先週だったと思います。尹錫悦(ユンソンニョル)氏の大統領就任式に、岸田総理が参席しない、ハリス副大統領の夫(ダグラス・エムホフ氏)が参席する、そんな報道があった時のことです。どっかのエントリーにも同じことを書いた記憶がありますが、韓国側のメディアの記事に、妙な違和感がありました。
林外相が来るー外相の訪韓は数年ぶりだー親書を持ってくるーそんな組み合わせで、どうしてもそれを肯定的に評価するために死力を尽くす記事が、いくつもあったからです。ダグラスエムホフ氏についても、ホワイトハウス・ファミリーだとか、普段は韓国側の記事であまり目につかない単語が多く、どうしても『韓国の就任式に凄い人が来た』という雰囲気を強調していました。
別に林外相やダグラスエムホフ氏の参席に問題があったわけではありませんが、これは、韓国メディアがそれまで『期待していた』ものとは、ずいぶん違う結果でした。にもかかわらず、すげーすげーな記事が多く、違和感しかありませんでした。そして、やっと昨日(11日)の午後になって、韓国日報に「日米には政策協議代表団まで送って頭を下げたのに、就任式に来たのは実権のない副大統領の夫と、ワンタ(蚊帳の外とされている)元総理だった」という記事が載りました。
就任式を祝うために参席した人たちのことを、『格』だけで判断する趣旨には同意できません。しかし、私が知っているかぎりだと、これが、韓国側の『ホンネ』記事です。むしろ、こちらのほうが違和感がありません。さて、どんな内容なのか、引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・尹錫悦大統領就任式に、米国が副大統領の夫を祝賀使節団代表として送った。カマラ・ハリス副大統領の夫、ダグラス・エムホフだ。ジョーバイデン米大統領の訪韓が予定されているし、ホワイトハウスファミリーのメンバーを送ったわけだから、これは同盟である韓国に誠意を示したものだと解釈する人もいるが、そんなの、「脳フィシャル(※自分勝手に決めつけること、脳内オフィシャル)」の頂点だ。
韓米同盟を正常化して再建するというユン政権に対する米国の誠意だと認めるためには、少なくとも副大統領、またはナンシー・ペロシ下院議長ぐらいの人が必要だ。それぐらいの人が来たなら、米国の真心を確認できただろう。しかし、尹大統領が対面した米政府の初の人が、民間人である「セカンド・ジェントルマン(副大統領の夫)」だ。格が合わない点では、歴代級だ。
空気が読める尹政権の核心関係者がいたなら、あ、これは米国に冷遇されていることになるとさっさと気づいて、次にどうするかを考えるはずだ。しかし、何かの魔法スペルのように『韓米同盟!』だけ繰り返している。外国のメディアは、海外首脳の就任式で副大統領の夫が挨拶に行くのは今まで見たことがない、と報じている。副大統領すら実権もないのに、ましてや副大統領の夫だ。就任前から政策協議団を送って米国側に頭を下げたのに、これでは帳尻が合わない。
日本からきた使節団も、合わないのは同じだ。鳩山由紀夫元首相と林芳正外務相のことだ。鳩山は退任後、独◯領有権やイ◯ンフ関連発言で、日本内ではワンタ扱いされる人だ。だから『知韓派』と呼ばれているのだ。
林は、韓日関係の現状の責任が韓国にあるとし、「韓国が、解決策を持って来るべきだ」という主張をを繰り返す岸田文雄首相の側近だ。一見、韓国の情緒に呼応するようにして、後になって後頭部をたたく外交戦略だと見ることができる。このように、尹政府が力を入れてきた米日からの外賓であるにも関わらず、その面々を見ると、ただ寒さと虚しさが感じられる・・>>
「尹政権」の現状というより、「韓国」の現状だと見るべきでしょう。いろいろありますが、特に文政権がやってきた5年を考えると、ダグラスエムホフ氏や林外相でも、日米からの使節としては十分すぎるほどです。いまから信頼を回復していく、そんな気持ちが必要なときでしょう。でも、「韓国」という連続性を考えず、政権が変わったのに!としているだけでは、信頼回復は無理ではないでしょうか。とにかく、今回のバイデン氏の訪韓のとき、THAAD関連でもウクライナ関連でもいいので、何か具体的な案件を示すことができるかどうか、ですが・・いまのところ、それも難しそうです。そんなこんなで、就任式からクライマックスの尹政権でした。
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