日米首脳会談に戸惑う韓国・・一部の韓国紙が「ホワイトハウスが『韓国と緊密に調整』と言った!」と喜ぶものの、中身は「北ミサイル糾弾に参加せよ」なもの

日米首脳会談に関する記事がいろいろ出ています。主な論調は『韓国はスルーされた』となっています。さすがに、そうなりますね。

日米は、既存の安保部門に続き、経済部門(いわゆる経済と安保の連携)でも2+2会談を新設するなど、今回のオンライン会談は思ったより成功したと言える内容です。新型コロナの状況にもよるでしょうけど、バイデン氏は春に来日することも明らかにしました。韓国からすると、明らかに『K(蚊帳)の外』状態です。しかも、それだけでなく、昨日お伝えした「CVID」の件で、やはり北朝鮮が強く反応しました。以下、ニューシースから引用します。<<>>が引用部分となります。

 

<<日米首脳会談で、北朝鮮核に対する完全かつ検証可能で元に戻せない解体(CVID)が取り上げられ、北朝鮮が激昂した反応を示した。朝鮮新報は、「バイデン行政府は朝鮮の国防力強化のための措置をかけて単独制裁を発動する一方、国連安保理を盗用した国際的包囲疹形成を画策しながら、核、ミサイルを包括した朝鮮のすべての武器体系を完全かつ検証可能で不可逆廃棄(CVID)の対象としなければならないという、強盗の論理を国際社会に再び流布している」とした。

同メディアはまた、「2017年のように、朝鮮が米国の関心を引くために崖っぷち戦術を使うと見ているなら、それは誤判だ」、「何かの取り引きでもするような、米国の旧態依然な敵対政策が確認されたハノイ会談のような対話が繰り返されることは、もうない」と明らかにした・・

 

・・バイデン政権は執権後、「朝鮮半島の完全な非核化」という表現を使ってきた。CVIDを再び取り出した点が注目される。CVIDは、ジョージWブッシュ大統領執権1期である2001~2005年に樹立した北朝鮮核解決の原則だ。完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄を意味する言葉だ。北朝鮮の先制的な核廃棄の意味でもあるCVIDは、2006年に北朝鮮の1次核実験直後から国連安保理決議に北朝鮮非核化の原則として明示された。

北朝鮮はCVIDに対して「敗けた国が使う屈辱的な単語」と強く反発してきた。 2018年6月、シンガポール米朝首脳会談の共同宣言で、CVIDの代わりに「完全な非核化」という表現が使われた。バイデン政権も「朝鮮半島の完全な非核化」という用語を使ってきた。今回、バイデン政府がCVIDを再論議し、米国の対北政策が強硬基調に戻るだろうという展望が出ている・・>>

 

この展開は、特に文大統領の主張する『(北朝鮮問題の)対話、外交による解決』の核心でもある米朝首脳会談の必要性を全否定するものであり、終戦宣言はおろか『終談宣言』な展開になりました。文大統領としては、終文宣言のようなものです。さすがにもう耐性はついているでしょうけど。

こんな中、一部のメディアが『ホワイトハウスは、韓国との話し合いが重要だと言った』と無理をして韓国を組み込もうとする記事を載せていて、印象的(?)でした。聯合ニュースなども妙にこの点を強調した記事がありますが、京畿道・仁川のローカルメディアOBS京仁TVは、題からして『韓国と緊密に調整』にし、こう報じています(動画の自動再生にご注意ください)。 <<岸田文雄日本首相、就任後初の日米オンライン首脳会談。両国首脳は北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル試験発射を糾弾しました。ホワイトハウスは「朝鮮半島の完全な非核化に向けて韓国と補助を合わせて北朝鮮問題に対して緊密な調律(※調整)を維持することを約束した」と明らかにした。北朝鮮の弾道ミサイル発射と核実験再開を示唆して以来、バイデン大統領が初めて公式立場を出したのだ・・>>

 

嘘ではありません。ホワイトハウスの報道資料に「韓国と足並みを揃え」「韓国とも緊密な調律」の内容があります。でも、これには、二つの『オチ』があります。まず、首脳会談でCVIDと明記されたのに、ブリーフィング資料にまだ「完全な非核化」になっている点。これは、米国内で調整が済んでいない可能性もありますが、私は「韓国関連の話なのに、まだ韓国と調整が出来ていないから」だと見ています。配慮といえばそれだけですが、「緊密に調整」と言いつつ、これはこれで皮肉な話です。

もう一つのオチは、「緊密な調整」が、ミサイル糾弾関連で出てきた点です。ここからアジア経済の記事を引用してみます。 <<・・(※ホワイトハウスは)報道資料を出して「両首脳は国連安全保障理事会決議違反である北朝鮮の最近の弾道ミサイル発射を糾弾した」としながら、「朝鮮半島の完全な非核化に向けて韓国と足並みを合わせ、北朝鮮問題に関して緊密な調律を維持することを約束した」と述べた・・>>。アジア経済は題からして「ミサイル糾弾には韓国との調律が必要」としています。

韓国は、国連での北ミサイル糾弾共同声明に参加していません。日米は参加しました。ここでいう『調律』が、なにを意味するのか。なんで『ミサイル糾弾関連の話』と他のメディアは報じないのか。いろいろ、気になるところです。

 

 

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