先月29日の産経新聞の報道から、これといった異変はなく、岸田総理が尹錫悦(ユンソンニョル)大統領就任式参席を、ニョルっと見送ることになりました。どうやら確定と見てもよさそうです。
政策協議代表団について複数のエントリーを書いてきた私としては、「無難な結果かな」と思っています。何度も同じ趣旨を書きましたので恐縮ですが、政策協議団の訪日理由は、結局は日韓首脳会談のセッティング、すなわち岸田総理の就任式参席にありました。なせかというと、『それしかない』からです。もちろん、首脳会談が出来たとしても、それでなにか成果が期待できるわけでもありません。
北朝鮮・中国関連問題もあるので、どこかの多国間協議かなにかで略式の挨拶、または日米韓首脳会談は行われる可能性だってあります。でも、そうやって会えたとしても、日韓の間の懸案において、何かの進展が期待できるのでしょうか。日韓合意の前例があるし、一つ前のエントリーでも似たような指摘がありましたが、今の韓国の信頼度からして、米国が積極的に介入する可能性もそう高くありません。
それでも、韓国側にはもう所謂『グラウンドバーゲン』しかありません。尹当選人、および側近たちが主張している、『首脳会談による一括妥結』のことです。それ以外に、何も具体案はありません。これは今回に限った話でもなければ日韓関係に限った話でもなく、首脳が会って意気投合すれば何とかなる、という楽観論は、つねに韓国の政策にあらわれています。部分的に、首脳を『王』か何かだと勘違いしているのかもしれません。
そして、結果的に、政策協議団は、岸田総理の訪韓に失敗しました。『私見』であることを前提にしてのものですが、私はこれを『ミッション失敗』だと見ています。最初は、林外相が面会して、それで『採点』結果がよかったら総理も面会する・・という流れになるのではないか、と思っていましたが、総理が会って、その採点結果で訪韓の可否を決める、そんな流れになったわけです。
しかも、日本側の各メディア(及びそれを報じる韓国メディア)の記事に、『韓国側が解決案を用意できなかったので』というフレーズがここまで載っているのは、政策協議団からするとかなり『イタイ』ところではないでしょうか。これを言われるのが怖くて、自ら『交渉権は無い』と言っておいた可能性もあるのに、です。書きたいことはもう書いてしまいましたので、ニューシースの『岸田、尹就任式不参加の意向を固める・・外務相の派遣で調整』という記事から該当部分だけ引用して、そのまま終わりにしたいと思います。<<~>>が引用部分となります。
<<岸田文雄日本首相は、10日の尹錫悦大統領当選人の就任式に林芳正日本外務相の派遣で調整していると、現地メディアが2日報道した。FNNは、複数の日本政府関係者を引用し、岸田首相は尹当選人の就任式参加を保留する方針を固めたと伝えた・・尹当選人は日本に「政策協議代表団」を派遣するなど、韓日関係改善の意向を示唆している。FNNは協議団訪日のことで「日本、米国と協力を重視する姿勢を示した」、「韓国側で岸田首相の就任式参席を期待する声も出てくる」と述べた。しかし「旧朝鮮半島出身労働者問題、イ◯ンフ問題に対して具体的な解決策が提示されていない中、岸田首相の韓国訪問に対して政府・与党内には慎重論がある」と伝えた・・
・・公営NHKも、岸田首相が尹当選人の就任式出席は保留し、閣僚の派遣を検討していると日本政府関係者を引用して報道した。閣僚の中では、林外務上の派遣が調整されていると言う。岸田首相は懸案の解決が必要だという立場を明確にし、新たな韓国政権の対応に期待する姿勢も見せるため、こうした調整を進めているとNHKは分析した・・>>
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