林芳正氏の外相就任が噂されるようになって、韓国側の反応は大まかに2つに分かれました。林氏は親韓・親中な人だから、これで関係改善(?)できる、という意見。そして、彼が日韓関係、日中関係に熱心だったのはあるが、今の日韓関係で問題になっている事案では、彼はむしろ韓国基準で『極右』でしかない、期待すべきでない、という意見でした。
例えば、オーマイニュースは保坂祐二氏の見解を引用しながら、「林外相は中国はもちろん韓国とも友好関係を望むと言われており、親しく交流する韓国政治家たちも大勢いる」とし「韓日関係改善に青信号になる可能性がある」などと報じています。他のメディアも、林氏が「朝鮮通信者交流議員の会」の幹事だったことがあるなど、「親韓派だ」「知韓派だ」などと報じてました。
しかし、また一部のメディアは、「林芳正外相は、安倍晋三内閣で農林水産相、文部科学相を歴任し、『みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会』の会員であり、文部科学相だった2018年には、文部科学省は独島(※竹島のこと)を日本領土と教育するようにした高校学習指導要領を確定した」と報じながら、警戒していました(ニューシース)
そんな林氏が、外相に就任しましたが、さっそく『韓国と疎通したい』としながらも、『旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題は韓国が解決すべき問題』『韓国大使と会う予定は、いまのところ無い』『韓国のCPTPP加入申請の話は、聞いていない。台湾、イギリス、中国のことは知っている』と話しました。個人的に、その中でも「~戻した後(記事によっては『~戻し、そのうえで~』」という表現が、真っ先に目につきました。ここからは聯合ニュースから引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<林芳正新任日本外相は。韓国との疎通を強化するという意思を明らかにした。林外務相は「韓日関係を健全な関係に戻した後、幅広い分野で協力するために外交当局間の協議や意思疎通を加速したい」と11日述べた。彼はこの日午前、日本外務省で開かれた就任記者会見で、韓国との高位級コミュニケーションなどをどうするのかという質問に、「韓国は重要な隣国なので、非常に難しい状況にある日韓関係をこのまま放置できないというのが、私の考え」としながら、このように答えた・・
・・だが、彼は旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題は、1965年韓日請求権協定などですべて解決されたもので、関連した訴訟の問題は、日本側が受け入れられる解決法を韓国が出さなければならないという、日本政府の既存の立場を再確認した。林外相は「国と国の約束を守るのは国家間関係の基本」とし、旧朝鮮半島出身労働者問題の訴訟について「日本側が受け入れられる解決策を、(韓国側が)早期に提示するよう強く求める」とし、慰安婦訴訟の場合は「韓国が国家として適切な措置を講じるよう強く要求したい」と述べた。
彼は韓国が包括的・漸進的環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)加入を検討することに対する日本の立場を尋ねられ、「中国、台湾、イギリスなどの加入申請は知っているが、韓国に関してはまだ知らない。情報を把握したい」とした。カン・チャンイル駐日本韓国大使との出会いに関しては「今、就任したばかりだから、今はまだ予定がない」と説明した・・>>
「した後」が気になって、中央日報日本語版を読んでみたら、「日韓関係を健全な関係に戻し、そのうえで幅広い分野で協力すべく、外交当局間の協議や意思疎通を加速していきたい」となっていました。なるほど。韓国は「現状を何とかするために、日本が話し合いに応じる必要がある(いわゆる『共に努力する』など)」としていますが、日本の外相は「現状をなんとかしてから、話し合いを広げたい」と思っているわけですね。
さらっと言っているけど、これは致命的な差だな・・と思いました。なにせ、その現状を何とかするのは、『疎通』ではない、という意味ですから。そう、韓国が解決策を用意するしかない、と。私の心が曇っているだけかもしれませんが、この『韓国が解決策を出して現状をなんとかして、その後に~』というのは、今朝エントリーした、「共に」の全否定ではないでしょうか。タイミング的に、文大統領に『返事」をしたような気もしますが・・さすがに考えすぎでしょうか。
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