専門家、ウォン安と円安を比較・・「日本は外国資金の離脱を心配していない。韓国は心配せざるをえない。そんな差がある」

最近、円安について『円がついに安物になった』という記事をよく見かけます。日本内で、円安についての注意喚起として書かれた記事のことではなく、韓国メディアが書いた記事のことです。

円安についての見方はともかく、「ウォン安を心配したほうがいいじゃないだろうか」としか思えない時点で書かれた記事がほとんどで、それらを読むたびに、「本当に、日本関連だと、思考が完全に歪まれてしまうようだな」としか思えませんでした。

そんな中、珍しく、円安とウォン安を比較し、円よりウォンの心配をしろ、という趣旨の記事がありましたので、紹介したいと思います。ペンアンドマイク、韓国金融ICT融合学会長オジョングン氏の寄稿文となります。もっとも大きな差は、韓国はウォン安による外国資金の離脱を気にせざるをえないけど、日本はそうでもなく、結果的には円安による肯定的効果が大きいという分析もある、という内容です。

 

ご存知、韓国は家計負債のことで、金利を上げるのが難しくなっています。しかし、韓国銀行が14日、基準金利を1.5%にしました。3ヶ月ぶりにまた0.25%ポイント引き上げたことになり、家計負債という側面でもかなり負担が上がることになります。特に、今回の引き上げがいつもと違うのは、韓国銀行総裁が不在(空席)だった件です。普通なら、こんな状態では金利の調整はしません。次の総裁候補者は聴聞会もまたやっていません。寄稿文は、『これは、金利引き上げが緊急だったという意味だ』と分析しています。ここからは引用してみます。以下、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・金利を引き上げなければならない重要な変数が、外国人投資資金の離脱だ。2月中旬までだけでも、ドル当たり1190ウォン台を維持してきた為替レートが、1230ウォン台まで上昇(※ウォン安)し、為替レートに寄る差損を懸念した外国人投資家の離脱が続いている。株式市場では3月中に4兆5千億ウォンが純流出され、4月中にも14日までに3兆3千億ウォン純流出されている。

4月には債券市場でも純流出が起きている。まだ低い水準だが、4月からはCDSプレミアムも上がっている。このような状態で米国が金利を引き上げれば、ドルに対するウォンの為替レートが上がり(※ウォン安になり)、外国人投資資金の離脱が加速化するおそれがある。韓国は成長鈍化を受け入れてでも、金利を上げるしかなかったのだ。これだけでもジレンマと言えるが、さらに、日本円が最近急激に安くなってきた。

日本銀行は、米国連邦の金利引き上げにもかかわらず、金利を上げていない。これは、日本は資本流出を懸念していないという意味だ。日本円はグローバル決済比重で3%、大きな水準ではないが、ハードカレンシーであるうえ、日本銀行は米国連邦と常時無制限の通貨スワップを締結しており、資本流出に対する懸念がない。ただ、景気と物価だけで金利政策を運用することができる。この点が、韓国と違う。日本は2月の消費者物価上昇率は前年同期比0.9%、1月の失業率は2.8%水準だ。日本銀行の黒田総裁も、円安が日本経済に肯定的な効果をもたらすと期待している、と発言したことがある・・>>

 

さて、どうでしょう。繰り返しになりますが、最近、円安のことで『ついに円が安物になった』など、ここには書けないような刺激的な言葉を使う記事が(韓国メディアから)いくつもあっただけに、なんか、別世界の人が書いたような気もします。安くなるも高くなるも、『急激に』は良くないものだと個人的に思っておりますが・・変動が来るときは、来る、仕方ないときもある、そして、それに対する『耐久力』が、日韓では大いに違う・・そういったところでしょうか。明日(日曜)も、朝早くの更新はできないと思います。最近、更新時間が不安定で申し訳ございません。

最後に告知ですが、いつも本文の後に書いている『お知らせなど』をアップデートしました。また、本ブログのトップページにあった「インフォメーション」を『シンシアリーの新刊・準新刊のご紹介』に統合、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >の情報を追記致しました。よろしければ、ぜひご覧ください!ありがとうございます。

 

 

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