日本が~していたら、韓国内部から後頭部事案が発生しました。
もともと韓国は、CPTPP加入申請を、昨日(25日)、企画財政部傘下『対外経済長官会議』で最終決定、発表する予定でした。でも、急に「11月初旬に延期します」ということになりました。内部的には決まっていて、日本など外国にも支持を要請しているものの、公式な最終決定及び発表はまだ行われていないわけです。
この「11月に延期」は先週から出ていた情報ではありますが、先週の時点では、これは『G20経済長官会議の内容を反映するため』『米国との事前調整のため』と言われていました。本ブログでもそういう内容を(ソース記事の引用部分として)紹介したことがあります。
<<政府が、「包括的・漸進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)」に加入することで意見を集めた。政府は今月末までに省庁間の立場の調整を終えて、11月初めに登録申請を策定する方針だ。 2013年に登録検討に入って、8年ぶりだ・・・・政府は当初、(※10月)25日にCPTPP加入申請を発表する予定だった。しかし、米国ワシントンDCで開かれた主要20カ国(G20)財務相会議会談の結果を反映する時間が必要だと判断した。このため、韓国政府がCPTPP登録するかどうかをめぐり、米国政府と事前調整したという観測が出ている・・(韓国経済の記事、興味をお持ちの方は過去エントリーもお読みください)>>、と。
ですが、朝鮮日報の記事によると、G20も米国も関係なく、韓国内部の反発によるものだ、とのことです。ソース記事は農業団体のことを書いていますが、自分でもう少し調べてみたら、畜産業界など、他の団体も同じ立場を表明していました。それもそのはずが、韓国は多くのCPTPP加入国と、FTAなど一定レベルの協定を結んでいます。その際も騒ぎがあったけど、政府は団体と相手国をともに説得してなんとか協定までできたわけです。でも、相手国からすると、韓国市場を『追加開放』させるチャンスになりました。農業団体などからすると、追い打ちでしかないでしょう。以下、朝鮮日報の記事から引用してみます。
<<・・(※韓国の)内部的に、農業界の反発を解決しなければならない。CPTPPに加入すれば、グローバル競争力が認められている日本産の農・畜・水産物の輸入が本格的に始まるだからだ。カナダ・オーストラリア・チリ・メキシコ・ニュージーランドなど農業競争力の強い他の加盟国が、韓国市場の追加開放を要求する可能性もある。 CPTPP加盟国の農食品部門の平均関税撤廃率は96.3%に達する。
農業界は、すでに戦いを予告している。韓国農業経営人中央連合会は10月19日に声明を出し、「CPTPPは、いままで締結されたどのFTAよりも私たちの農業に与える影響が大きいと予想される」とし「RCEP国会批准を控え、農村現場の不安感が大きくなった状況で、政府がCPTPP加入まで宣言すれば、これを、農業の放棄、さらには食べ物の主権放棄とみなし、戦いを展開していく」と話した。このような反発を、政府も知らないわけではない。政府は今月25日に予定されていた対外経済長官会議を、11月初めに延期した。この会議で、政府はCPTPPに参加を決定する方針だった。政府関係者は、「省庁間で調整すべき部分がまだまだ残っている」と話した・・>>
大統領選挙がありますから・・しかも相手が市民団体となると、文政府としてはやっかいでしょう。韓国の市民団体が全般的にそうですが、農業や畜産業関連の大手団体も、今では左派支持になっています。可能性はそう高くないにせよ、場合によっては再延期があってもおかしくないのでは・・な気もします。また、ソース記事には、韓国がCPTPP加入を急いでいるのは、やはり中国関連だという分析も載っています。この部分を引用して、終わりにしたいと思います。
<<・・民間研究機関のある通商専門家は、「外交の比重が米国より中国に傾いているという観点からして、韓国政府は中国との関係を考慮し、いままでTPPとCPTPP加入を躊躇したという分析もある」と述べた。米国がTPPを主導したのは、中国を牽制しようとする性格が強かった。ところが、中心軸だった米国が離脱し、バトンを受け継いだ日本がCPTPPを構築した。中国としては、米国の空席に自分たちが入り、米国を孤立させるシナリオを組むこともできる状況だ。
CPTPPに参加するには、加盟国全体の同意が必要なだけに、中国が加入できるかは未知数だ。協定を主導する日本が米国と同盟関係を考慮し、防御的に出ている。ソ・ジンギョ対外経済政策研究委員は、「CPTPPが要求する高い水準の開放と経済政策の透明性などを中国が満たすことは、不可能に近い」と分析した。とにかく、中国が動いた以上、韓国も加入申請を急ぐしかなくなった、というのが政府の立場だ・・>>
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