韓国が、TSMCの日本工場をWTOに提訴する可能性?

TSMCが日本に工場を建設、日本政府が支援するというニュース。個人的に、『着々と動いている』と思いました。この工場で生産される20ナノ台の半導体は、最近特に問題になっている自動車、産業機械、家電などに主に使用されます。で、この件についてですが、『韓国(など)が、WTOに提訴するのではないか』という話があります。元ソースは日本経済(※会員限定)で、韓国側の各メディアが『WTO提訴』の部分を題にして、集中的に報じています。以下、聯合ニュースから引用してみます<<>>が引用部分となります。

 

<<日本政府が、世界最大のファウンドリー(半導体委託生産)メーカーである台湾TSMCの新工場を国内に誘致し、巨額の補助金を与えることが、世界貿易機関(WTO)のルールに違反、提訴対象になることがあるとの指摘が出た。魏哲家TSMC総裁は22~28ナノメートル工程の半導体を生産する工場を日本に新設する計画だと14日、発表した。TSMCは、2022年にソニーの半導体工場がある熊本県に日本の工場を建て、2024年に量産に入る予定である。

これと関連し岸田文雄首相は14日夕方、衆議院解散に関連した記者会見を開いた席で、日本政府が2019年から交渉を続けてきたTSMC新工場の誘致が確定した事実を取り上げ、総1兆円(約10兆ウォン)規模の大規模な民間投資などの支援策を新しい経済対策に含めると述べた。岸田首相はTSMCの工場建設が日本の半導体産業の自律性を高め、経済安保にも大きく寄与するだろうと支援背景を説明した。日本経済新聞(日経)は補助金を与える方法によっては、WTOのルールに準拠しているかどうかをめぐる議論が起きる可能性があると展望した。

日経によると、補助金は、経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が運営する基金を活用して支援する案が有力だ。日本政府は、TSMCの補助金を与え、日本国内市場を優先して製品を供給する義務を消して、事業撤退などで義務を履行しない場合、補助金を返すようにする方針だという。日経は、食料やエネルギーのように必須項目となった半導体を、市場原理に任せず、国が責任を持って確保するというのが日本政府の政策方向だが、経済安全保障を理由にした巨額の補助金が市場を歪曲させる恐れがあるため、WTOルール違反の議論につながる可能性があると指摘した。

 

WTO協定違反と考えられる「レッド補助金」は、輸出を支援する補助金と、国産部品や材料を使用する条件で支援する助成金があるが、日本政府がTSMCに与えようと補助金は、レッド補助金ではなく、ケースバイケースで違法性を判断する「イエロー補助金」に該当するということが通商法専門の弁護士の見解だというものである。

日経は、日本政府の補助金を受けた工場で生産された半導体を低価格で日本国内に供給する場合、半導体メーカーを置く韓国などが日本の輸出が減っ被害を受けていると提訴する可能性があり、TSMCが日本の工場生産品を低価格で輸出する場合にも、提訴される危険性がないと見ることができないと分析した。しかし、イエロー補助金で「違反」と認定された事例は、現行制度では数件に過ぎないのが現実であり、提訴した国の産業に発生した損害と補助金の因果関係を立証することも容易ではないという指摘が出ている。日経は、米国と欧州連合(EU)が中国の半導体産業の莫大な補助金を問題視してきたが提訴しなかったのは、そのような背景だと説明した>>

 

今回の件は、国家と国家(日本と台湾)の流れというより、もっと広い範囲に適用される流れです。日本と台湾は、国際社会の流れを的確に見て、積極的に参加しているわけです。韓国としては確かに提訴したくなるでしょうけど、もしそんなことをしたら、半導体サプライチェーン再構成を狙っている日米など自由民主主義陣営において、韓国の立場はどうなるのか。韓国がそこまで考えるのか、考えないのか。中国が自ら動かず、韓国をそそのかす可能性は無いのか。いろいろ妄想できる案件でもあります。一つ確かなのは、もしこの件を提訴したりしたら、その結果に関係なく、韓国は自由民主主義陣営のサプライチェーンからものすごく嫌な目で見られるだろう、ということです。

 

 

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