韓国側のメディアの表現を借りますと、経済安保においての『日米の密着』はどんどん強化されつつあります。ニューシースの報道によると、23日の日米首脳会談でも、半導体など相応の件が議題になるのはもちろん、IPEFの日本参加に関する話も、日米首脳会談の議題になる、とのことです。当然の流れだと言えるでしょう。少しだけ引用してみます。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。
<<岸田文雄日本首相は来る23日ジョーバイデン米大統領と首脳会談で、世界的に不足した半導体の確保と研究開発に向けた協力強化を確認する方針だと、NHKなどが16日報道した。日米首脳は半導体と関連し、新型コロナの拡散によるサプライチェーンの混乱、人工知能やロボットなど次世代技術に必要な先端半導体の国際的な開発競争においての協力、などを拡大することに、意見を一つにするつもりだ・・・・日米首脳会談では、ロシアによるウクライナ情勢、中国の台頭を牽制するために米国が主導し推進する「インド太平洋経済フレームワーク(IPEF)」の発足についても議論する・・>>、と。
で、この話が報じられるようになったのとほぼ同時に、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領も、韓国のIPEF参加について言及しました。米韓首脳会談で、IPEFの件が議題になる、との内容です。まだ『参加する』とは言ってませんが、ほぼ決定事項ではないのか、そんな話も出ています。さぁ、どうでしょう。さすがにタイミングは偶然だと信じたいところですが。
尹大統領は候補だった頃からクアッド参加を表明しており、『国民の力』支持層からかなりの反響を得ることができました。少なくとも、そんな支持層に向けて、『米国側の枠組みの中に入る』という、文政権からの方向転換をアピールできるという側面もありました。でも、米国側が『クアッド拡大は考えていない』とする趣旨の発言をしてから、雰囲気がちょっと変わりました。一部のメディアからは、「じゃ、オーカスかな」という記事が出たりもしましたが、少なくとも今の時点では、米韓首脳会談関連で、クアッドやオーカス関連の話題はありません。ちなみに、通貨スワップの話もありません。結果を見ないとなんとも言えませんが。
あくまで各メディアの記事による情報ではありますが、米国は日本、韓国、オーストラリアなどにIPEF参加を提案していた、とのことです。ちょっとひねくれた見方ではありますが、今回尹大統領が「文大統領とは違い、ちゃんと米国側の『枠組み』の中に入ったぞ」とアピールできるものは、IPEFしかないという意味でもあります。
しかし、韓国としては、やはり中国の反応が気になるところです。どうもこの部分に関しては、どのメディアも、専門家も、弱気な記事を出しています。韓国経済TVが紹介している専門家の意見は、「IPEFに参加するとしても、協議の過程で、中国をあまりおろそかにしなくても済むようにすれば、そこまで問題にならないかもしれない」としていますが、それなら、IPEFにわざわざ参加する意味があるのでしょうか。
<<・・ただし、韓国がIPEF参加が公式化された場合、中国が反発する可能性が、負担となります。実際、就任式の日、尹大統領を表敬訪問した王岐山 中国国家副主席は、「両国間の産業サプライチェーンは、引き離せない関係だ」と牽制したことがあります。韓国が、米国主導のサプライチェーンに参加すると、不利益を受ける可能性があるというメッセージだと解釈されます。
そのため、IPEF参加を公式化しても、中国を疎外する形の議論は避けるべきだと、専門家は助言します。【ヨンウォンホ 対外経済政策研究院経済安全保障チーム長:「中国との経済関係とかサプライチェーン協力が重要だと思うなら、(※IPEF参加を)協議する過程で、私たちの意思が多く反映されるようにすれば、あえて中国がこれに反対する状況は起きないでしょう」】・・>>
IPEFに参加するのは韓国だけではありません。そこで、どれだけ『私だけ例外』という甘えが通じるのでしょうか。これ、「中国が怒らないよう、米国に便宜を図ってもらおう」と書いても問題ないのでは。そもそも、こんな認識で参加したところで、良い結果になるとも思えません。
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