ゼレンスキー大統領の日本国会演説、韓国メディアは『化学兵器』の部分だけ集中的に報道

ゼレンスキー大統領が、日本の国会でオンライン演説を行いました。大統領は日本を「アジアのリーダー」、「アジアで初めて援助の手を差し伸べてくれた」、「日本の皆様の努力は、ウクライナだけでなく世界にとって重要です」と、ウクライナ事態に対する日本への感謝と、対応の持続が必要な点を強調しました。全文は朝日新聞が載せていますので(他のサイトにもあるでしょう)、ぜひお読みください。個人的に、「『平和を壊してはいけない』という強いメッセージが必要です。責任のある国家が一つになって、平和を守るために努力しなければなりません」という一行が、特に印象的でした。よくある表現にも見えますが、実際に今のウクライナの大統領が言うと、説得力が違います。

先の朝日新聞の記事から、最後の部分だけ引用(<<~>>の部分)してみますと、大統領は今回の件とは別に、日本に対する尊重を忘れませんでした。<<・・日本の発展の歴史は著しいです。調和をつくり、調和を維持する能力が素晴らしいです。環境を守って文化を守るというのが素晴らしいです。ウクライナ人は、日本の文化が大好きです。それはただの言葉ではなく、本当にそうです。

2019年私が大統領になって間もなく、私の妻が目がよく見えない子供のためのプロジェクトに参加しました。それはオーディオブックのプロジェクトでした。そして日本の昔話をウクライナ語でオーディオブックにしました。ウクライナ語で。それは一つだけの例ですけれども、日本の文化が本当にウクライナ人にとって非常に興味深いです。距離があっても、価値観がとても共通しています。心が同じように温かいです。

ロシアに対するさらなる圧力をかけることによって平和を戻すことができます。また国際機関の改革を行うことができるようになります。将来の反戦連立が出来上がった際に、日本が今と同じようにウクライナと一緒にいらっしゃることを期待しています。ありがとうございます。ウクライナに栄光あれ。日本に栄光あれ>>

 

で、ここらへんで止めておけばもっと楽に眠れたかもしれませんが・・『韓国ではどう報道されているのだろう』と思ってニュース検索をかけてみた私は、いったいどうなってしまったのでしょうか。それは、ま、心が曇っているとは自覚していますが。ネイバーとダウムで「ゼレンスキー」「日本」で検索してみると、結構多くの記事がヒットしますが・・なんと、9割以上、いやほぼ全ての記事の題がこうなっています。『ロシア、化学兵器を使用か』。大統領の演説には「ロシアは今、化学兵器を使った攻撃も準備中だという報告を受けています」という部分があります。そこだけクローズアップしているわけです。

当たり前といえば当たり前ですが・・それ以外の部分については、ほとんどノータッチでした。アジアのリーダーまでは無理(笑)だとして、『日本に感謝を示した』『日本は積極的にロシア制裁に参加した』などの内容はあってもおかしくないと思いますが。題だけ見て、そこまで多くの記事の中身を読んだわけではありませんが、本当に何もありません。いや、思えば、無いのが『当たり前』ですけど。なんでこんなの検索したのかな、と。自分で自分が不思議です。でもせっかく検索してみたから、KBSの記事を一つ紹介したいと思います。日本でいうとNHKのような立場の放送局ですので、一般的な意味で一つ紹介するなら、ちょうどいいじゃないでしょうか。以下、同じく<<~>>が引用部分となります。

 

<<ゼレンスキー ウクライナ大統領は23日夕方、日本国会のオンライン演説で「ロシアが化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けている」と明らかにしました。ゼレンスキー大統領は日本の参議院と衆議院議員約500人が参加した中で生中継されたオンライン演説で、「ウクライナですでに数千人が犠牲になっており、このうち121人は子供だった」とロシアのウクライナ侵攻による被害を伝え、このように語りました。

ゼレンスキー大統領は日本にロシアに対する経済制裁を続けてほしいと要請し、ロシアの侵攻を防ぐためには「ロシアと貿易を禁止しなければならない」とも言いました。また、ロシアがウクライナの原子力発電所を攻撃したことに対して「ロシアが核物質処理場を戦場に変えた」とし「戦争後これを処理するのにどれくらい時間がかかるか想像できない」と話しました。日本の公営放送NHKは約15分間進行されたゼレンスキー大統領の国会オンライン演説を全国で生中継し、岸田文夫総理や林芳正外務相など日本閣僚もゼレンスキー大統領の演説を聞きました・・>>

 

この後は「岸田首相がゼレンスキー大統領の演説に感銘を受けたと言った」な内容が続きます。聯合ニュースなど他の記事も一応読んでみましたが、大差ありませんでした。いや、ロシアがそんなものを準備しているというのは確かに重要な情報ですが・・韓国メディアって、いつからそんなものにここまで関心が強かったのでしょう。韓国メディアのウクライナ関連記事も結構読んだけど、『ロシアが苦戦している』『戦略的曖昧さ』のほうがずっと目立った気がしますが。

 

いや、別に、ゼレンスキー大統領が日本に友好的な内容を話した、と書かないと記事が成立しないとか、そう言いたいわけではありません。でも、ただの曇った心による邪推ですが・・普通なら、『ゼレンスキー大統領が、日本に感謝を示し、これからも協力を頼んだ。日本はウクライナ事態で早い段階から支持を表明し、行動で示してきた』と略するのが普通でしょう。そう書いてはならない、何か他の理由がある・・例えば、隣国に対し、『他人から感謝されるような存在であってはならない』と信じている、そんなところ。そこがどうしても気になります。いまさらですが。

 

 

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