確定したわけではありませんが、8月に予定されている韓米軍事演習(韓米合同軍事訓練)が、またコンピューターシミュレーションで行われるという記事がありました。せっかく米国が『特例』で韓国軍に提供したワクチンも、その意味は色あせてしまいました。以下、東亜日報の記事です。<<~>>が引用部分となります。
<<韓米政府が、今年下半期連合訓練を8月第2週に、コンピュータシミュレーションで実施することに大まかな意見を集め、詳細を議論しているという。今年上半期連合訓練のように大幅に縮小された規模で、野外機動訓練なしの図上練習として実施するというものである。これにより、韓米連合訓練は2018年以来、4年連続で実起動訓練無しとなった。
韓米連合訓練の縮小は、すでに文在寅大統領が「コロナ19のせいで大規模訓練は難しいだろう」と話し、政府与党の内外から絶えず訓練中止または縮小主張が出てきたことで、おおむね予想できていた。ジョー・バイデン米政府も、外交を優先しての北核解決を掲げているだけに、北朝鮮を何とか会話テーブルに引き出すため、いったん、北朝鮮を刺激しないと意見を共にしたとみられる。
連合訓練縮小は、北朝鮮を意気揚揚とさせているだけだ。連合訓練縮小は南北、米朝間の首脳外交が盛んだった2018年、会話の持続と挑発中断を前提にしたものだった。しかし、2019年末以来、北朝鮮はすべての交渉を拒否し会話でも対決でもない中途半端な緊張局面を続けている。短距離ミサイルで対南挑発を強行しながらも、核、長距離ミサイル挑発は自制するふりをし、核能力を育てる時間を稼いでいるのだ。
このような異常な局面が4年も続き、すぐに対北警戒態勢の弱体化はもちろん、在韓米軍の存立根拠すらも危うくなったのではないかとの懸念が高まっている。連合訓練は、在韓米軍駐留、連合司令部体制と韓米同盟の根幹をなす重要な軸である。実起動訓練もなしに大隊級以下の訓練だけの連合軍が、北朝鮮の奇襲挑発に正しく対応するのは難しい。韓米同盟も実体は消え、みすぼらしい姿だけが残るだろう。
今回の連合訓練縮小ニュースも、有・無人偵察機など、米国の戦略資産が韓半島周辺上空に集結した中、出てきた。北朝鮮軍が1日、夏季訓練に突入したうえ、7月4日米国の独立記念日に北朝鮮の挑発の可能性があり、警戒を強化するための措置だったにもかかわらず、韓米は本当に挑発を防ぐための力の誇示どころか、まず北朝鮮をなだめてみようは情勢論だけだ。これだから金正恩も「対話にも対決にも準備する」という、怪しい言葉遊びで韓米をバカにしているのだ>>
ソース記事の「米国が北朝鮮を刺激しないため」は、間違っているわけではないでしょう。ただ、それだけではありません。前の関連エントリーでも「8月予定なのにまだ日程が決まってないのも不自然」と書いたばかりですが、韓国側が「8月に訓練する」だけ合意し、それ以外はヤダヤダしていると、米軍としても、準備に時間がかかる実起動訓練はできなくなるわけです。北朝鮮が「訓練やめろ」と言っているからこそ、何もしないわけにもいきませんし。
余談ですが、どうやら前の訓練でのシミュレーションは、思わしい結果でもなかったみたいです。防御訓練で大ダメージを受け、反撃訓練でも目標達成できずに終了した、とか。
こういう流れは、最近、米国が明らかに韓国を『自由で開かれたインド太平洋』から排除している動きとも繋がっているでしょう。韓国は『日本が邪魔している』『米中バランス外交』などとしていますが、韓国は明らかに排除されつつあります。『韓国が当事者(米国は、公式的には朝鮮半島の正式政府として韓国しか認めていません)』である北朝鮮問題は仕方ないにせよ、米国がもっとも重みを置いている「自由で以下略」では違う、と。
しかし、本当に『K(北)・忠誠』を尽くしていますね、韓国政府。いまのところ北朝鮮は何の反応も見せていませんが。
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