韓国、佐渡金山関連の外交戦に本腰・・ユネスコ会長など各国の外相と会談

韓国政府が、佐渡金山の世界遺産登載を阻止するための「外交戦」を本格的に始めました。鄭義溶(チョンウィヨン)韓国外交部長官は22日(現地時間)フランスのパリで開催される「インド・太平洋協力に関する外相会議」に参加、オードレ・アズレ ユネスコ事務総長、およびユネスコ委員国の外相と相次いで面談・会談する予定で、そこで佐渡島の金山(佐渡金山)に関する韓国側の懸念を表明、事実上の登載拒否を要請するとのことです。

また、数日前、急にロシアが佐渡金山の世界遺産登載に同意できないというコメントを出しましたが、ソース記事によると韓国側はロシアの反応にすごく勇気づけられた(?)、とのことでして。ロシアは世界遺産委員国です。ユネスコ委員会は、アルゼンチン、ベルギー、ブルガリア、エジプト、エディオピア、ギリシャ、インド、イタリア、日本、マリ、メキシコ、ナイジェリア、オマーン、カタール、ロシア、ルワンダ、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、南アフリカ、タイ、ザンビア(21カ国)で構成されています。

世界文化遺産登載は、普通なら全委員国の満場一致で決まりますが、それは慣例であり、投票で3分の2以上(14カ国)が賛成すれば、登載可能です。2月6日の過去エントリーで本ブログでも取り上げたことがありますが、韓国は来年後半期からの委員国に出馬する予定で、一部のメディアは『もし今回佐渡金山が登載できても、韓国が委員国になったら、取り消すことができるのか』にフォーカスを合わせたりしています。ユネスコ側の返事は、「極めて珍しく(extremely rare)、保存価値が無くなって取り消しになった事例ならあるものの、歴史問題などで登載が取り消されたことは1件も無い」との趣旨でした。やはり、外交戦で事前に阻止する方法しかないと思ったのでしょうか。以下、ニュース1から引用します。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・鄭長官は、オードレ・アズレ ユネスコ事務総長と会い、韓国とユネスコ間の協力強化方案について議論する一方、佐渡鉱山(※佐渡金山)関連問題も議論する計画であることが分かった。ユネスコ世界遺産委は来年3~5月、専門家による実査を含む国際記念物遺跡協議会(ICOMOS)の事前審査を経て、6~7月ごろ、佐渡鉱山の世界遺産登載可否を最終決定すると予想される。遺産登録決定は21の世界遺産委員局のうち3分の2以上の賛成で可能になる。したがって、世界遺産登録「阻止」のためには、委員国を対象とした事前世論戦が重要だと指摘されている。

鄭長官が今回のパリ訪問で世界遺産委員局であるブルガリア・インド当局者などとの会談も推進しているのも、このような状況と無関係ではないと思われる(※ソース記事にはありませんが、同じく委員国であるギリシャとも会談を推進しています)。このような中、世界遺産委員国であるロシアが最近、日本の使徒鉱山問題と関連して「韓国側の反応を理解する」(マリヤ・ザハロワ外交部スポークスマン)で、韓国側に力を与えるような姿を見せており、政府の内外では「これならやれる」 との話も流れている。韓日はすでに、それぞれタスクフォース(TF)を構成して「対応カード」を準備している・・>>

原語で何というのかは分かりませんが、ソース記事では会議の名称を「インド・太平洋協力に関する長官(外相など)会議」としています。しかし、記事の最初から最後までインド太平洋関連はまったく出てこないところが、また韓国らしいと言えるかも知れません。

何度も同じことを書いていますが、登載そのものより(登載できればもちろん嬉しいですが)、結果までの過程について、日本は何を話したのか、韓国は何を話したのか、そんな内容がちゃんと伝えられることを願っています。例えどんな結果になっても、その内容こそが、下手に妥協しての登載より価値があるでしょう。ありのままの現状を認識してこそ、本物の『未来志向』もできるものです。韓国が望む日韓関係の未来がどんなものなのか、その内容がもう一度日本国民の皆さんに『現状』を伝えてくれるはずでしょう。

最後に、これもまた重複で恐縮ですが、「佐渡鉱山」という韓国側の表現についてです。韓国には金山という言葉はなく、「金鉱(금광)」はあります。だから佐渡金山ももともとは「佐渡金鉱」がちゃんとした訳になります。別に鉱山と訳してはならないというわけではありませんが、この場合、韓国は旧朝鮮半島出身労働者問題だけに限定、労働というイメージを強調するために、「佐渡鉱山」表記だけを使います。

軍事政権時代、北朝鮮関連教育の定番として、「鉱山で苦しめられる北朝鮮の住民たち」のイメージがありました。テコンVで有名なキム・チョンギ監督の大ヒットアニメ「トリ将軍(똘이장군)」シリーズでも、そのイメージはよく使われていました。『ブタ』に支配されている地域で、トリという少年が動物たちと力を合わせて自由を取り戻すという内容の、典型的な反共アニメでした。うろ覚えですが、1作目のクライマックスが、鉱山に連行されたヒロインや、苦しむ人たちを救うために、トリがブタと戦うシーンだったと記憶しています。最後に、告知がございます。コメント注意事項にアップデート(17日)した内容があります。シンシアリーからの大事なお知らせ とともに、ぜひ、お読みください。

 

 

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