米国、台湾の国際機構参加を改めて支持・・動く世界、動く国、動かない国

本ブログのテーマとも決して無関係ではないと思って、エントリーします・・というのもありますが、『戦略的曖昧さ』という言葉にひっかかりまして。

バイデン氏及び米国側の、台湾関連発言が増えました。しかも、なかなか強烈です。今度は、台湾の国連など国際機構参加を支持するとの発言がありました。この件、内容よりもタイミングが話題になっています。習近平氏は、中国の国連加入(それすなわち台湾が国連加入国としての資格を失った時点)50周年記念演説を目前にしています。以下、聯合ニュースから引用してみます。<<>>が引用部分になります

 

<<米中対立激化の中、米国が、台湾の国連をはじめとする国際機関参加拡大について支持の意思を表した。米国務省は22日、台湾駐在の米国大使館格である米国在台湾協会(AIT)と米国駐在の台湾大使館格である台湾経済文化代表処(TECRO)は、両国外交部の高位級代表団が参加し、オンライン・フォーラムを開いたと、23日(現地時間)明らかにした。

国務省は、双方がこの席で、保健、環境、気候変動、開発援助、技術標準、経済協力など、国際的課題に対応において、台湾が国連で意味のある参加をもって、台湾の貴重な専門知識を貢献能力を支援することに焦点を合わせた、と説明した。また、米国側の参加者は、世界保健機関(WHO)、国連気候変動枠組条約に、台湾の意味ある参加に関する約束を改めて強調したと述べた・・

・・特に習近平中国国家主席は、25日、中国の国連加盟50周年を迎え記念行事、演説を目前にした時点である。台湾は国連創立メンバーだったが、1971年に国連が中国を唯一の合法的代表として承認し、加盟国の地位を失った。中国は、台湾が中国のいくつかの「省」のいずれかであって、国連加入資格がないと主張するが、台湾は独自の民主的な政府を選出したため、加入資格があるとしている。

今回のフォーラムは、中国の立場から見れば、国連加盟50周年を控えた重要な時点で(※時点を狙い撃ちして)、米国が国連内での台湾の役割拡大のためのハイレベル会議を開催したも同然だ。台湾の外交部は、今回のフォーラムと関連米国の堅固な支持に感謝の意を表したロイター通信が伝えた。米国と中国は最近も、ジョー・バイデン米大統領の「台湾の防衛」発言で衝突したばかりだ。

バイデン大統領は21日、CNN放送のタウンホール・イベントで、中国が台湾を攻撃すれば、米国は台湾を防衛するのかという質問に、「そうだ。私たちは、そのようにする責務がある」と言って、これまで米国の軍事介入に関する『戦略的あいまいさ』を捨てたのではないか、と論議をかもした。ワン・ウォンビン(※汪文斌)中国外交部スポークスマンは定例ブリーフィングで、「台湾問題は純粋な内政」とし、米国側に「言動を慎重にすることを促す」と不快感を隠さなかった・・>>

 

コロナ禍になる前、伊豆の下田(本当に良いところでした)に行ったとき、きれいな海を眺めながら黒船についての資料をいろいろ見ました。いまでは黒船が遊覧船になっていたり、ペリー提督の名前が観光名所のようになっていますが、当時の危機感は相当なものだったでしょう。でも、危機感をどうするのか、封じるのか、克服するのか。『できた』を目指し、もしうまくできなかったとしても、それは『できなかった』なのか、それとも『やらなかった』なのか。その結果は大きな差を残します。

月刊朝鮮9月号も同じことを書いています。南京条約を『西洋の勝利』と見た日本は「脱亜論」に向かい、危機意識が日本の知識人の間に広がっていきます。それが明治維新にも繋がったわけです。朝鮮は、1842年、条約がどういうものかも分からず、清からの「西洋人を可哀想に思い、中国の深い度量に基づいて、外国に部分的に扉を開けることになった」という一方的な通報だけを信じ、「私たちは間違っていない」とし、何もしませんでした。月刊朝鮮は、当時の韓国のスタンスを、「『私たちだけで(ウリキリ)』を呪文のように繰り返す、北朝鮮の主体思想と全く同じだ」としています(よろしければ過去エントリーもお読みください)。

「戦略的曖昧さ」。この言葉そのものがまず怪しいですが、さらに問題は、韓国社会の圧倒的多数の知識人が、この怪しいスタンスを応援している点です。昨日紹介したユ・ミョンヒ大使も、「どちらかから距離をおいてはいけない」としていますが、それも結局は戦略的曖昧さの別の表現にすぎません。本当に、1800~1900年頃と何もかも同じだな・・と思わざるを得ません。

開港のときとは比べ物にならないほどの国力を持っている日本。少なくとも今の時点では、日本の歩みに間違いはないと思われます。本ブログも、そんな日本を応援したいと思います。

 

 

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