日本側でもニュースになっていますが、コイン(暗号通貨、いわゆるビットコイン類のもの)『テラ』と、連動する形になっている『ルナ』というのがあります。アップルに勤務していた30代の韓国人が作ったコインで、Kコイン、キムチコインという異名で呼ばれていた、先月まではコイン類では(時価総額で)ベストテンに入るなど、結構な知名度だったと聞きます。ですが、なんと1日で9割以上の暴落、いまは、二日前の1%にもならない価値になりました。
本ブログではエントリーしませんでしたが・・これが、ポンジ・スキーム(ポンジ詐欺)だったのではないか、そんな話が出ていて、一歩遅れて今日エントリーします。投資家から預かった資産を運用して利益を出すのではなく、「後から投資した人たちの資金を、先に投資した人たちの利益に充てる」形で運用することを意味します。これって、不定期に取り上げている、家計負債問題もそうですが・・どこか、『韓国式』のような気もします。
テラは、価格が1ドルに固定されている「ステーブルコイン」です。ただ、勝手に作って「これ1ドル固定だかんな」と言っても投資家たちから信頼されるはずはありません。だから、一般的には現金や国債などの安全資産を用意しておくことになります。しかし、テラの場合、そのような安全資産も用意せず、連動する姉妹コインである『ルナ』を使ってステーブル化を図りました。ここからは韓国経済から引用となりますが、このルナとテラの連動システムが、実はポンジだったのではないか、とのことです。外国メディアからはすでに指摘があった、とも。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・いままでは、ルナは有望なコインでした。投資家たちの衝撃が大きい理由の一つです。先月まで、暗号通貨時価総額ランキング10位圏内でした。 ルナコイン1個あたり15万ウォンを超え、時価総額も50兆ウォンを上回りました。 しかし、去る5日までも10万ウォン台水準だったルナは急激に下落し、13日には事実上、紙切れになりました。世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスはこの日、ルナを上場廃止すると明らかにしました。 国内暗号通貨取引所アップビットも、20日からルナを上場廃止します・・
・・(※安全資産を確保していなかった、という説明のあとに)安全資産を担保しておくわけでもないのに、どうして投資家たちはテラが1つ1ドルを維持できると信じることができたのでしょうか。姉妹コイン『ルナ』があったからです。テラ1つはいつも1ドル分のルナと交換されます。ルナはステーブルではなく、普通の暗号通貨のように価格が変動するので、1ドル分のルナの量も変動します。
テラの価格が、例えば1ドルから0.8ドルに落ちたとします。0.8ドルの価値を持つテラ1個で1ドル分のルナを受けとることができるので、投資家は0.2ドル分の利益を得ます。だから市中のテラは回収され、量が減り、テラの価格は1ドルに復帰できます。逆に、テラの価格が1ドルを超えると、発行者はルナを買い取り、テラの価値を下げます。
業界では、今回の暴落が起こる前からテラ・ルナが「ポンジ詐欺」である可能性が高いと指摘されました。後から投資した人のお金で、先に投資した人にお金を支給する「回して防ぐ(※自転車操業)」ではないのか、ということです・・・・テラの高い利息収益率も疑問の対象でした。発行者はテラを購入し、預ければ、年20%に達する収益を支給しました。他企業の収益率(3~5%)よりずっと高い水準です。問題は、この20%がどこから来るのか、という点です・・・・外国メディアは、実際に持続できる利子創出構造があるのかと指摘してきました。結局、後から投資した人たちの金で収益率を支えなければならなくなる、との内容です。仕組みだということです・・>>
指摘があって、ルナ・テラ側はビットコインを購入してそれを『担保』にしたものの、今回の暴落を止めることはできなかった、とのことです。単に私の心が曇っているだけかもしれませんが・・なんか、システムがとても韓国的だ・・と思ってしまいます。なにせ、『自転車操業』という日本語、まだ旧ブログだったとき、韓国の家計負債関連で初めて知りましたので。韓国語では「ドリョマッキ(回して、防ぐ)」と言います。
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