韓国の大統領選挙、与党の李在明(イ・ジェミョン)候補も、野党の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補も、家族の不正で大騒ぎになっています。もはや「誰が大統領にふさわしいのか」ではなく、「誰の悪事が比較的マシなのか」で大統領が決まるレベルになりました。以下、いくつかの記事から引用してみます。各紙、<<~>>が引用部分となります。李候補の不動産開発関連不正は前に紹介したことがあるので、今日はパスします。9月の過去エントリーです。まだの方は、ご一読を。
まず、「法治(きりっ)」を掲げている、尹候補。お義母さん(奥さんのお母さん)崔某氏が、各地に多くの不動産を所有していて、しかも税金未納や課徴金などで差し押さえられている不動作だけで、23件もあることが分かりました。 <<共に民主党が、ユン・ソクヨル国民の力大統領候補の義母であるチェ某氏の差押不動産現況を公開し、ユン候補に対する圧迫水位を高めた。 国民の力は、裁判のために差し押さえられた事案だと反論した。共に民主党選挙対策懸案対応タスクフォースは18日報道資料を通じて「チェさんはソウル、京畿、江原、忠清などに住宅及び土地を所有していた」とし「これら不動産の中、地方自治体や健康保険公団 によって差し押さえられた不動産だけで全国各地23カ所に達することが確認された」と明らかにした・・(ソウル経済)>>。
ご存知、不動産は(世界各国で似たような考え方は多少なりありますが)特に韓国では貧富の格差を象徴する存在になっています。一般的に大金持ちとされる人たちの資産はほとんどが不動産だから、と言われています。単に高いマンションがほしいだけかもしれませんが。特に、与党としては、過去エントリーで書いた不動産再開発関連のダメージを、同じく不動産関連で返した、という見方もできます。まさに、「誰の悪事がもう少しマシか」を競っていると言えるでしょう。
尹 『法治』 錫悦(格闘技番組の選手紹介風に)候補にはもう一つ悩み事があります。奥さん金某氏のことで、彼女の大学入学や就職に決定的な影響を及ぼした美術公募展での受賞経歴など、彼女の履歴や学歴に関する多くの文書に、偽造の疑惑がかかっています。大学教員任用のための書類なども含まれており、虚偽の経歴提出は文書偽造及び業務妨害罪で処罰対象になります。尹候補はいままで「謝罪する事案ではない」「全ては慣行だ」としてきましたが、今日、やっと「とりあえず騒ぎを起こしたこと」を謝罪しました。ファイナンシャルニュースは、この件で、<<文在寅(ムン・ジェイン)政府の『私がやればロマンス、他人がやれば不倫』なスタンスを非難してきた「国民の力」の大統領候補が、自分の妻を各種疑惑からかばい、慣行を言い訳をする姿を、有権者たちはどう見ているのだろうか>>と指摘しています。そう、あのチョ・グク氏ととても似ている事案だからです。
李候補側も負けて(?)いません。李候補の長男が、「億」単位の違法賭博に関わっていたことが明らかになりました。李候補側は、長男が参加していたことは認めながらも、1000万ウォンぐらい負けていて、借金もした、と話しています。しかし、インターンで6ヶ月働いただけの長男の預金額が急に増えていたことなどで、野党側は積極的に攻めています。<<イ・ジェミョン民主党候補の長男違法賭博に関連し、「国民の力」が主張した疑惑とは違い、「1000万ウォン以内で金を失ったようだ」と解明しました。資金源は、銀行に借金があると説明しました。警察はすぐに調査に着手する予定です・・(チャンネルA)>>、<<国民の力は、李在明候補の長男の預金額が2年間で5000万ウォン以上も増えたとし、疑問を提起した。ホ・ジョンファン選挙対策広報担当者は18日、コメントを出し、「違法賭博を始めたとされる2019年以降、預金が急増したことが明らかになった。親からお金をもらって贈与税の脱税でもしたのか、それとも天才賭博師か?」と尋ねた・・(ニューシース)>>。
李「うわあぁぁぁ」 尹「うわあぁぁぁ」 国民「うわあぁぁぁ」・・・といったところでしょうか。いつだったか、今回の選挙を、「エイリアン対プレデター(映画1作目)」の宣伝フレーズに喩え、「誰が勝っても、明日は無い」とするジョークを紹介したことがあります。ちょうど、そんなところではないでしょうか。
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