韓国、CPTPP「加入申請」ではなく、いまさら「加入について社会的議論を始めます」・・早くても2~3年待ちか

本ブログでもお伝えしましたが、韓国はCPTPPに加入する意欲(?)を完全に亡くしています。この件については過去エントリーで書いたことがあるので、未読の方はお読みください(12月5日の過去エントリー)。

でも、昨日は中央日報が「明日、CPTPP加入申請を決定するかも!」な記事を載せ、今朝は複数のメディアがCPTPP関連の記事を出し、中には「日本が反対しているのが心配だ」とするものまであって、私は「おっ、意外だな、決定したのか。でも、現状だと無駄だと思うけど」と思いました。以下、各紙、<<>>が引用部分となります。

 

<<韓国が包括的先進的環太平洋経済同伴者協定・CPTPP加入を推進することについて、この協定を主導する日本側が慎重な立場を見せていることが分かりました。共同通信は、韓国の加入推進について、日本政府関係者が「CPTPPの水準の高い自由貿易規則を満たすことができるかどうかを判別する必要がある」と明らかにしたと報じました。この関係者は、韓国の加入には日本国民の理解も必要だと明らかにし、強制動員問題や福島産水産物の輸入禁止など「日韓間にはいくつかの懸案がある」と慎重な立場を示したと、通信は伝えました。このような発言は、日本が強制動員や慰安婦など両国歴史問題を協定加入と連携させる可能性を示唆したものであり、今後の対応が注目されます・・(YTN>>

 

でも、なんか書き方が妙だな・・と思ってもっとちゃんと調べてみたら、加入決定(申請)ではなく、「加入に関して意見を集めることを決定」しました。加入する方向に進むけど、意見を集めてみて、実際の申請はあとにする、という意味です。さらに一部のメディアが、「加入申請を始めた」と、誤報・・というほどではないけど(そう見ることもできなくはない)、微妙な内容の記事を出していて、ややこしいところです。始めたもなにも、これ、早い話、「アンケート取っておくから、次の政府、よろしくね」パターンでしょう。珍しく、意見が合う記事を一つ引用します。

 

<<政府が包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)加入のための公式的な手続きに着手した。 しかし、申請を決定するのではなく、「加入のための社会的議論」に着手すると明らかにしており、次期政府に決定を渡すのではないか、という解釈が出ているた。政府が社会的議論を掲げたのは、来年3月に大統領選挙を控えた状況と無関係ではない。

内部的にはCPTPP加入が必要だと事実上の結論を下したが、濃・縮産物と福島水産物についての(※輸入再開圧力などの)懸念で、農・漁民の反発が懸念され、大統領選挙を目の前にした時点でCPTPP加入をすすめるのは負担になるからだ。 与党が「速度調整」を注文したのに続き、今後、農漁民など反発が激しくなると、与・野党の大統領候補がCPTPP加入を覆す可能性も排除できない状況だ・・(アジア経済>>

 

中央日報は、このままだと早くても2~3年後でないと、韓国の順番は回ってこないだろう、と指摘しています。<<・・やっとCPTPP議論を始めたが、政府の立場は加入申請ではなく「世論調査」にすぎないと指摘されている。CPTPPは加盟国全体の同意を受けなければ加入できず、申請しても加入できるか不透明だ。 また、イギリスに続き、中国、台湾まで既に加入を要請しているため、順番が回ってくるまでは、少なくとも2~3年はかかる

実際、ホン副首相は昨年10月14日(現地時間)、米国ワシントンDCのG20財務長官会の記者懇談会でCPTPP加入について「もう時間がない。加入するとかしないとか、するならいつするのか、全てを含めて、10月末、11月初めには決定しないといけない」とした。 だが、加入決定は遅れたまま、世論を調べると立場が多少旋回してしまった。このため、実際の加入は次期政府で決定する可能性が高い・・(中央日報>>

話を最初に戻しますと・・こんな状態で、まで申請するともまだ言ってないのに、よくも「日本が反対していて心配だ」という記事が書けるものですね。

 

 

 

拙著著のご紹介&お知らせなど♨  以下、本の題の部分はアマゾン・アソシエイトになりますのでご注意ください。

新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権で日韓関係がどう変わったのか、文政権の考える『まともな国』とはどんなもので、それは南北、対日、対米、対中関係をどう考えていたのか。そして、どう失敗したのか。次期大統領選挙や日韓関係はどうなっていくのか。そんな内容となります。

准新刊<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が発売中です。日本語たる不思議、その圧倒的な行間。「ありがとう」たる行間の存在。それらについて考察した本になります。既刊として、日本滞在4年目の日常と、ラムザイヤー教授の論文騒ぎから見えてきた日韓の差を考察した<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>、併合時代や1965年(基本条約締結)の韓国語記事などから当時と現状を考察した<恥韓の根源>も発売中です。他の拙著については別ページにまとめました

サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。

本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります