IAEA、3年ぶりの福島第一原発の報告書を発表・・「まだまだ課題はあるが、2018年よりさらに改善されていると評価できます」

IAEAのレビューが公開されたので、簡単に紹介したいと思います。全般的に「前回(2018年)より大きな進展があった」とするものです。今回の報告は、処理水放流のためのモニタリングとは別です。元のURLはこちらになります<<>>が引用部分になります。

 

<<・・12名のIAEAチームは、事故後、日本が、緊急事態から安定した状況への移行、敷地内での日常活動の管理、労働者や環境へのリスクの低減、体系的な産業的アプローチによる廃炉計画などにおいて、大きく前進したと述べました。

2018年の前回のIAEAレビュー以降、サイト(※原子力施設内に残存する建物のこと)の状況はさらに改善され、汚染水の発生量は減少、使用済み燃料プールの安全な空洞化、原子炉燃料デブリのさらなる理解、新しい廃棄物管理施設、極端な津波や地震への対策などが行われています。 しかし、廃炉の環境は依然として複雑で困難であることも、チームは付け加えています。

「2011年の事故は、巨大地震とそれに続く巨大な津波によって引き起こされ、四半世紀前のチェルノブイリ事故以来、原子力発電所における最悪の緊急事態となりました。福島第一原子力発電所の廃炉作業は、非常に複雑で困難な作業であり、大規模な管理やプロジェクト経験はもちろん、専門的技術も知識も必要です。3年前の調査以降、日本は印象的な進展を続けています」。IAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部のクリストフ・シエリー部長は、そう話しました。

「しかし、多くの課題が残されており、廃炉プロジェクトを完了させるためには、研究と技術開発、安全への継続的な取り組み、技術的な選択肢の徹底的な評価が必要です」とも述べています。また、廃炉に向けて残された主な作業のひとつに、損傷した原子炉からの核燃料デブリの回収と管理がある、とも。

今回のレビューは、日本が4月、事故からサイトに溜まっていた大量の処理水をどのように処分するかを決定してから、わずか数カ月後に行われました。2018年のレビューミッションでは、日本にこの問題を早急に決定するよう助言しましたが、今年のミッションでは、このたび決定されたことを歓迎し、その決定は廃炉計画全体の促進につながると述べました。処理水放流を実施する際、廃炉のレビューとは別に、IAEAはモニタリング、レビューを支援することになりました。

 

 

今回のIAEAミッションは、2013年の2回のレビュー、2015年の1回のレビュー、2018年の1回のレビューに続くもので、福島第一原発のさまざまな問題をレビューしました。チームは、使用済み燃料の取り出しと燃料デブリの回収、放射性廃棄物、水、サイト管理などの分野で、2018年のミッション以降の進捗状況、サイトの現状と今後の計画を確認するなど、プロジェクト管理や作業員の作業被ばくを含む組織的なトピックについても検討しました。

チームは、経済産業省と、福島第一原発の廃炉戦略を担う国の機関である原子力損害賠償・廃炉等促進機構(NDF)などの関係者と、意見交換を行いました。また、福島第一原子力発電所を運営する東京電力株式会社からも、詳細な説明を受けました。レビューチームのリーダーであるシェリーは、COVID-19による厳重な防護措置の下、福島第一原発を訪問し、現地の状況や廃炉に向けた進捗状況について直接情報を得ました。本日、日本の当局に届けた報告書の中で、チームは、2018年のミッション以降、以下のような多くの成果を認めています。

・プロジェクト管理の強化 ・今年2月に3号基の使用済み燃料プールを空にしたことなど、リスクを減らすための措置 ・1~3号基の燃料デブリの存在について理解が深まり、2022年に2号基から燃料デブリを回収する試験のため、英国の支援を受け世界に類を見ないロボットアームを開発したこと

レビューチームは、日本が安全で効果的な廃炉のための戦略を継続して実施し、強化することを奨励しました・・>>

 

もちろんアドバイスなども書いてあり、必要な施設の劣化についての調査などインフラに関するものから、この経験と努力が国際的に利用できるよう、国際協力をもっと強化することなどです。

韓国政府は、「IAEAの検証に韓国人も参加させろ」とずっと主張していました。4月19日、チョン・ウィヨン外交部長官は国会の対政府質問にて、「IAEAの基準に合うなら、放流に反対しない」と話しました(今年4月19日ニューシース)。対政府質問は国会の公式業務の一つなので、そこでの長官の答弁も公式立場になります。それから、IAEAも日本も「いいですよ」と韓国人専門家を参加させると発表しましたが、韓国はずっと「反対」「中止すべき」としています。

今回の報告書は、処理水放流のモニタリングとは別です。でも、何か大きな問題があったなら、今回の報告書で指摘があったはず。あとでIAEAの処理水関連モニタリング結果もエントリーできればと思いますが、その結果を韓国はどう受け止めるのでしょうか。

 

 

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