韓国、やっと防疫措置を取るも、中身は微妙・・「ウィズコロナ失敗」と言わせないためか

韓国の昨日(今朝発表)の新型コロナ新規感染者の数は4,933人でした。重症患者は3人(現在736人)、死亡者は34人。在宅治療患者たちからも、「全家族が感染した」から「救護物資として届いた食料の流通期限が3日も過ぎていた」まで多くの不満が出ており、どう考えても政府が何かの措置を取らないといけない状況になっています。

オンラインコミュニティーの話題を記事にしたものなので真偽は不確かですが、ニュース1の記事によると、オンラインコミュニティなどを中心に在宅治療中の人からの苦情が相次いでいる、とのことでして。ほとんどは家族のこと、です。「咳がひどくなったのに受け入れてくれる病院がない」、「隔離のための用品も、家族は3人なのに1人分しかもらえなかった」「流通期限が3日も過ぎた 肉が救護品として届いた」、「(本人が在宅治療中に)妊娠8ヶ月の妻と3歳の子も感染した」、「病院への入院はできない」、などなどです。

そんな中、昨日の夕方あたりから、店の営業時間を制限する、防疫パス(ワクチン接種または現在陰性であるとの証明書)の適用を拡大する、私的会合の人数を制限するなど、なにかの防疫措置が始まるというニュースも流れました。

今朝、韓国政府が防疫措置を発表しましたが・・どうでしょう。基本的には、いまは一部の施設だけで適用される「防疫パス」を「ほぼすべての施設」に適用し、来年2月からは青少年が主に利用する施設にも適用するとのことです。特に、食堂・カフェに適用することがメインです。以下、国民日報から引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<来る6日から4週間、私的な集会の許可人数が、首都圏で最大6人、非首都圏で最大8人に制限される。防疫パス(接種完了・陰性確認書)適用施設は、食堂やカフェを含む、公衆が利用するほとんどの施設に拡大される。キム・ブギョム国務総理は3日、コロナ19中央災難安全対策本部会議で「政府は今後4週間で防疫の土台をしっかり補強することに集中する」とし、このような内容の防疫措置強化案を発表した。

彼は「急速に広がっている感染を早めに抑え込むため、私的集会人員制限を強化する」とし「次の週から4週間、私的集会許容人員を首都圏は最大6人、非首都圏は8人までに縮小する」と明らかにした。金首相はまた「高いワクチン接種率を基に、日常で感染リスクを下げるために防疫パスを全面的に拡大適用する」とし、「食堂やカフェを含む、ほとんどの大衆利用施設に適用し、現場での実効性のため、1週間の啓発期間を置く予定だ」と話した。金首相は引き続き「青少年に対するワクチン接種を遅らせることができない状況」とし「今後2ヶ月間、青少年がワクチン接種をして抗体が形成される期間を勘案し、来年2月からは青少年たちが好んで利用するほとんどの施設にも防疫パスを適用する」とした・・>>

 

韓国の場合、「60歳以上の重症患者の57%は突破(ブレークスルー)感染」というデータもあります(ソウル新聞、12月2日)。防疫パス制度そのものを否定するつもりはありませんし、いまからでも何かの措置を取ったこと自体を否定するつもりもありません。でも、年末に向けて、もっと広く、強い政策が必要なのでは・・な気がするのも事実。

そもそも、本件、韓国ではトップ・ニュースで隠しが報じていますが、その中に「ウィズコロナを一時的に中止する」という発言はなく、違和感が半端ありません。昨日流れた「予想」ニュースより防疫措置が弱くなっているのは、記事のほうが誤報だった可能性もありますが、『韓国政府のウィズコロナは失敗した』と言われることを恐れ、防疫措置のレベルを下げたのではないか・・心が曇った私には、そうしか思えません。

 

そもそもこのキム・ブギョム総理、先月26日にこう話しました。<<・・キム総理は、確診者が急増したことで、営業時間制限や私的集合人数制限の強化など、いわゆる『(※ウィズコロナの)緊急停止』が提案されていることに対し、「後退は難しい」と線を引きました。キム総理は首都圏の医療対応体系が限界値に達していることを強調し、「今使えるカードは、追加接種を強化し、ワクチン未接種者に不便な思いをさせることだ」と強調しました・・>>。あと1ヶ月ぐらい待ってみれば、結果も効果も分かるでしょう。

 

 

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