文大統領の『業績(?)』であるエジプトへの自走砲K9輸出、実はまだ契約が確定してなかった?

率直に言って、他に書きたいネタが無い・・というのもありますが、韓国のポータルサイトで話題になっていることもあるし、また、文政府らしいというか、韓国らしいというか、そんな気がして、本件をエントリーします。

韓国は最近、武器輸出にかなり熱心です。2月1月には文大統領が2兆ウォン規模の自走砲K9をエジプトに輸出したことで、大きな話題にもなりました。ちょうどソル(旧暦元日)連休ということもあって、かなりお祭り雰囲気だったと聞きます。

ですが、SBSが確認してみた結果、「契約できた」というには、二つの契約が必要になります。なぜなら、韓国側が購入資金の8割をエジプト側に貸すことになっているので、その貸し出し契約も締結しないと、K9輸出はパーになります。その融資契約に関して、どんな条件でやるのか、例えば利子などはどうするのか、それがまだ何も決まっていないというのです。よって、外国の軍事関連メディアは、韓国とエジプトの契約を「MOU締結(MOUは法的拘束力はありません)」と報じている、とも。以下、SBSから引用します<<>>が引用部分となります。

 

<<ソルだった1日夕方、ハンファ・ディフェンスのK9自走砲のエジプト輸出契約締結のニュースが、防衛産業庁の報道資料を通じて発表されました。契約金額が2兆ウォンを超えるK9最大規模の輸出の快挙だとされました。ハンファディフェンスのK9エジプト輸出と連携して、エジプト政府は契約金額の80%である1兆6千億ウォンを(※韓国の)輸出入銀行から借りることにしました。しかし、一般的に、貸し出しを含めた輸出の契約とは、貸し出しの契約まで出来てからでないと、完全に成立したことにはなりません。ローンの金利を決めないと、車をローンで買えないのと同じです。K9エジプト輸出のための、輸出入銀行とエジプト政府の融資契約は、まだ締結されていません。今後、長期間の交渉を行う必要があります。

先月末、エジプト国防部当局者がハンファ・ディフェンス側に(※輸出入銀行がエジプト側に送った、『韓国からK9購入のためにお金を借りる意向があるのか』という文書に)意向があるとの意を口頭で伝え、ハンファディフェンス海外営業職員が輸出入銀行担当チーム長にこの言葉を電話で伝えました。輸出入銀行の高位関係者は「エジプトの意向は、文書では来ていない。ハンファディフェンス職員を通じて、口頭で、間接的に聞いたものだ」と説明しました。ここまでが、輸出入銀行とエジプト政府間の疎通の全てです。

国防部の高位関係者は、防産庁の報告を引用し、「融資協議は事実上すべて終了し、サインだけ残った段階なので、輸出契約を締結したと発表した」と述べましたが、それとは温度差が大きすぎます。輸出入銀行はエジプト当局者の話を、ハンファディフェンスの人を介して間接的に聞いただけです。サインだけ残っている局面とは言えません。政府の主張とは異なり、次の手順はサインではなく『交渉』です。輸出入銀行の融資実務者は、「エジプト政府が融資依頼書(Loan Request)を送ってくると、それからが、本格的な交渉の始まりだ」と述べました。

エジプト当局者の言葉には法的効力はありません。言葉を変えることもできます。貸し出しを受ける意向があると言った『エジプト当局者』の役割と役職が気になるところですが、輸出入銀行は「知らない」、ハンファディフェンス側は「公開できない」と線を引きました・・>>

 

引用部分にはありませんがソース記事によると、イギリスの軍事関連メディア「JANES」は、韓国とエジプトの契約を「MOU」と報じた、とも。MOUは法的拘束力はありません。融資契約が思いのままにいかないと、文大統領が「契約」と騒いでいる部分までパーになるから、でしょうか。

また、韓国内で「下手に契約できたと宣伝してしまって、韓国側が不利になってしまった」という指摘も出ています。シン・ジョンウ韓国国防安保フォーラム責任分析官は、「輸出契約とは、実物契約と融資契約の両方ができたときに完全なものになる。実物契約だけした時点で急いで発表した意図が疑わしい」、「政府が国民に自主砲エジプト輸出を快挙だと広報してしまったため、輸出入銀行は、エジプトが無理な要求をしても必ず貸出契約を締結しなければならない立場になってしまった」と指摘しています。

なんというか、契約内容でいろいろ疑わしいと言われた、李明博氏のUAE原発契約と似ている気もします。

 

 

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