尹錫悦 当選者にまわってくる『ツケ』の数々・・市民団体、『当選者は、福島処理水放流に反対するとした約束を守れ』

尹錫悦(ユン・ソギョル)当選者が、選挙運動中に各種演説や討論会などで放ったいくつかの発言が、問題になっています。『ツケ』がまわってきた、とでも言いましょうか。

日本では、それでも『一応マシな選挙結果だとは思うけど、あまり期待はしません』な意見が結構出ていますが、韓国では、何か今すぐにでも日韓関係がよくなるような、そんな主張が目立っています。つい昨日の朝、本ブログでも紹介しましたが、林外相が「佐渡金山なら予定通り進めますけど?」と話しただけで、『政権交代したのに、日本は佐渡金山の世界遺産登載をやめないと言う!』というニュアンスの報道が出たりしました。いま読み返しても、不思議な感じです。あまり良くない意味で、ですが。

しかし、選挙運動中、演説や討論会、市民団体による調査などにおいて、尹当選者は韓国内の世論に迎合する発言をしています。例えば、1月、福島の処理水放流に反対する韓国の市民団体連合『日本の放○性○染水放流阻止共同行動(一部日本の市民団体も参加)』が実施した調査にて、尹当選者は他の大統領候補たちよりは柔軟な態度を示したものの、『今の状態では、放流に反対する』と表明しました。まずは検証が必要だとするスタンスでしたが、それは、今まで日本側が出した資料を信頼しないという意味でもあるし、結果的に現状での放流には反対するとしました。

繰り返しになりますが、これでも他の候補たちよりは随分と弱気な態度だった、とも聞きます。うろ覚えで恐縮ですが、当時は、『検証さえ出来れば放流してもいいというのか』と叩かれていた、そんな記憶があります。問題ないなら放流してもいいに決まっているでしょうし、そのためにIAEAの協力も得ているわけですが。それから大統領選挙が終わり、尹氏が当選したわけですが・・例の市民団体が早くも集会を開き、『反対だと言いましたよね、もう日本の処理水放流を撤回させるために動き出してください』と要求しました。『約束を守れ』という表現まで使っています。以下、プレシアン(ネットメディア、3月11日)から、関連記事を引用してみます。<<~>>が引用部分です。訳の際に、用語は『処理水』に変えてあります。

 

<<市民社会団体が、尹 大統領当選者に、日本処理水放流撤回のための行動を開始しろと促した。日本の処理水放流阻止のための共同行動は、11日、日本大使館の前で記者会見を開き、「ユン・ソギョル大統領当選者は、『処理水放流に反対する』と言った約束を守らなければならない」とし、「一日でも早く、日本政府に処理水放流の撤回に関する韓国の要求を強く伝えなければならない」と促した・・

・・共同行動によると、尹当選者は共同行動で進行した大統領選挙候補への質疑答弁で、「放流決定に対する反対立場」を明らかにした。尹当選人は、日本の処理水に関して、徹底した必要とともに(※『検証の必要』の書き間違いだと思われます)国民的合意と、国民の参加が保障される案を設けなければならないと強調したことがある。

共同行動は、ユン当選人に「日本政府と東京電力に透明で正確な情報公開を要求し、韓国政府レベルでの正確な検証と別途の調査内容を、国民の前に透明に報告し、処理水放流阻止対策を共に設けなければならない」とし、また、「CPTPP加入を前提とした福島産農水産物輸入圧力に対して、原則的かつ断固たる反対立場を伝達しなければならない」と促した。共同行動は、日本政府が韓国のCPTPP加入前提条件で福島産農水産物の輸入を圧迫していると判断している。実際、日本政府はCPTPP加入しようとする台湾政府に福島産食品の輸入許可を促した・・>>

 

他はともかく、こういう案件で『国民が参加』という言葉が出ると、それは市民団体メンバーが参加するという意味になります。文政府でも日本に対して『官・民がともに参加する機構を作ろう』と提案したことがあります。日本側はこれといった反応を示していませんが。というか、IAEAの専門家チームに韓国の人も参加できるようになった時点で、もうこの話は『結果待ち』でいいはずですが。韓国人をそのチームに入れろと要求していたのも、他でもない韓国政府ですから。

 

さて、ある程度は仕方ない側面もあるでしょうけど、他にも2月末、尹当選者が『日本の自衛隊は有事の際には朝鮮半島に入ることもできるだろうけど、そんなことを前提にして(日米韓で)同盟を組むわけではないでしょう』と話したことで、大きな騒ぎになりました。日米韓の安保共助を『同盟』にまで発展させるのか、という内容ですが、この際の尹氏の発言は、韓国では絶対的なタブーとされている、『いかなる場合も自衛隊は朝鮮半島に入れない』に反対するものでした。そして、尹氏の側近や『国民の力』は、『日本は絶対に入ってこれないという意味で言ったのだ』と反論しました。いざというときに日本人を日本まで避難させるためなど、自衛隊が朝鮮半島に入ることは想定しておかないといけません。こういうのも、後になって『ツケ』になってまわってくる可能性も無いとは言えないでしょう。

また、慰安婦イ・ヨンスと会って、「日本の謝罪を受ける」と約束したこともそうです。内容的に、慰安婦合意に完全に反するものだっただけに、尹当選者が後になってこの件をどうするのか、そこも気になります。も慰安婦合意など日本との合意を守るつもりは無いということも、忘れてはならない部分です。 <<尹錫悦国民の力大統領候補が11日、イ・ヨンスさんに会って、「日本の謝罪を必ず引き出し、おばあさんの心の傷を治す」と約束した・・(毎日新聞(韓国のメディアです))・・>>

 

 

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