ただでさえ、勝ったものの票差が少なすぎること、共に民主党の議席数、日米の反応が思ったほどじゃない、などなどで、「政権交代したとはいえ、就任してからかなり難しくなるのでは」と言われていた尹錫当選人。歴代当選人の中でも、支持率がかなり低いことが分かりました。
普通、政権交代のあとには、当選人への支持(期待度ともいいますが)が強くなります。もちろん、就任してからさらに上がる大統領もいるし、逆に下る大統領もいますが、当選人のときには、概ね好意的に考える人が多いからです。ソース記事「クッキーニュース」によると、同じ調査機関のデータで、李明博当選人が79.3%、文在寅当選人が74.8%でした。朴槿恵当選人は政権交代ではなかったし、尹氏ほどではないにせよ少ない票差での当選でしたが、それでも64.4%。しかし、尹錫悦当選人の場合、49.2%になっている、とのことでして。当選直後も52%でした。
特に本ブログでは、日韓関係において、尹当選人の国内での「迎合」を何度か取り上げたことがあります。処理水放流反対、歴史関連問題の解決など、彼は今まで日本関連で『一括妥結(尹氏の日韓関係解決策は主に一括妥結によるものです)』を考える人とは思えない発言をしてきました。仕方ない側面もあるとは思いますが、それらの発言で『約束を守れ』とする市民団体の動きが、早くも目立っています。
そういうものをどうするかは、もちろん尹氏本人の決断力にもよりますが、「どれだけ支持率を確保できるのか」も重要な要因となります。支持率が微妙な状態だと、例え尹氏に日韓関係について何かの策がある(いまのところ、あるとも思えませんが)としても、それを実行することはできなくなります。野党はともかく、与党内で反対意見が出てくるでしょう。ちなみに、大統領選挙の後、政党支持率が共に民主党の支持率が上昇しつつある(支持勢力が結束?)というデータも出ているようですが。ここからはちょっと引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・イ・ウンヨン、ヒューマン&データ所長はクッキーニュースとの通話で、「当選者としての序盤支持率が50%台以下になるとは、一般的ではありません。ユン当選人の国政遂行肯定評価は、すごく低い方です」と話した。イ所長は、「大統領府執務室を龍山(ヨンサン)に移転する影響が大きいようだ。移転する理由に、人々は共感できない雰囲気だ」とし「国防部移転も取り出したが、公共機関の移転は慎重にアプローチしないといけない。今回、時期、予算だけでなく安保まで取り上げられ、下手にユン当選人を支持することが難しくなりました」と話した・・>>。
大統領府の執務室をヨンサンに移転することで、韓国では結構な騒ぎになっています。大統領府を「光化門」に移転という話は、文在寅氏も大統領候補だったときに公約していました(実行せず)。尹錫悦氏も同じく光化門に移転すると言っていましたが、当選してからは『警護、安保』などを理由に、龍山(ヨンサン)に移転するとし、自ら公約を変えています。引用部分にある国防部の移転は、地域経済にかなりの影響を及ぼしますが、事前に関連自治体と話し合ったことは無い、と。
個人的に気になるのは、これが本当に警護や安保のためのことなのか、という点です。なにせ、どっかで見たようなパターンでして。盧武鉉大統領が当選した後、「青南台」という大統領別荘を、別荘としては廃止し、開放しました。大統領別荘だけあってものすごく閉鎖的な場所だったので、「私は開放的な人ですよ」アピールに相応の効果があったと言われています。
尹当選人も、『青瓦台(いまの大統領府がある建物)を皆様に返すと約束した』という点を強調していますが・・盧武鉉氏と同じことしか考えていないのでは?そんな曇った見方もできるわけでして。ケーブルテレビ「ニューストマト」の世論調査によると、回答者の58.1%が反対し、賛成した人は33.1%だった、とのことでして(「よく分からない」8.7%)。いまの青瓦台は保守右派の大統領も使ってきたところなので、尹当選人を支持していても、この件には賛成しない人も多いようです。
それに、個人的に思ったのは・・「任期中に」というならまだ分かるけど、いますぐやるべきことなのか?という点が疑問です。ソース記事にも少しだけ、同じ趣旨の指摘がありました。 <<・・ホン・ヒョンシク、ハンギルリサーチ所長は、「(ユン当選人が)生産的な議論ではなく、消耗的な議論を巻き起こしている」とし「人々が期待しているのは、どのような政策を優先するのかだが、ユン当選人からそんな話は全く出てこない。当選者が、優先すべきでもないことを問題にして対立を作り出すと、結局は混乱しかやってこない」と話した・・>>
いままでのパターンを見ると、支持率が下がった大統領は、「韓国でもっとも一般的に『効く』」ほうに舵を切ってきました。日本関連で、ああだこうだと。尹当選人も同じ道を歩むのか、それとも予想以上の決断力と実行力で難題をクリアーし、本ブログが『良い意味で予想が外れました!』とエントリーする未来を作り出すのか。K(期)待せずに待ってみるとします。
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