岸田総理、旧朝鮮半島出身労働者問題の解決を前提条件に・・政策協議団はまた『共に』努力を強調

政策協議団が、ついに念願の首脳面会を手に入れました。政策協議団については後でちょっとだけ私見を述べるとして、まずは京郷新聞から岸田総理面会についての記事を引用します。ちなみに、京郷新聞は『面談』としていますが、日本側のメディアは主に『面会』としています。産経新聞の場合は「表敬訪問(韓国では礼訪とも言います)」としていて、写真も載っていますが、実際、これだと面会というよりは表敬訪問のほうが適切な気もします。

文在寅大統領のときも、パクチウォン国家情報院長が急に訪日し、菅総理を表敬訪問したことがあります。その際、新しい日韓宣言を提案したとか、そういう話がありました。本エントリーでは『面会』とします。この場合は、面会にするか、面談にするかで場のイメージが結構変わるので、韓国側なりのいつもの駆け引きとも言えるでしょう。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<岸田文雄日本首相が尹錫悦(ユンソンニョル)大統領当選者が派遣した韓日政策協議団に会い、「韓日関係改善はこれ以上に待ったなしの緊急の懸案」と話した。旧朝鮮半島出身労働者問題を先に解決しなければならないという立場は固守した。読売新聞などによると、岸田首相と、ジョンジンソク国会副議長を団長とする韓日政策協議団との面会は午前10時40分ごろから25分ほど総理官邸で非公開で行われた。

岸田首相は・・・・現在の国際情勢において、韓日、韓米日3国の戦略的提携がこのように必要だった時は無かったとし、「韓・日関係の改善はこれ以上待ったなしの懸案」と話した。また1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき日韓関係を発展させていく必要があり、そのためには旧朝鮮半島出身労働者問題を始めとする日韓間の懸案の解決が必要である旨を述べました(※総理の発言についての部分は、ソース記事からの直訳ではなく、外務省のHPから引用しました)。政策協議団はこれに「韓・日関係を中心としており、関係改善のために共に協力していこうと言った」と答えた。代表団はこの席で、岸田首相に尹当選人の親書を伝えたと日本政府関係者が伝えた。韓国代表団の岸田首相に対するユン当選人の大統領就任式訪問要請はなかったと伝えられた・・>>

 

引用部分に『言った』というのは、多分、尹当選人が言ったということでしょうか。よく読んでみないと、まるで岸田総理がそう言ったと誤解しやすい文章だな・・と思いました。本ブログとしては、この『共に』が大きなトラップだと思っていますので、こういう書き方は気になります。政策協議団は、これで事前に期待されていたことは全て達成できたと見てもいいでしょう。途中から就任式参席を言い出さなくなったので、それは諦めたのか、それともそれもまたメディアが勝手に盛り上がっていただけなのか、妙ではあります。

総理が話した内容については、今まで通りです。でも、やはり会う必要があったのかな、とは疑問です。林外相、そして昨日の経産相と防衛相の対応で、もう十分だったと思います。韓国側は勝手に盛り上がるでしょう。日本が熱烈に歓迎してくれたとか、日本は心から韓国を待ち望んでいた、とか。多分そんな感じで。そして、不利な部分を少しずつ削っていくはずです。早くも、このソース記事がそうしていますから。

 

ソース記事の京郷新聞は、主に読売新聞の記事を引用してのものです。ですが、(引用部分ではなく、本文のもうちょっと後のところですが)一箇所だけ、なぜか朝日新聞を引用した部分があります。ここです。「(総理が政策協議団と会うことに慎重になるべきだという声もあったが、という内容の後に)前日、林外務相との協議の参席者たちから、『関係を改善しようとする韓国側の意欲が感じられた』という報告が上がり、岸田首相が面会に応じたと、朝日新聞は伝えた」。なんでここだけ別記事なのかというと、読売新聞の該当記事が、こうなっているからです。「(同じく、会うことに慎重になるべきだという声もあったが、という内容の後に)『会わなければ外交的に日本が批判される恐れがある』(外務省幹部)として、面会に踏み切った」。

この内容は削り落としたかったのでしょう、多分。さて、岸田総理が期待していただけの中身があったのかどうか、それは、尹当選人の就任式に誰が参席するのかを見れば、大まかに分かるでしょう。しかし、政策協議団・・総理とも会えたし、もうこれだけでも結構な成功だとは思いますが、これだと、今のメンバー(国会副議長、日韓合意の韓国側リーダーなど)である必要があったのでしょうか。普通に尹当選人の側近2~3人を送ればよかったのではないか、そんな気もします。

 

 

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