李在明知事のピンチに、北朝鮮が『南北首脳会談、近いかもね』談話発表

北朝鮮が「良い話ではあるが、敵対政策を撤回しないかぎりそんなものに何の意味がある」と話すと、韓国はショボーンとしました。その翌日、北朝鮮が「良い話ですね。もちろん、敵対政策を撤回するのが前提ではありますが」と話すと、韓国はお祭り騒ぎになりました。早くも南北首脳会談の日程を論ずるべきだという主張も出ています。

24日、リー・テソン北朝鮮外務次官は談話を発表しました。「終戦宣言って、現時点での朝鮮半島情勢の安定に全く役に立たず、米国の敵対政策を隠蔽するための煙幕として悪用されるだろう」という内容で、敵対政策を撤回しなければ何の意味もないという内容でした。談話を全体的に読んでみると、「いい話ではあるが」、それが今の時点で何の役に立つのか、という趣旨です。そもそも、北朝鮮としても終戦宣言を無条件で反対する理由も無いわけでして。

で、25日、金与正(キム・ヨジョン)氏が『あくまで私の個人的な意見』としながら、「24日に私たちは当然な要求を盛り込んだ談話を発表したが、それからの南朝鮮の政治圏の動きを見てみると、北南関係の回復と平和、安定を成し遂げようとする強烈な雰囲気を感じ取ることができた。私たちもその願いは同じだ」とする談話を発表しました。露骨には言ってませんが、対話を通じて関係を回復させよう、もはや時間をかける意味もないではないか、そんな内容が含まれています。

得に、南北連絡事務所の再設置(この前、北が爆破したやつです)、首脳会談についてまで言及する、まさに破格的な内容でした。ですが、よく読んでみると、二つの条件が書かれています。『ダブルスタンダードをやめること』「敵対政策を撤回すること』です。言い換えれば、24日の北朝鮮外務省談話より、条件が一つ増えています。この件について、私は『ああ、やはり、な』と思ってさほどチェックもしませんでしたが、韓国側の喜びっぷりといったら・・もうすごく盛り上がってしまって、韓国は大騒ぎになりました。一部からは、この勢いで南北首脳会談の日程を打診しようという声まで聞こえてきます。

この件について、やっと、本当にやっと、『いや、よく読んでみると違うんじゃね?」な記事がありましたので、紹介します。以下、中央日報です<<>>が引用部分となります。

 

<<・・金与正北朝鮮労働党副部長が25日発表した談話で、「公正とお互いの尊重の姿勢が維持されると、意義のある終戦宣言が時を逃すことなく、さらに、北南共同連絡事務所の再設置と、北南首脳の出会いが早期に解決することもあるだろう」と述べた・・・・北朝鮮の急激な態度変化に、韓国内の大統領選挙情勢を考慮したものではないかという分析も出ている。与・野党の大統領候補の支持率が二転三転している中、北朝鮮としては、来年、南北対話に友好的な次期政府が発足するとは限らない状況だ。歴代どの政権よりも北朝鮮との対話に積極的に乗り出した文在寅政府の任期が終わる前に、得られるものは得ておくという戦略を立てた可能性がある。さらに、電撃的に平和な雰囲気が造成された場合、韓国の大統領選挙の形勢に、いくつかの影響を与えることができるという計算も敷かれているようだ・・

 

・・問題は、金副部長が関係改善の前提条件として掲げた「二重基準」と「敵視政策」の撤回が、曖昧過ぎる点である。北朝鮮は2019年ハノイ米朝首脳会談が決裂して以来、着実に要求していた『敵視政策の撤回』に加え、今度は「二重基準の撤廃」をも強調している。核及びミサイル開発をはじめとする北朝鮮の軍事行動は、内部計画に沿った自衛権の次元だから、韓米がこれを問題視を権利はないという論理だ。

しかし、北朝鮮は「公平性を失った二重基準と対朝鮮敵対視政策」を指摘しながらも、それが具体的になにを意味するのかは明示していない。韓米連合訓練、米国産兵器の導入、韓国独自の武器開発、既存の対北朝鮮制裁履行など、北朝鮮はどんなものでも「敵対視政策」または「二重基準」だと主張する恐れがある。今後、北朝鮮は気に入らないモノ全てを敵対視で二重基準だとする可能性もある。また、敵視政策、二重基準などで表現しているだけで、結局は北朝鮮の究極の目標は「制裁緩和」にあるという観測もある。パク・ウォンゴン梨花女子大北韓学科教授は、「北朝鮮が言う敵視政策とは、連合訓練永久中止、先端兵器の導入禁止のほか、制裁、人権、在韓米軍など膨大な内容を含むことができる」とし「北朝鮮は、『意図的なあいまいさ』で主導権を確保しようとしている」と指摘した・・>>

 

韓国が米国に対して使っている「戦略的曖昧さ」の北朝鮮バージョンといったところでしょうか。引用部分でも『韓国の選挙を狙ったもの』としていますが、個人的に、それは間違いありません。はっきり言いますが、金与正氏のこの『何かありそうで実は何もない談話』、次期大統領選挙にかなり『効く』と思います。なんだかんだで、北朝鮮関連で一喜一憂する国民は多いですから。

文在寅大統領の対北政策を事実上全面的に受け継ぐと発表した李在明(イ・ジェンミョン)知事の支持率が、本ブログでも紹介した再開発スキャンダルにより、下がりつつあります。この前の共に民主党の競選(大統領候補を決めるための党内選挙)でも、4回目にして、初めてイ知事が負け、イ・ナギョン氏が勝ちました。そのタイミングとも決して無関係ではない・・と私は見ていますが、さて、どうでしょう。一つだけ言えるのは、最近続いたいくつかのエントリーも含めて、中国と北朝鮮は、『韓国の扱い方』に非常に長けているよいうこと。それだけです。

 

 

 

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