さすがに、韓国側には尹が~とか、李が~とか、そんな記事ばかりです。それはそうですね、大統領選挙の翌日だし、政権交代できたわけですから。李在明氏が『全て私の責任だ』として党の責任にしなかったことだけは、評価できる気もします。李在明氏関連で評価できる部分があると書いたの、これ初めてかもしれません。本ブログとしては、ユンガーよりは、キシダガーのほうをチョイスしたいと思います。以下、聯合ニュースとYTN、同じテーマを扱った二つの記事から、岸田総理の発言などをまとめてみたいと思います。引用部分には<<~>>を付けております。余談ですが、日韓関係どうなる?な記事が、結構目立っています。
まず、これは一つ前のエントリーでもお伝えしましたが、岸田総理は尹氏の当選を祝い、相応の期待感を示しました。しかし、具体的に何かをどうするとか、そんな話は無く、あくまで『尹政府の出方を見てから』というスタンスです。先の二つのソース記事によると、岸田総理は取材陣の前で「ユン・ソクヨル候補の当選を歓迎する」、「心から祝いを伝える」、「両国は互いに重要な隣国」、「健全な日韓関係は地域と世界の平和と安定と繁栄のために不可欠なものだ」、「尹 当選者のリーダーシップに期待している」などと話しましたが・・無難といえばそれだけですけど、なんというか、極めてマニュアル的、今まで使った表現と重複するものばかりです。
実際、迂回的とは言え、韓国側としては「ぐぬぬ」な内容が結構入っていて、何か具体的な話は一切ありませんでした。例えば、「1965年の国交正常化協定から構築してきた日韓間の友好協力関係に基づいて、韓日関係を発展していく必要がある」と、基本条約を強調する内容を話しました。これもまた、大前提をおいた、牽制だと見ることができるでしょう(※初稿のとき「電話会談が決まっていない」とする内容がありましたが、11日に通話が決まったとのことで、内容を修正しました)。
本ブログでも紹介しました、尹ソクヨル/ソンニョル/ソギョル当選者は日韓関係において、「新しい日韓共同宣言、または前の宣言の継承・発展」、「シャトル外交」、「各懸案の一括妥結」の3つを公約しています。シャトル外交については、岸田総理は、趣旨には同意するけど、首脳会談となると、『具体的に何を話し合うのか』が先に決まらないといけないとの意を示しました。立憲民主党の韓国系議員の関連質問に、「首脳間の信頼関係は重要だ。首脳間のコミュニケーションという観点から、具体的にどのような意思疎通をするのかを考えてみなければならない」と答えた、とのことでして。
前に、日韓で外相(韓国で言う長官)はたまに会談もしたりするのに、なんで首脳会談はしないのかという話があって、そこで「外相クラスなら『とりあえず会談をやることで得られるものもある(イメージ的に)』けど、首脳会談となると、具体的な事前調整が出来ていないと、会談の場を用意することはできない」とする匿名関係者の発言を読んだことがあります。する課題として認識している」と答えた。そういうことじゃないでしょうか、やはり。旧朝鮮半島出身労働者や慰安婦問題などについても、岸田総理は『国家間の約束』を強調しました。これは、『日韓共同宣言』と『一括妥結』の療法を牽制するものだと思われます。というか、これが基本ですよね。ここからはYTN(URLは上記と同じです)から引用してみます。
<<・・岸田総理は、核心懸案については、韓国が先に解決しなければならないという既存の立場を再確認しました。岸田首相は「韓日関係大変難しい状況であり、このまま放置することはできない」としながらも、「国家と国家間の約束を守るのは基本」と述べました。日本政府は、これらの問題が両国政府間の協定と合意ですでに解決されていると主張しているからです。ユン当選人は過去史問題を含め両国の懸案を一括妥結するという意志を示しています。これに対する両国間の協議も本格的に始まると思われます。しかし、日本政府は李明博・朴槿恵 保守政権の下でも韓日関係が順調ではなかった点を意識しています。日本のマスコミは、このような点を挙げて、誰が大統領になっても両国関係が大きく変わるのは難しいだろうという政府内部の雰囲気を伝えています・・>>
とりあえず、いまのところは、岸田総理は無難なスタンスを取っているようです。なにせ、日本が慌てる必要はありません。なぜなら、日韓の間には、いま現在進行中の懸案がいっぱいあるからです。現金化、佐渡金山の世界遺産登載、福島処理水放流、などなど。『大統領』は変わりました、はい。でも、『韓国』が変わるかどうかは、もうすぐ分かります。嫌でもすぐに分かります。それを見てからでも遅くないでしょう。いまは、「わーい、おめでとー」ぐらいがちょうどいいじゃないでしょうか。
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