韓国紙「強硬派のせいで、日本首相は韓国代表団と会った後に『会いたくなかったのに』と言う」

面談などで何の進展もなかったこと、尹錫悦(ユンソンニョル)氏の大統領就任式に岸田総理が不参加することなどで、政策協議団の訪日は、事実上、失敗しました。『だからこそ』、でしょうか。一部のメディアは、『岸田総理のせいではなく、強硬派のせいだ』という主張を一段と強めています。尹当選人の問題でも、政策協議団の問題でも、岸田総理の問題でもない、というのです。

また、詳しい情報ソースが何なのかはわかりませんが、右寄りのメディアを中心に、『岸田総理が代表団と面談するよう、米国が圧力をかけてくれた』という話も結構出回っています。決して失敗ではなく、米国の支持も厚く、問題は日本の強硬派である、という論調です。

そんな類の記事の、代表格のようなものがあったので、今日、紹介したいと思います。ま、『参議院選挙が終われば、岸田総理は韓国に声をかけてくる』とする主張の、バリエーションの一つである・・と書けば、もっと分かりやすい説明になれるかもしれません。東亜日報の記事で、日本特派員が書いたものですが・・「なんで韓国代表団(政策協議団)と会ったことが総理官邸ホームページに載ってないのか」、「日本の総理は強硬派のせいで、韓国代表団と会った後に『会いたくなかったのに』と言う」などなど、です。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・日本総理官邸ホームページには、岸田文雄首相が先月26日、韓日政策協議代表団を面談したという内容が載っていない。日本の主要新聞が午前10時40分韓国代表団面談と書いており、記者会見で岸田首相が直接回答もしたのに、まるで何もなかったかのように、痕跡が見つからない。メディア報道で国民が既に知っている岸田首相の韓国代表団面談を、日本政府はなぜ明らかにしないのだろうか。

当初、岸田首相が面談に消極的だったが、韓米日の連携を強調する米国の圧力で仕方なく韓国代表団に会った、というのだ。「日本政府には面談に懐疑的な声が多い」「躊躇していた岸田総理が面談前日の夜に決心した」などのメディア報道は、このような雰囲気を表わす。前・現職首相から、日本を率いる主な関係者たちが韓国代表団と面談をしておいて、「会いたくなかったのに、会った」と裏から無茶を言っているのだ・・

・・日本では「(※佐渡金山の世界遺産登載推薦のとき)党内少数派である岸田の旗色を、党内強硬派がひっくり返した」という評価が出ている。逆に考えると、岸田首相は韓日関係改善の意志を持っているということでもあるのだ。世論作りに逆らい、代表団と向かい合って座って韓日関係改善の重要性について共感したのは岸田首相の勇気ある決断だ・・・・政策協議団を送ったのも尹当選人の勇気だと評価できる・・しかし今はお互いに顔色ばかり気にするときではないのだ・・>>

 

そもそも、前提からして間違っています。『なぜ面談した事実を明らかにしないのか』としつつ、その直前まで『すでに明らかにした』な内容が書いてあるじゃないですか。記事が載って記者会見したならそれでいいでしょう。なにかの方法で報道を制御したならともかく。そこまでして『強硬派の問題』を演出して、それを前提にする時点で、すでに間違いです。

余談ですが、『圧力』というのも、どうもピンときません。米国側も、訪米した政策協議団と会っていません。米韓首脳会談が21日からだと言われているのに、まだ両国の実務者は会ってすらいません(日本の場合、岸防衛相、萩生田経産相など閣僚が訪米して様々な案件を話し合っています)。そんな米国側が、日本の総理に圧力をかけたとは思えません。

引用部分には、「日本政府には面談に懐疑的な声が多い、躊躇していた岸田総理が面談前日の夜に決心した、などのメディア報道は、このような雰囲気を表わす」となっていますが、それらの報道がなぜ『そんな雰囲気を表す』ものなのか、それもよくわかりません。

日本側の報道だと、岸田総理は『外交的に日本が批判されるかもしれない』などの理由で面談した、となっています。この内容を『わざと間違えて』、『じゃ、米国から圧力があったんだな』という話にすり替えた人たちがいるのではないか・・そんな気もしますが、心証だけです。なんというか、韓国側にこの記事のような認識があるかぎり、『国家間の約束を守る』という話は、届かないでしょう。1000年経っても。

 

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