今朝も日韓通貨スワップに関する主張(ソース記事はもっと幅の広いテーマのものでしたが)を一つ紹介しましたが、今度は米韓通貨スワップ関連です。米韓首脳会談が予定されていることもあって、複数のメディアから、米韓通貨スワップが急がれるとの記事が出ています。専門家たちは、かならず通貨スワップを議題にしないとならない、と一斉に声を上げている、と。
専門的な知識が必要な話でもあるので、今度は複数のメディアから、短く引用する構成にしたいと思います。ソウル経済、文化日報、イーデイリーの順です。引用部分には1箇所だけ入っていますが、通貨スワップが必要な理由として「米国の金利引き上げ」をあげている点は、全ての記事に共通します。米国がこれから行う(金利引き上げなど)としている通貨関連の緊縮政策を考えると、韓米間の通貨スワップ協定こそが、もっとも賢明な対策になれる、というのです。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。
<<・・(※ジョーバイデン大統領の来月の訪韓において)成果として、専門家たちは、韓米通貨スワップ協定締結を初手に挙げている。国内・外の悪材料で揺れているウォン・ドル為替レートを安定させるには、基軸通貨国である米国との通貨スワップ協定がもっとも有効だというのだ。ジョンインギョ、インハ大学国際通商学科教授は、「鉄鋼輸出クォーター拡大のための貿易拡張法232条のような各種通商関連懸案において、米国側から得られる部分が大きくないだけに、通貨スワップ部門で可視的な成果を必ず出さないといけない」と強調した・・(ソウル経済)>>
<<・・専門家たちは、韓米通貨スワップを復元しなければならないと口をそろえている。通貨スワップは危機状況でドル供給を円滑にできるため、「安全装置」と呼ばれている。去る2008年10月、李明博政府で初めて米国と300億ドル限度で締結し、2020年3月に再び600億ドル規模で契約を結んだが、昨年末、終了した。パクジョンス西江大学経済学科教授は、「Fedがジャイアントステップ(0.75%ポイント金利引き上げ)に乗り出す可能性が提起され、海外金融市場の不確実性が高まっている」とし「緊急状況に備えた韓米通貨スワップが必要だ」と明らかにした。キムジョンシク延世大経済学部名誉教授は「5月の韓米首脳会談で通貨スワップを主要議題に上げなければならない」と助言した・・(文化日報)>>
<<・・外国投資家たちが今年に入って韓国の有価証券市場で10兆ウォンを売った。外国資本が離脱し、ウォンの価値が急落し、証券市場も揺れている。外国資本の流出は米国の金利引き上げの影響が大きい・・(※前の通貨スワップのとき)韓国銀行はスワップ資金を活用し、グローバル金融危機時164億ドル、新型コロナ危機時199億ドルを国内金融会社に支援した。危機の際に安全装置の役割を果たしてくれたのだ・・・・米国が韓国と通貨スワップ契約を締結するのは、友好国に与える一種の「プレゼント」である。尹錫悦(ユンソンニョル)政権は、バイデン米大統領訪韓の時、安保・外交同盟強化とともに通貨スワップ契約の再締結を積極的に推進しなければならない。さらに、外交摩擦で2015年中断された日韓通貨スワップ(当時700億ドル限度)もまた推進する必要がある・・(イーデイリー)>>
最後に、これは我ながらビックリするほど曇った見方になりますが・・ちょっとタイミングが妙ですね。専門家たちが意見を出したのも、記事が載ったのも、28日からです。バイデン大統領の訪韓は前から知られていたし、金利引き上げも目新しい話ではありません。なのに、なんで28日でしょうか。28日だと、政策協議団が帰国した日ですが、これ偶然でしょうか。繰り返しになりますが、これ推測とも言えない、ただ額あたりから出す『クモリ・ビーム』のようなものですが・・
その訪日成果に通貨スワップまたは相応の措置が期待できないとわかったから、だから騒ぎ出した、そんな側面は無いのでしょうか。どうであれ、つい先まで『円安』の良からぬ側面ばかり取り上げて日本経済を散々評価下げしていた韓国各メディアが、いまになって通貨スワップ(特に、日本との)がどうとかの記事を集中的に出してくるとは。実にかっこ悪いと思いました。今に始まったことでもありませんが。
※拙著<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>が、無事に発売日を迎えました。ありがとうございます!※
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、画像左の方ですが、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が2022年4月28日に発売されます。日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・右のほうですが、韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した本が発売中です。<卑日>という題です(扶桑社新書、2022年3月2日)。なぜ今韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。 ・他に、既刊 <文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。同じく既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。