韓国の有力大統領候補二人、それぞれウクライナ事態を選挙に利用か・・一部の韓国紙が指摘

韓国の有力大統領候補、野党の尹錫悦(ユンソクヨル)氏と与党の李在明(イジェミョン)氏が、それぞれウクライナ事態を「選挙に利用している」と指摘されています。特に李候補の場合、かなり露骨的です。一応、あとで「表現に問題があった」と認めましたが。

まず、与党の李在明候補の場合を見てみましょう。討論会、SNSなどで、李候補はロシアのウクライナ侵攻のことで、「力の無いウクライナがロシアを刺激した」「経験のない大統領のせいだ」という趣旨の発言をし、大きな騒ぎになりました。一応、李候補は「私の表現力が足りなかった」とし、謝罪っぽいけど謝罪ではない何かをしました。「経験のない政治家が大統領になって、NATOに加入するとか公言し、ロシアを刺激し、結局は衝突となった」、「ロシアの行為は糾弾されるべきものではあるが、外交の失敗は、そのまま戦争を招くということが明らかとなった」、「戦争が経済に悪影響を及ぼすということは、言うまでもないだろうに」、などです。

これは、明らかな『選挙用』発言です。「経験のない政治家」「力ある国を刺激する」ともに、野党の尹候補を皮肉っているわけです。また、他にも「経済的な被害」に繋げようとする論調が強く、これは、自営業者たちへのアピールに他なりません。前に本ブログでも書いた記憶がありますが、李在明氏は自営業者たちの間で人気が高いのが特徴です。尹候補より壮大な(笑)バラマキ政策を公言しているのもそうですが、実は、『飲食店の数を国家が管理する』など、事実上、実現不可能な(実現したらしたで妙な話ですが)案件を話したこともあります。

去年10月28日のSBSの記事ですが、これを「飲食店許可総量制」といい、李候補自ら、全国小商工人・自営業者たちとの懇談会で話した内容です(※公約ではありません)。飲食店の総数を国が統制し、『店を開く権利』を売買できるようにする、というのです。新しく飲食店を始めようとする人は、相応の負担を背負うことになるでしょう。李候補は、「自律性に問題をきたすという話もあるが、総量制が悪いわけではない。善良な規制は必要だ」と主張しました。こんな話がネットで広がって、こういうのが自営業者支持に繋がっているというから、わけが分かりませんね。

 

尹候補もまた、こう話しました。「文在寅政府は今、ただの紙切れにすぎない宣言文のために、すべての国力を無駄にしている」、「ウクライナを見よ。宣言文・協約書を作って、その国の安定が保障されたのか」、「紙とインクで出来ただけの協定書・宣言文では、絶対に平和を保障できない」。紙切れというのは、文在寅政府が推進している終戦宣言のことです(韓国日報)。これ、もちろん「見方にもよる」案件ではありますが・・合意を『破った』ほうに問題があるのでしょう。合意そのものではなく。別に、ここまで合意、及びそのための努力をバカにする必要があるのでしょうか。

他にも、『じゃ、私たちが(朝鮮末期に)日本を刺激したせいで、日本の植民地になったとでも言うのか(聯合ニュース)』とも話しました。それは、ま、刺激したでしょう。刺激というか、『なにもしなかった』ですね。大韓帝国は。どのソース記事もこの件については何も指摘せずにいますが、必至に抵抗しているウクライナを、何もしなかった、できなかった、いや「何かをしようともしなかった」大韓帝国に喩えるのは、これは大きな失礼でありましょう。個人的には、この部分がもっとも不愉快でした。

 

話を戻しますと、こういう動きに対し、一部のメディアが『ウクライナを選挙に利用するな』と指摘しています。もっともハッキリ書いているのは、左派系列のハンギョレ新聞です。ここからは、ハンギョレ新聞から引用してみます。<<~>>が引用部分になります。 <<・・ロシアの侵攻を非難、反戦を叫ぶデモが、世界各地で行われている。米国、日本、フランス、ドイツ、ギリシャ、スイス、イラン、メキシコなどで、市民たちが集まり、反戦デモを行った。韓国に住むウクライナ人たちと、彼らと連帯する一部の韓国人が、27日、駐韓ロシア大使館付近で集会を開き、ロシアの侵攻を糾弾した。ロシア国内でも、市民たちが反戦デモを繰り広げ、数千人が逮捕されたが、それでも抵抗を続けている。

こんな中、有力大統領候補二人が、TV討論会などで不適切な発言をしたのは、実に失望である。李在明共に民主党候補はウクライナの大統領を「初心者政治家」と称し、彼の外交失敗を指摘し、あとで謝罪した。尹錫悦 国民の力候補は「ウクライナ事態により、紙とインクでできた協約書(ミンスク協定)一つで国家の安全保障と平和が守れないことがよく分かった」とし、文在寅政府の終戦宣言推進を迂回的に批判した。今、命をかけているウクライナ国民の不幸を、いかなるやり方であれ、選挙に利用することは非常に無責任なことである、これだけは二人共に心に留めてほしい・・>>

ハンギョレ新聞の・・なんというのかな、記事を書く方針、または方向性には、私は同意できません。特に日本関連記事になると、最悪です。しかし、記事、記者にもよりますが、たまに、『左派ならではの書き方を貫く』内容があって、そういうところは気に入っています。前にも、新型コロナ関連で容赦なく政府を批判する記事が多く、ちょっとだけ見直した記憶があります。しかし、右派・左派の両方を同時に責めているから、でしょうか。左派支持者の多い「ダウム」版の記事で、しかもソースが左派新聞ハンギョレなのに、ソース記事にはコメントが一つもありません。

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