ワクチン・ハブになれたら北朝鮮にワクチンを供給したい・・と大統領が言った直後、韓国の各自治体でワクチン不足による接種予約の取り消しが相次いでいます。最初は『やはりまだ不足しているのか』としか思いませんでしたが、キャンセル数はかなり多く、中央日報によると、推算だと36万人の予約がキャンセルになるとのことです。18日~19日予約が集中的にキャンセルされているそうですが、『江原日報』などローカルメディアによると、自治体によっては今日(17日)からすでにキャンセルしている、とも。以下、中央日報から引用してみます。<< ~ >>が引用部分となります。
<<政府が、高齢層を対象にコロナ19ワクチン優先接種を進めている中、アストラゼネカ(AZ)ワクチン品薄状態により、事前予約者が続々とキャンセル通知を受けている。予約者は納得できないとの反応である。娘のソウルの家で生活しているチェさんは、「18日の接種のためにKTX(※韓国の高速鉄道)まで予約しておいたのに、キャンセルされた」とし「事前にスケジュールを教えてくれなければ準備もできないのに、もどかしい」と話した・・
・・(※チェさんのように実際にキャンセルされた人たちの苦情を何件か述べたあとに)予約のキャンセルが続いたのは物量不足のせいだ。ジョン・ウンギョン コロナ19予防接種対応推進団長は14日の定例ブリーフィングで、「60代以上の1次予防接種は19日に終了する予定だ」とし「現在AZワクチンは806万回分が供給されたし在庫量は約204万回分と推定しており、60〜74歳以上の高齢者の中に、予約をオーバーした人が36万人ほど発生すると推定している」と述べた。
防疫当局は残りのワクチンを回収して、ワクチンが不足している委託医療機関に供給したり、最小残留型(LDS)注射器を活用する方式で最大限耐え予定だが、予約のキャンセルの事態を防ぐことはできないと思われる。病気管理庁の関係者は「地域ごとにバラツキがありますが、18〜19日の予約者の中にはAZワクチンが間に合わない状況が発生する可能性があります」と述べた。
当局は、AZの代わりにヤンセン接種を選択できるようにする案と、7月にAZが十分になれば、今回のキャンセルされた予約者から優先接種できるようにする案も検討中だ。病気管理庁は、予約キャンセルの通知を受けた場合、7月に優先接種者として登録する方案などの対策を設け、17日、7月接種計画発表時に案内する予定だ>>
ヤンセンって、まさか軍が米国からもらったあのワクチンのことでしょうか・・はともかく、またもや「目標」が問題です。この前、1次接種計画を遂行するために2次接種分を使ってしまって問題になったばかりですが、今回もまた、「6月まで1300万人の1次接種」「6月20日まで60歳以上の1次接種完了」という目標のため、予約を受けすぎたのが原因です。
引用部分を読んでみると、妙なことが書いてあります。36万人分がキャンセルされる可能性があるとし、18~19日分が集中的にキャンセルされたのに、「19日に60代以上の1次接種を完了」としている点です。ソース記事には書いてありませんが、1300万人目標も達成できた、とのこと。1300万人1次接種はともかく、36万人キャンセルなのに完了ってどういうことでしょうか。キャンセルされたのも全員60歳以上のはずですが。とりあえず達成できたそうですから、達成できたと報告するでしょう。
※追記※
本ブログの過去エントリー「『米国のワクチン支援対象国に韓国がある。日本は無い』と喜ぶ韓国、『台湾にCOVAXに支援できた』と喜ぶ日本」に、予約関連のファンタスティック話が載っています。CBSの記事を引用した部分です。
<<・・この日、米国政府のワクチン支援対象から日本は除外され韓国が支援を受けることになったのは、ワシントンの外交家たちの間で韓国のワクチン「接種スピード」のおかげという分析も出ている。韓国の場合は、ワクチンの需要が供給よりも多い状態だが、日本はそうではない。実際、韓国へのワクチン支援問題を協議していた米国官僚は、韓国のワクチン接種志願者(※接種を手伝う支援者ではなく、接種予約待機者のことです)が一瞬で100万人を突破したというニュースを聞いて「オーマイゴッド」、「ファンタスティック」という感嘆詞を連発したという・・(6月4日CBSノーカットニュース)>>
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