尹錫悦(ユンソンニョル)当選人について、他の記事とはちょっとだけ違う観点から『下手すぎる』と指摘する記事がありました。CBSノーカットニュースの記事です。『下手』とする論拠として、いくつかの側面が書いてありますが、本ブログ的に気になる部分だけ紹介します。以下、<<~>>の部分が引用となります。
まず、日米への政策協議団のことで、使節団(特使団)を派遣する外交は時代遅れだとします。南北関係のように特殊な場合は仕方ないにせよ、もともとは『(執権の手続きが違法的だったり)問題があるとされる政権が、周辺国に理解を求めるために派遣する』イメージがある、とのことでして。
特使団は、盧武鉉大統領が『私は米国の味方です』とアピールするために始めたもので、いま(尹当選人の政策協議団)もそうですが、大して効果が無かったそうです。李明博大統領の頃に、もう米国に使節団を送るのはやめましょうという話があったけど、李大統領は「日本、中国、ロシアにも送ればいいじゃない」とし、むしろ特使団を増やしたそうです。当時、中国に派遣された特使が朴槿恵氏でした。
記事は、元外交官の言葉を引用し、こう書いています。<<・・ある元外交官は、「特に、大統領当選人が特使を送るなんて、聞いたこともない」とし、時代錯誤なだけだと指摘した。 実際、韓国だけ熱心に特使を送るだけで、外国から特使が訪韓したことはほとんどない。王朝時代の朝貢のようだ、という指摘も出ている・・>>、と。
次、「頑張ってるぞ」を演出するためか、とにかく各国の大使と会って、外交官たちの立場を難しくしてしまったこと。外交には、人のレベルによって「カウンターパート」が決まります。大使のカウンターパートは、普通なら外交部がやります。次期大統領当選人が担当外交官とちゃんと話し合わず、各国大使と会ってあれこれ話してしまうと、もとの担当外交官たちは困るだけ、というのが記事の指摘です。そもそも、法的に外交の権限もない当選人がなんでここまでやるのか、と。
特に、駐韓中国大使が尹当選人と面談、習近平主席のお祝いメッセージを渡した際には、それを広げて二人で記念撮影までした、とのことでして。記事は、「文在寅政権の対中外交を『低姿勢すぎる』と批判してきた尹当選人なだけに、これは予想外だった」としています。ちなみに、これは記事に書いてある内容ではありませんが、これは3月11日のことで、このときはすでに一部のメディアから『選挙前には公約だったTHAAD追加配置が、公約から外れた』という話が出ていました。実際、最終的な公約からは削除されており、数日前に公表された『国政課題』にも、THAAD追加配置は入っていません。
記事は最後に、こう書いています。<<・・歴代政権は、それでも、「朝鮮半島平和プロセス」「非核開放3000」「北東アジア バランサー論」など、対外政策を早めに準備していた。これに比べて次期政権は、まだ「自由平和繁栄に寄与するグローバル中枢国家」という、抽象的な戦略にとどまっている。そのため、外交ベテランであるバイデン大統領を、初心者である尹当選人がどのように相手するのか、注目される・・>>。
平和プロセスもバランサー論も開放3000も(李明博政権のもので、北朝鮮が非核化して開放するなら1人GDPを3千ドルにしてやる、という政策でした)、そういえば創造経済というのもありましたが・・それら、すべてうまくいかなかったから別にいいじゃないか・・な気もします。でも、それ『すら』も出来ていない、となると確かに問題ですね。記事本文も、『それでも』と書いていますし。失礼ながら、最初読んだとき、『それでも』でちょっと笑ってしまいました。
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