金正恩氏、文在寅大統領との首脳会談3日後にトランプ大統領への手紙で『私たちの関係に、文大統領が関心を示していますが、あれは不必要です』

北朝鮮の金正恩委員長が、文在寅大統領をどう考えていたのか、端的なほどによく分かる記事がありました。韓国の時事ジャーナルの記事ですが、結論から言いますと、(題のままですが)文在寅大統領と3回目の南北首脳会談を行ったわずか3日後に、金委員長はトランプ(当時)大統領への手紙に『私たちの関係に見せる文在寅大統領の関心は、不必要なものです』と書きました。

時事ジャーナルが、トランプ当時大統領と金正恩委員長の間に行き来した書簡27通を入手、分析した記事ですが、その中で特に目立つのが、「文大統領をどれだけ『邪魔』だと思っていたのか」だと、記事は分析します。

2018年9月18日から、文在寅大統領は平壌を訪問、文大統領としては3回目となる南北首脳会談を行いました。このとき、の朝鮮労働党中央委員会本部庁舎[8]と百花園迎賓館(朝鮮語版)[9]で第5回南北首脳会談を行った。首脳会談が終わってから、二人で「白頭山」に登頂したことで、また話題になったりしました。韓国側では、北朝鮮が聖地とする山に文大統領が登ったことに、大きな意味を与えるとする記事が目立ちました。保守陣営からは、だからこそ韓国の大統領がやるべきことではなかった、という記事もありましたが。

で、その3日後に、金委員長はトランプ大統領に書いた手紙で、「・・今後、朝鮮半島の非核化問題は、文在寅大統領が共にする問題ではなく、(トランプ)大統領と私が直接議論することを希望します。そして、私たちの問題において、文大統領が見せている過度な関心は、不必要だと思います・・・・ポンペオ長官を急いで平壌に送ってください・・」。以下、ここからは引用してみます。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・注目すべき点は、金正恩氏がトランプ氏に手紙を送った時点だ。金委員長は親書発送わずか3日前に、文大統領と平壌で3次南北首脳会談を行った。領賓館で会談をし、「戦争のない朝鮮半島」と「朝鮮半島非核化」を骨子とした合意文を発表した。できる限り早く、ソウルを訪問するとも意見を合わせた。両首脳が平壌市内をパレードしながら歓呼に答え、文大統領は15万人の平壌住民の前で演説した。また、白頭山に登り、両首脳夫婦と修行員が南北関係に対する希望を歌った。

ところが、その3日後にトランプ大統領に親書を送り、文大統領を『不要に干渉する者』とし、文大統領抜きで米朝両者間の議論を要求したのだ。金委員長のこのような立場は、この書簡を送って5カ月ぶりに成就したハノイ朝米首脳会談が決裂した後、彼が最高人民会議演説(2019年4月12日)で文大統領に「仲裁者・促進者として行動しようとせず、ちゃんと言うべきことを言う当事者になるべきだ」と話した。

北朝鮮の官営宣伝媒体なども、文大統領を「ゆでた牛の頭」などの表現しながら、強い不満を表出した。これには、米朝首脳会談の決裂が、文大統領と韓国政府の誤った助言と不必要な介入のせいだという認識が敷かれているようだ、との観測が、ソウルの対北専門家たちの間で出たりした・・>>

前にも同じ趣旨を書きましたが、いわゆる「朝鮮半島平和プロセス」とやらが、いったい何だったのか。今振り返れば、あまりにも虚しすぎます。日本内でも、急いでこの平和ムードに乗らないと、蚊帳の外にされるとか、そんな記事が出ていましたが・・その中身は、所詮、こんなものでした。記事を読んで、当時の朝鮮半島平和ムードで盛り上がっていた頃を思い出すと、なおさら『国の政策において、こんなミスがあるのだろうか』としか思えません。この手紙と、2018年に喜んでいた各メディア記事を合わせて韓国の教科書にでも載せてほしいものです。

 

 

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