円安、どういう結果になるか・・韓国側の珍しい(?)記事を二つ紹介します

前にも書いたことがありますが、韓国側のメディアは、日本の円安(韓国で言う『円低』)を、日本経済の危機として認識しています。もちろん、中には反論する記事もありますし、本ブログでも反論記事を一つ紹介したことがあります(後でリンクします)。しかし、少なくとも私が読んでみただけだと、この件をある種の危機論として書くのが主流となっています。

どちらかというと、韓国こそ通貨安を気にしないといけないのでは・・な気もしますが。なにせ、中央銀行の総裁も不在のまま金利引き上げを行ったばかりですから。そんな中、あくまで「韓国側で起きている議論」として、ではありますが、『毎日経済』紙に、二つの主張を並べて説明する記事がありました。また『朝鮮日報』も面白い観点の記事を書いたので、合わせて紹介したいと思います。以下、<<~>>が引用部分となります。まずは毎日経済からです。

 

<<・・「安全資産」と認識されていた円がその地位を失ったという一部の専門家の分析が出ています。円が安全資産として定着した根拠は、それだけ日本経済がしっかりしているという信念でした。しかし、最近になってそうでもなくなった、という分析です。すなわち、日本経済が危機と呼ぶほどの状況を迎えた、というのです。しかし、反論も出ています。あまりにも大きな国の経済だから、簡単にどちらが正しいと断言するのは難しいことです・・>> ・・と、引用します(キリッ)と書いておいて何ですが、記事本文の内容が引用すると長くなりすぎるので、ここからは、自分なりにまとめてみます。

 

「円安を否定的に見る論拠その1:ウクライナ事態の中、価値が下がるようになった円だが、これは安全資産としての地位が揺れているという意味である。いままでこんなパターンは無かった。 その2:主要国とますます広がる基準金利。日本以外の主要国は米国に沿って金利引き上げをおこなっている。このように主要国間で基準金利の差が大きくなると、円の価値はさらに下がるしかない。 その3:産業構造の変化により、前ほど円安による肯定的な効果が無い。 その4:原油価格高騰などにより42年ぶりに経常収支がマイナスになる恐れがある」

「円安を肯定的に見る論拠その1:日本は負債が大きいというけど、日本政府が借りたお金は、ほとんど日本国民のもので、円で返済すればいい。可能性は希薄だけど、本当に最悪の状況が来たとしても、中央銀行である日本銀行でお金を作って返済することも不可能ではない。他国から借りている国とは状況が違う。 その2:円の価値が落ちた時期には、いつも輸出が増え、海外で稼ぐお金がむしろ増えた。 その3:日本が海外に保有している資産規模は30年間も世界1位で、2020年基準で日本政府と企業、個人が海外に保有した純資産(資産から負債を引いだもの)は356兆9700億円。この規模はとんでもないもので、日本経済と円に安心感を与える根拠になる」

 

ちなみに、日本企業がこの「海外資産」から得る利益はかなり大きいと聞いたことがあります。また、なぜか「肯定的に見る」は3つしかありませんが、ここには『外国資金の離脱』をさほど心配していない、という側面も加えてもいいかもしれません。この点は、過去エントリーに書いてあります。韓国とは違い、日本は金利を「まだ、上げなくてもいい」状態である、と。それでは、朝鮮日報もまた円安関連の記事を載せたので、記事の結論の部分だけ引用して、そのまま終わりにします。最近、更新時間が後頭部レベルでしたが、今日からはいつもの時間に戻せるよう、頑張ります。

 

<<・・通貨を支える日本経済の基礎体力が今までより弱いと言うが、円に対する国際的な信頼は、そう簡単ではない。円安はいつまでも続くものではない、という信念のことだ。実際、日本円は現存する国際通貨の中で、長期的に米ドルを安くした代表的な通貨だ。 1970年ドル当たり360円だった円が、今120円台だ。長期的に、ここまで価値が上がった通貨はない。同じ期間、ドル当たり310ウォンから1200ウォンになった韓国ウォンと比較すると、投資家たちがなぜ円を好むのか、理解ができる。

日本はこれまで、物価も大して上がらなかった。でも、商品とサービスの質が落ちたという話は聞こえてこない。日本のマスコミはこれを『安い』だけで見るが、「バーゲンセール」「コストパフォーマンス」として見るのが、客観的な評価であろう。新型コロナが収まると、日本に買い物に行きたいという『待機中』需要が相当に大きいと聞く。ある日本の外交官は、「最近、韓国の経済人に会えば、韓日関係より日本でゴルフしたいという話のほうが多い」とも言う。久しぶりの円安時代、「バガジ(ボッ○クリ)韓国」を振り返る機会にもなるであろう>>

 

 

いつも本文の後に書いている『お知らせなど』をアップデートしました。また、本ブログのトップページにあった「インフォメーション」を『シンシアリーの新刊・準新刊のご紹介』に統合、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >の情報を追記致しました。よろしければ、ぜひご覧ください!ありがとうございます

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、画像左の方ですが、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が2022年4月28日に発売されます。日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・のほうですが、韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した本が発売中です。卑日>という題です(扶桑社新書、2022年3月2日)。なぜ今韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。 ・に、既刊 <文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。同じく既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。