46年前の記事が話す、韓国社会の『甘え』の心理

昨日の似たような話をしましたが、2000年代までは、韓国社会の分析がいろんなメディアに載っていました。最近は目立たなくなりましたが。それらの分析は、もちろん微妙なものもありますけど、読んでみて「なるほど」と思えるものが多く、私のように『個人』、韓国で生まれ育ったとはいえ、個人として手に入れた持論を、補完してくれることもありました。専門家によって、広い範囲の人たちの話、いわば個人の心理というよりは、社会一般的に通用する心理を見せてくれたからです。特に、日韓関係、特に今の日韓関係において、その分析はぴったり当てはまったりします。韓国社会の『ウンソク(甘え)』心理をまとめてみたいと思います。

古い記事をいくつかまとめると、まず、韓国社会の甘え(ウンソク)は、日本社会でいう甘え(アマエ)とは、決定的に違うことがあります。日本では、その集団の構成員たちが相互に配慮する関係でないと、まず甘えは成立しません。しかし、韓国の甘えは、親の保護のもとに無礼な行いをする子供のように、「私は、実は『上の存在(親)』と同格なんだな』という形で現れます。職場の職位が上がらないことを、『自分の能力』で何としようとせず、無条件で上位の存在と同格になりたがる、いわば『自分』と『上の存在』を同レベルに平準化すべきだ、とする考えが、その甘えの特徴です。言うまでもなく、この場合、お互いの配慮などは成立していません。

先に出世した人たちからすると、何が悲しくて平準化を受け入れますか。労働組合問題、労使対立などでこの問題は特に強く現れ、だから解決や合意が難しくなる、というのです。個人レベルでも同じで、職業満足度が低いのも、『私の言うことを聞いてくれるなら、こんな仕事はしなくていいのに』と思っている人が多いからだ、とも。これは1993年9月5日京郷新聞で紹介されている件で、韓国政府の労働生産性関連研究機関「生産性本部」の責任専門委員だった労働運動家イ・ジョンフン氏の見解となります。

もう一つは、どうしても被害者になろうとする『甘え』です。これはもっと昔の記事で、1976年5月22日朝鮮日報、当時論説委員だったイ・テギュ氏の指摘です。記事は、「韓国人は、喧嘩の際に、先に殴らない」とします。自分で先に殴ったりせず、『先に殴ってみろよ、先に殴ってみろよ』としつこくいいながら、相手を挑発します。なぜなら、そうすることで、相手を加害者、自分を被害者にできるので、『一発先に殴られたから、もう相手に何をしてもいい』という名分を作るためです。これは特に子供たちがそうで、記事は、韓国社会が被害者に必要以上に寛大なのも理由だとしながら、「普通、被害者と言えば善良なイメージがあるが、わざと被害者になる人が多すぎで、もう加害者のほうが善良ではないかと思ってしまう」と皮肉りながら、こう続きます。

<<・・「世の中を生き抜くには、二つの道がある。堂々と向かい合うことと、泣きながら『ボクを助けてください』と求めることだ。私たちの国の人は、保護される人、いわば子供になりたがっているように見える。誰かが『かわいそうに!』『痛かっただろうに、よしよし』と言ってくれる誰かに抱かれたがっているのだ。『ボクってこんなに苦しいんだよ。誰かが抱き上げてくれるに決まっている』と、まるで幼児のようだ。こういう被害者意識を歴史から探ろうとする人もいるが・・(中略)・・苦しい歴史の無い国ってどれぐらいあるものか。それが根本的な原因になるはずはない。

この甘えは、社会の様々な分野で現れる。会社に被害を及ぼす大きなミスをした人でも、(※上司に対する甘えさえ成立する関係なら)その上司に笑顔を見せるだけで事なきを得る。甘えだ。理性の反対だ。このように私たちは、甘えによって誰かに依存することで、安定を求めることになれてしまった。誰もが、誰かに『甘え』の糸で繋がっている、操り人形のようだ。「先に殴れよ」と相手を刺激し、被害者たる立場を手に入れようとするのも、全て甘えの意識であろう>>

 

この二つの記事、特に後者のものは、2月18日、本ブログの過去エントリーで紹介したローダニエル(韓国ではノ・ダニエルと表記しています)教授の見解と、とても似ています。<<・・しかし、韓国は、日本をはじめとする周辺国に対しては反抗的であると同時に、「あまえ」ることもできると考えている。嫉妬や恨みだけでなく、韓国の関係妄想には、憧れなどの感情も複合的に入っているからだ。つまり、韓国は、自分の反抗を、中国・日本・ロシア・アメリカなどが受け入れてくれるだろうという期待心理を持っている。

日本企業が韓国を離れることに、もっと気をつけなければならない。歴史問題を含め、日本とどのような葛藤があっても、日本の技術・知識・ノウハウに韓国が依存しているのが現実だ。今でも多くの企業や団体が、何かあればすぐ日本を訪れる。韓国に長く滞在した日本総合商社のある幹部は、「韓国企業は、ベンチマーキングという名分で、自分たちが日本企業から資料を持っていっても、日本企業は当然それに協力してくれると考えている」という。過去にいろいろあったから、日本は何でも応じてくれなければならないという、韓国の甘えがよく現れている・・>> 

最初から最後までオチだったのでこれといって書くこともありませんが、日韓関係においての韓国側の反応は、日本のネットではよく「甘え」と表現されます。記事が書かれてから46年が過ぎましたが、何も変わっていない、ということでしょう。 ・・と、さっそく『甘え』で申し訳ございませんが、今日、これで更新終了とします。最近、しばらく更新を続けてきましたが、今日はこれでちょっと休みます。月曜日の朝、早い時間帯に更新します。それでは、皆様、良き日曜日を。 本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

 

 

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