韓国保守メディア「領有権問題で韓国の味方をするロシアと、韓国政府は何で対立の道を選んだのか」

別にこんな意見が「あってはならない」とは思いませんが、仮にも自由民主主義陣営に入っている国としては、韓国では『ロシアとの対立』に否定的な意見を出すメディアが目立ちます。

基本的には、「ウクライナがNATOに入ろうとした」ことを問題視する内容です。なぜこんな主張が出るのか。韓国の『戦略的曖昧さ(わざとどちらの味方もしない)』を支持するためです。本当は、ロシアとかウクライナとか、そういうのは名分です。もちろん、メディアによるし、書く人にもよるでしょうけど、私にはほとんどの記事がそう見えました。

メディアだけの問題でもありません。韓国政府(外交部)傘下の大手シンクタンク国立外交院のホン・ヒョンイク院長自ら、「ウクライナ事態のように国家安全保障において、どちらかに偏る外交をすれば非常に危険だ」と主張するぐらいですから。2月21日毎日新聞(日本の毎日新聞ではありません)によると、ホン院長は「ウクライナがNATO加入の件でロシアを刺激したのが、戦争の危機として現れている」、「米国とロシアのような強大国を、自分で動かせると考えたせいで、危機に瀕した」、「私たちもウクライナ事態を見て、米中両側と平和を維持し、片方に偏らない友好関係を維持しなければならない」などと強調しました。

まだ2月21日のこととはいえ、政府関係者がここまで堂々と話すとは驚きです。しかし、妙ですね。米中の間で『選択できる』国になった、と主張してきたのは、他でもない文政府側の人たちだったはずですが、いまになって「強大国を自分で動かせると思った~」とかなんとか。

 

尹当選人がクアッド加入について話している点で、韓国のクアッド加入とウクライナのNATO加入を同じものだとする主張もあります。つい最近紹介した記事なので短く引用しますと、オーマイニュースは、「クワッドに加入するとは、韓国と中国は何かの形で対立するしかなくなる。こうした問題を、尹政府が勝手に決めることはできないだろう。そして、日本との軍事同盟には、何よりも信頼構築が優先だ。尹政府が、岸田内閣と、その背後である安倍晋三からシャ○イ・バ○ショウを受けとった後にこそ、試みてみる案件であろう」、と。日本との同盟なんて、まだ誰も言い出したこと無いと思いますが。クアッドに入るとそれがそのまま同盟になると思っているのでしょうか。それとも、ミスリードってやつでしょうか。

 

そして、今日、寄稿文とはいえ、保守メディアにも、同じ内容がありました。独○ 問題で韓国の味方をしてくれるロシアなのに、なんでここまで対立する道を選んだのかと、文政府の政策を批判しています。他でもない、本ブログでよく引用する「ペンアンドマイク」です。「ああ、政権批判なら本当になんでもするんだな」と、思わしくない意味で感嘆してしまいました。これ、もう保守とか左派とか分ける意味があるのでしょうか。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・日本の場合は北方領土問題があるからロシアと対立するのも分かるが、韓国は、一体なぜロシアの非友好国リストに入ったのか。それは、外交による大きな失敗は無かったのか、問いてみる必要があろう。ロシアは、独○問題に関しても韓国の味方をするなど、私たちと敵対したことなどない。ウクライ事態においてウクライナを同情する立場なら、政府レベルで静かに人道的物資支援をし、対ロシア制裁では米国など同盟国に、仕方なく付いていくぐらいにしておけば、大した問題にはならなかっただろう。

民間でも、ウクライナを応援するとしつつ、キエフを「キイウ(※ウクライナ語での読みかた)」と呼ぶべきだと主張するなど、騒ぎを起こしているが、そんな必要など全くない事案だ。ロシアの非友好国リストに入らなかった国も多い。韓国は、ロシアと対立しているNATOや欧州連合加盟国でもないのに、とんでもない事態が起きてしまったのだ。今、私たちもウクライナの事態によるインフレにどのように対処するのか、そして、エネルギー需給をどうするのか、実質的な対策づくりが緊急だ・・>>

 

対ロシア制裁に参加している全ての国々が、相応の不利益を覚悟しているでしょう。一方的に得をすることだけ考えているわけではないと思います。それに、日本の場合、北方領土に関する協議に悪影響があると予想していても、それでも行動に出たのではないでしょうか。引用部分で「北方領土問題があるから」としていますが、「北方領土問題があっても」と書くべきでしょう、ここは。

いつだったかな、正義を叫ぶ人に限って、『正義を行うことで、自分が何かの損をすることに耐えられない』と書いた記憶があります。それは、正義を損得勘定で見ているからでしょう。逆に考えると、損をするのは正義ではない、と。だから、こんな意見が堂々と載るのでしょうか。繰り返しになりますが、ソース記事のような意見も、「あってはならない」とは思っていません。でも、右派も左派もなく、結構な頻度で目につきますので、さすがに気になります。自分を「曖昧」と言っている時点で、すでに自慢できる態度ではないと思いますが・・・

 

 

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