韓国、大統領選挙の歴史

今日は、韓国の大統領選挙です。1948年の総選挙で勝利した李承晩派は、李承晩氏を初代大統領に選びます。この場合、大統領は国会で選ばれる、いわゆる「間接選挙」でした。最初から李承晩氏が大統領になると分かっていたようなもので、総選挙そのものが李承晩氏と金九(キム・グ)氏の一騎打ちでした。

ですが、問題が起きました。1950年にも国会議員選挙がありましたが、そこに李承晩派が思ったほどの成果をあげることができなかったのです。そこで、李承晩氏は、法を変えます。国会で大統領を選ぶ方式を不安に思うようになったからです。それから、2回目の大統領選挙は直接選挙(国民投票)で行われ、李承晩氏が再び当選します。このときから、何か結果がおかしい、という話はありました。1952年のことです。

それから1956年、また直接選挙で大統領選挙をやりました。このときは重任(同じ人が何度も大統領になる)制限が無かったので、また李承晩氏が当選します。このときも、またまた何かおかしい、という話はありました。しかし、その4年後、あとで『無効』となったものの、一応、4回目の大統領選挙。不正投票のやりすぎでさすがに隠し通せなくなり、後に「4・19」と呼ばれる大規模デモが発生、李承晩氏は大統領を辞任、そのままアメリカに逃げていくことになります。余談ですが、韓国は今まで9回改憲してますが、ほとんどが大統領選挙制度を(当時の政権に有利な方に)変えるためのものでした。

4回目の大統領選挙はやり直しとなり、間接選挙の形で、国会でユン・ボソン氏が大統領、ジャン・ミョン氏が総理に選ばれます。あまり知られていませんが、このとき、韓国は短い間ですが議院内閣制になります。彼らはいわゆる「左派政権」で、急に親北ムードになり、『行こう、北へ。来い、南へ』などのフレーズが流行るなど、一気に国中が統一ムードに包まれます。ですが、それから朴正煕氏などによる軍事クーデターが発生、左派政権はそのまま終わります。

しばらくは朴正煕による軍部組織による統治が続き、それから朴正煕氏は大統領選挙制度を再び直接選挙に戻し、自分も民間人として出馬、当選します。これが5回目で、それから6回目、7回目まで、国民投票による選挙で大統領に当選します。ですが、他の政党から朴正煕のライバルたちが出現します。金大中、金泳三氏などです。特に金大中氏の人気は急に高くなり、危機感を覚えた朴正煕政府は、また法を変え、選挙人団の投票で大統領が選ばれることになります。それから2回、朴正煕氏が余裕で当選します。

その後、朴正熙氏が部下の銃弾に倒れたあと、その選挙人団はチェ・ギュハ氏を大統領に選出しますが、そのあとすぐに全斗煥氏による軍事クーデターが発生、1980年には選挙人団によって全斗煥氏が大統領になります。それからは国民投票による大統領選挙を要求するデモが激化、一説によると米国側からの圧力もあり(光州民主化運動の際に軍が民間人を攻撃したことで、その責任が米軍側まで及ぶのを牽制した、とかそんな話もあります)、1987年にやっと国民投票による大統領選挙が復活します。でも、妙なことに、それでも当選したのは与党の盧泰愚氏で、政権交代にはなりませんでした。

それから、軍事政権が終わり、大統領が単任制度(重任禁止)になり、弾劾騒ぎもあり、今日に至ります。前にも紹介したことがありますが、それからも常に不正投票に関する噂があり、ホワイトハウスに請願が入ったりしました。『そういえば、ちゃんと選挙できたことがあまり無いな・・』と思わざるを得ない、今日この頃です。しかし、どんな結果になるにせよ、今回の選挙がもっとも騒ぎが大きくなりそうな気がします。本エントリーは、いままで拙著などにも書いてきた内容ですが、聯合ニュースの記事を参考にしました。次のエントリーは、出口調査結果が出た頃に・・と思っております。ただ、今朝も書きましたが、韓国は出口調査が外れやすいので、とりあえずの速報(?)としてお伝えできれば、と。それでは、また。出口調査結果は、19時半に公開するとのことです

 

 

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