韓国有力大統領候補、今度は「土地による所得は、国が回収し、国民全員のものとする」

週4日勤務、飲食店総量制に続いて、今度は「土地による収益は、国が回収して国民全員のものにする」です。実はこれ、盧泰愚元大統領が亡くなったこととも関係しています。まだ盧泰愚氏のことが報道される少し前、李在明(イ・ジェミョン)氏は、25日、こう話しています。

<<・・共に民主党大統領候補 李在明京畿道知事は25日、「共同体のものである土地は、憲法の土地公概念精神によって投機や不所得の手段ではないと考えさせることが重要だ」とし「必ずしも必要でないのに不動産を保有している人の場合、保有するだけで負担、損失になるようにしなければならない」と強調した・・イ候補は「土地というものは、不労所得が発生するものであり、これを制度的に完璧に(※国家が)回収して、私たち国民全員のものにすることが、最も根本的な問題解決の出発点である」と強調した・・(イーデイリー>>

 

で、その次の日、盧泰愚元大統領の死亡が報じられました。すると、主に左派系の人たちを中心に、「盧泰愚氏って土地公概念を主張していたよね」と、土地公概念を強調するとうになりました。一般的に保守右派とされる盧泰愚氏ですが、彼も任期中に不動産価格をとても気にしていて、土地は『公』の概念として扱うべきだとする土地公概念の概念を、憲法に刻みました。

いくつかの条項がありますが、やはり趣旨的にも韓国社会的にも問題になるのは、『超過利益回収』に関する内容です。不動産などで基準値以上の収益が出せた場合、超過した分の半分を国家が回収するというものです。要は、左派の人たちからすると、李在明氏の主張を守るために、「保守右派の盧泰愚氏も同じこと言っていたから、文句言うな」としているわけです

 

妙なのは、「盧泰愚がどうとか、憲法がどうとかって、本当に知らないで言っているのか、それともわざとそう言っているのか」です。なぜなら、盧泰愚氏の頃に作られた土地公概念関連法は、韓国の憲法裁判所から違憲判決を受けているからです。

2018年のハンギョレ新聞(日本語版)によると、<<・・1987年に改定された憲法に「土地公概念」が書かれてはいる。個人の財産権を公共福利増進のために制約することを可能にし、国土の効率的かつ均衡ある利用・開発と保全のために、法律の定めるところによって制限と義務を課することができると規定した。しかし、憲法裁判所の過去の決定は、韓国の土地問題の深刻な現実を無視することが少なくなかった。1989年の盧泰愚(ノ・テウ)政権時代、宅地所有の上限に関する法律などいわゆる「土地公概念3法」に対し、違憲または憲法不合致の判決を下したのが代表的な例だ。 2008年には総合不動産税法の世帯別合算課税条項にも違憲判決を下した・・>>、となっています。なのに、まさか、大統領候補ともあろう方が、それを知らないでいるのでしょうか。

同じくハンギョレ新聞によると、韓国は次の改憲でこの土地公概念を強化するために熱心です。「大統領府は大統領改憲案を説明し、『社会的不平などの深刻化する問題を解消するために、『土地の公共性と合理的使用に必要な場合に限り特別な制限や義務を付加することができるように、土地公概念の内容を明示した』と明らかにした。 必ず、そして至急、改正憲法に盛り込むべき内容だと考える」、と。

臨時政府はその綱領「第1章総則」の「その3」にて、「土地制度は国有とする」「乱れるばかりの私有化を廃止する」としています。ある意味、韓国が憲法で明示している「母体」である臨時政府の考えとそっくりであります。

 

 

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