(VOA)米国に続き、日本も「クアッド参加国拡大についての議論はありません」

K・・じゃなかった Quad関連で、妙な雰囲気が続いています。尹錫悦(ユンソギョル) 次期大統領当選人は、クアッド加入を公約として掲げました。詳しくは、クワッド傘下の新型コロナなどワクチン関連、気候変動関連、先端技術関連のワーキンググループに韓国も協力し、正式加入を目指していく、という内容でした。ワーキンググループへの参加は文在寅大統領も話したことがありますが、正式加入の話はありませんでした。

そもそも、加入国でもないのにワーキンググループに参加するというのは、『甘い汁を吸う』だけを狙っているのではないか、そんな見方もできなくはありません。クアッド初期には、韓国に対しても参加を促す動きがあったという報道もあります。そのせいか、韓国からすると「政権交代だからなんでもかんでも変わった」と思って「加入すると言えばすぐできる」という流れになっているのかもしれませんが、外から見るとムンもユンも『韓国』なわけでして。

韓国では「韓国がクアッドに加入すると言ったから、加入は既成事実」とする楽観的な見方と、「クアッドに加入すれば(NATOに加入しようとした)ウクライナのようになる」という悲観的な意見が衝突しているところです。ただ、クアッドの件は、話題性?においては、そこまで大きく取り上げられているわけではありません。大統領執務室の移転問題などで騒ぎが大きくなっていて、他の案件がパッとしないこともありますが。

そんな中、本ブログでもお伝えしましたが、他でもない「VOA(ボイス・オブ・アメリカ)」の取材に対し、米国務省スポークスマンが「外部パートナーとの協力手続きを用意していない」と話しました。韓国ではニュース1などが報じています。もちろん「これから米韓の友情は続きますそうですともそうですともリンチピンリンチピンじゃ私はこれで」とマニュアル的なことも言ってくれましたが、韓国側が期待していたものとはかなり違うニュアンスでした。

特に、加入国拡大ではなく『外部パートナーとの協力』と言ったのが大きいですね。これ、ワーキンググループにも入ってくるな、という意味でもあります。そして今日、VOA(リンク先は韓国語版となります)は、日本外務省も同じ趣旨を話したと報じました。ここからは引用してみましょう。<<~>>が引用部分となります。

 

 <<日本の外務省は、韓国の尹錫悦大統領当選者のクワッド公約について、クォード四国がまだ加盟国を拡大する議論をしたことがないと明らかにしました。先に、米国務省も外部パートナーとの協力手続きがないと明らかにしました。 日本外務省は韓国の尹錫悦大統領当選者がクワッド正式加入を推進すると公約したことに関連して、「日本、米国、オーストラリア、インドの間に、これまで参加する国家の数を増やすことに関する具体的な議論はありませんでした(To date, there have been no specific discussions among Japan, the U.S., Australia, and India about expanding the number of participating countries) 」と明らかにしました。

日本の外務省スポークスマンは24日、ユン当選者のクワッド関連公約に対するVOAのコメント要求にこのように答えました。先に米国務省の広報担当者も18日、VOAにユン当選者のクワッド公約と関連して「今までクワッドは外部パートナーとの協力手続きを開発していない(To date, the Quad has not developed procedures for cooperation with outside partners)」と話しました・・>>

 

韓国では一部のメディアが、米国務省のコメントが報じられてから「ゆるいクアッドではなく、他のもの(オーカス、IPEFなど)に参加する」としています。でも、それならなんで今までクアッド加入を掲げていたのが、そもそも「ゆるい」なら何で公約にしたのか、という話になります。米国側の反応をお伝えしたときも同じ趣旨を書きましたが、尹当選人側、「日米との外交と重視すると言っているけど、日米と意見交換が全然出来ていない」、そんなイメージです。

政権交代したからなんでもかんでもうまくいくと思っているなら、『前の大統領を弾劾したからなんでもかんでもうまくいく』と何も変わらないでしょう。クアッド(及び他の何か)に認められたかったら、政権ではなく、国としての方向性をしっかり示していく必要があるでしょう。次の政府でまたどうなるか分かりませんが・・

 

 

・以下、お知らせ・拙著のご紹介などです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。シンシアリーの拙著は他にもありますが、他の拙著については、別ページにまとめましたので、ぜひ御覧ください。また、以下、拙著の紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した新刊が発売中です。卑日>という題です(扶桑社新書、2022年3月2日発売)。最近、韓国で流行っている『地位』『国格』などの言葉と、その裏の意味。K防疫や終戦宣言なども含め、なぜ今韓国に『卑』が必要なのかを考察、率直に書きました。ぜひ、ご一読を。 ・新刊<文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。 ・刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。 ・ブログのプライバシーポリシーはこちらになります。・ンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。 ・ログ本題とは離れますが、たまに『レナスレ』といってドール写真のエントリーがあります。『レナスレ』と明記しておりますので、興味のある方だけ、見てくだされば幸いです。・れでは、またお会いできますように。読んでくださってありがとうございます。書きたいことが書けて、幸せです。