珍しく、「右寄り政権になった」ことは、日本にとってそう大きな問題ではない、という記事がありました。日本側からすると実に『いまさら』な話です。なにせ、文大統領の前まで、右でしたので(笑)。要は『日本と韓国の関係』の話であり、政権の旗色は重要ではありません。左右はともかくして、『どうなのか』が大事でありましょう。でも、実際は、右も左も大差なかった・・それが、あるのままの現状です。でも、韓国側のメディアとしては、これはかなり珍しい主張となります。
本ブログでも何度か取り上げましたが、韓国側のメディアには、「尹錫悦(ユンソンニョル)氏が大統領になったから、日本はすぐにでも応じてくるだろう」と思う風潮があります。尹氏が当選したことで、日本が『これで韓国と関係改善できる』と大喜びしている、そんなニュアンスの記事も結構ありました。ちなみに、これは米国に対しても同じです。それから日本政府はスタンスを変えていないし、米国からも韓国のクアッド参加などで、韓国側が望むような反応はありませんでした。それを置いて、『不思議だ』とする論調も、結構ありました。
一例として、本ブログでも紹介しましたが、大統領選挙のすぐ後だったと記憶していますが、日本政府が「佐渡島の金山」の世界遺産登載を予定通り進めることで、『なぜだ!』とするニュアンスの記事が結構出ていました。そんな中、ニュース1に、「日本は、『右』政府だからって大差無いと思っている。今回の政策協議団には大して期待できない」という主張が載りました。韓国メディアとしては、異例なことだと言えます。以下、韓国の大手シンクタンク セジョン研究所の日本研究院ジンチャンス所長の見解、記事から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・(※政策協議団が期待を集めている、ということを書いた後に)しかし、今回の代表団が韓日関係改善のきっかけを作ることができるかどうかは、未知数だ。日本は依然として「韓国にボールがある」と考えており、尹当選人の決断に期待する雰囲気がある。つまり、現在の日本は、「韓日関係の改善は、韓国の尹政権がどのように出てくるかにかかっている」と考えているという意味だ。今、日本の自民党は、韓国に対して、期待よりは不信が大きい状況だ。進歩(『左』)であった文在寅政権が、その不信を大きく増幅させたのは事実だ。しかし、「韓国の『右』政権も大差なかった」というのが、日本側の一般的な見解だ。
日本では、「韓国の『右』政権は、進歩陣営のシンニチ レッテル貼りに脆弱で、むしろ両国間の対立を激化させた例も多い」と見ている。李明博・朴槿恵政権のときに見られた、大統領の竹島訪問、韓日首脳会談拒否などが、これを裏付ける背景となっている。したがって、自民党内では尹当選人の要求に応え、韓日関係を改善することには消極的な雰囲気だ。日本国民も同じである・・
・・韓日関係と関連しては、安倍元総理の「シャ○イ、ハ○セイはもうしない」という主張が、日本政治界に支配的談論として定着している。このような状況で、岸田首相が韓国と妥協できる余裕は非常に少ないと見なければならないだろう。これは、日本に要求だけしていては、韓日関係の改善は難しいと言う意味だ。政権初期に関係改善を推進するのが尹政権に有利だろうけど、岸田日本首相の政治状況において、すぐに韓国の要求を受け入れることは容易ではない。 特に7月の参議院選挙があり、政権の死活がかかっている。尹政権が日本を説得するためのカードを出すことはできない構図となった・・>>
繰り返しになりますが、「なにをいまさら」な内容ですが・・韓国ではこれでも特異な主張となります。気づいている人がほとんどいないのか、それとも、言ってはならない何かの理由でもあるのかは分かりませんが。ただ、『政権交代だからって日本がこちらの動きにすぐ応じてくれるわけではない。もうそんな雰囲気ではない』というのはちゃんとした見方だと思いますが・・それでも結局は、『選挙さえ終わればなんとかなる』論で終わってしまいます。
どうしてこう、「選挙さえ終われば」という話が盛り上がっているのか、まずそこからして謎です。衆議院選挙が終わってからは参議院選挙さえ終われば~になるし、参議院が終わったら衆議院さえ~になるし。引用最後の部分も、「いまは、こちらから何かの提案をしても、岸田総理はちゃんと動いてくれない。参議院選挙の後にしよう」という意味ですが・・選挙の後に同じ案を出して、反応が変わるのでしょうか。とてもそうは思えませんが。
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