「善良な規制」とは、「必要な分だけ、必要な場所に配置する」もの

最近、本ブログで紹介した李在明(イ・ジェミョン)氏の社会主義もどきな主張の中で、『善良な規制』という言葉が出ていました。例えば飲食店の数を制限する総量制の実施などは、善良な規制であり、善良な規制は善良だから問題ない、というものです。さて、『善良』の基準は誰がどう決めるのか、そこからしてすでに問題ですが・・明知大学校経済学チョ・ドングン教授は、『善良な規制』を、『必要な分だけ、必要な場所に配置すればいい』とするものだと分析しました。それすなわち、社会主義経済の基本思想です。まずは引用してみます。文化日報で<<>>が引用部分となります。

 

<<李知事は去る5月、「形式的な学力などで賃金に差を置くから、国家も能力損失があり、個人も人生を無駄にする」とし、4年間社会で技術を積んで努力した人と、大学に通った人の補償に差があってはならないという信念さえあれば、大学という「迂回路」をあえて選択する人はいないだろう、と言った。むしろ「大学に進学しなかった青年たちに、世界旅行費1000万ウォンを支援すれば」どうだろう、とした。大学を「迂回路」に格下げし、旅行費で人の心を買おうとしたのだ。反論に対しては、「そういう考えももっているという話だ」とした・・

・・そんな彼の構想通り、「飲食店許可総量制」が始まれば、どんなことが起きるのだろうか。初めての現象は、既存の飲食店に「権利金」がつくだろう(※数の制限で新しい店ができなくなり、既存の店にプレミアムが付く)。最も被害を受けるのは、新しく飲食店を開こうとした人たちだ。飲食業は完全競争市場に近い。もっとも競争力を持つ適正数の飲食店だけが消費者をめぐって競争を行う。その過程で、構造調整も常時起きている。

飲食店許可総量制が現実化すれば、公務員が絶対的な権限を行使するだろう。創業も廃業も、公務員の手を経なければならない。営業場所の移動と業種の変更もそうだ。そうなると、すべてを国家が統制する社会になってしまう。彼は、「善良な規制」をもって飲食店がレッドオーシャン化するのを防ぐことができると主張する。しかし、それなら、大学入学定員も卒業生の数も、全員が就職できる数字に「善良に」規制されなければならなくなる。すべてを必要な分だけ必要な場所に配置すればそれでいいと思っているなら、それは100%社会主義的発想だ。社会主義には失業が存在しない。国が職業を割り当てるからだ・・>>

 

こうして見ると、『就職』(この場合は店を開くパターンになりますが)って、影響力がとんでもないな・・と思わざるを得ません。それもそのはず、人生設計ですから。教授の分析どおり、いわゆる『大きな政府』の存在とも自然とつながるし、なにより、文句が言えなくなります。そして、就職というのが『失業無し』または『数の絶対制限』付きになるなら、少なくとも高校生あたりからは、教育内容がその『現実』に合わせたものになるでしょう。例えば、一般的な経済関連の内容なんか、教えたって何の意味もないじゃないですか。

 

ちょうど、2017年あたりから、中国は中高生たちに一般的な経済学をほとんど教えなくなった、という主張がありました。韓国開発研究院の「東アジア経済教育国際学術大会」でのことで、ここからは、韓国経済から引用してみます

<<中国が、学生たちに一般的な経済学をほとんど教えていないという指摘が出た。経済学教育の代わりに、社会主義思想教育に集中し、現実の経済問題分析を難しくしているということだ。深セン・ハルビン大学のガム・ジヘ教授は、「中国は2017年の標準教育課程改正を通じて、既存の教育課程で教えていた主流経済学部分を大幅に縮小した」とし「代わりに、中・高等教育で中国特有の社会主義思想と発展過程教育を強調している」とした。ガム教授は、このような教育課程の改編が、現実の経済問題分析を難しくしていると見た。ガム教授は「経済問題分析に必要な多角的能力を育成するために、中国の経済教育は基礎経済学の比重を拡大する必要がある」と話した・・>>

 

就職にもいろいろあるから全てのパターンで同じだとは言えないでしょう。でも、中国が中高生に社会主義(の経済システム)を教えるようになったというのは、中国において、『そんな教育で就職ができる』からではないでしょうか。教育が変わって就職(のパターン)が変わるのか、就職が変わるから教育もそれに合わせて変わるしかないのか。どちらにせよ、教育と就職というこの2つは、別々に考えていいものではないでしょう。考えすぎかもしれませんが、総量制って広範囲に強い影響を与えるものだな・・・と思う、今日このごろであります。

 

 

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