昨日も同じ趣旨のエントリーがありましたが、中国は今回の尿素(水)不足を、『サプライチェーンで中国を外すとどうなるのか思い知れ』とアピールするチャンスだと思っているようです。一面にすぎないかもしれませんが、もっと広い範囲で見ると、今回の騒ぎには、オーストラリアと中国の葛藤(石炭など)も関わっています。中国としては『オーストラリアが中国に屈しなかった』という見解を警戒しているのでしょう。『見ろ、その結果が、これだ!』、と。そんな中国に対し、韓国の外交部長官は両国の会談(先月29日)で、何も言えなかった、とも。以下、中央日報から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<中国発の尿素水問題が騒がしかった先月29日、イタリア ローマで鄭義溶(チョンウィヨン)外交部長官は、王毅 中国外交担当国務委員兼外交部長に会った。G20首脳会議をきっかけに開かれた韓中外交長官会談の後、外交部が発表した報道資料は「終戦宣言」で始まった。このほか、両国間の協力案も議論したという(※中国側の発表には終戦宣言関連内容はありませんでした)。
しかし、彼らが議論した協力方案の中に、尿素需給問題はなかった。 30余分の会談で、鄭長官は王委員に尿素問題を提起しなかった。ある元高位外交官は、「国内が尋常でない状態になっているのに、外交長官会談でこれを議題にすらしなかったとは、外交にあまりにも隙きが大きすぎる」と指摘した。
さらに、G20首脳会議をきっかけに、ジョー・バイデン米国大統領が駐在した「供給網回復関連グローバル首脳会議」は、尿素問題を提起する良い機会だったが、やはりきちんと活用できなかった。そもそも、米国側がサプライチェーン問題に集中する背景が、まさに今韓国で起きている尿素大乱のような状況を防ぐためだ。中国が国際的規範を無視して自国中心の輸出入関連措置でサプライチェーンのシステムを乱すことが、米国の問題意識だからだ。中国が要素に対して一方的に輸出前検査を義務化したのがまさにそうだ。
しかし、サプライチェーン首脳会議でバイデン大統領の隣の席に座り、バイデン氏の次に発言した文大統領は、尿素問題に言及しなかった。 もっと細かいサプライチェーンを構築できるように開放的で公正な貿易秩序を復元しなければならない」という、マニュアル的な発言をしただけだ。主要国首脳に尿素確保協力を要請したという話も、聞こえてこない。
中国は、今回の事態で世界サプライチェーンで中国の優越的地位を誇示しようとする雰囲気さえ感知される。中国共産党の機関誌である人民日報系列のメディア「人民資訊」は8日、「今回の供給危機を通じて、ヨーロッパ、韓国、米国ともに、グローバル・サプライチェーンにおいて中国が持つ重要な地位をより明確に認識しなければならない」と書いた。低姿勢という批判を甘受してまで、韓中関係に力を入れてきた文在寅政府だからこそ、国民的失望感がより大きな側面もある。今こそ、これまで投入していた「対中外交資本」を回収する時点だからだ・・>>
最後の部分は、逆でしょう。対中外交資本とやらは、多分、いままで見せてきた親中外交のことだと思われますが、韓国はそれを、回収できる『貸し』だと思っているのでしょうか。中国は、そう思っていません。それは中国からすると、韓国が『捧げた』ものであり、すでに中国のものです。回収するというなら、中国は韓国を「なんで私のものを奪おうとするのか」と言うでしょう。記事は、今回の政府の対応を、3NO(ノ)にちなんで、3無(ム)としています。問題提起が無かった、THAAD事態から得た教訓は何も無かった、危険を事前に把握する能力も無かった、です。でも、難しいこと考えずに「無」と「ノー」をつなげて読めばそれで合っている気もします。
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