、裁判所は、強制動員被害と苦痛そのものを徹底的に無視しました>>

 

市民団体の意見ばかり出てくるのも、ある意味すごいですね。弁護士のインタビューがありますが、イム・ジェソン氏は反日案件の弁護を主に担当する市民団体『民主社会のための弁護士の会(民弁)』所属で、日本製鉄や三菱重工を相手にした個人賠償訴訟の担当弁護士の一人です。こういう情報は、ニュースでちゃんと書いてくれないと・・

ワクチンのこともそうですが、どうしてこう、もらっておいて文句が多いのか。見苦しいかぎりです。今回の裁判の『もう一つの成果』とも言えるのが、併合そのもの、基本条約など日韓関係の根本、臨時政府史観などに対する韓国側の主張が、政治家からネットまで一気に噴出していることです。こういうのが日本側でもっと報道され、いままでこの問題に興味がなかった方々の間でも『単に企業の問題ではない』という見方が広がってくれれば、と願います。

 

 

※告知・・10日(木曜)は、久しぶりにレナと撮影スタジオに行きます。前回と同じく、新型コロナ問題があるので電車ではなく車で移動します。目的地がちょっと時間かかる場所にあるので、次(10日午前10時~11時)の更新はできません。午後3時~4時更新に間に合うように頑張ります。できれば、久しぶりにレナスレと、本題のエントリーを同時に書けたら・・とは思いますが、未定です。

 

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