クアッド、中国・北朝鮮関連の違法操業や瀬取りを念頭に「海上でのリアルタイム監視システム」構築

クアッド首脳会談が終わり、共同声明が発表されました。なんというか、個人的に、サプライズはありませんでした。

事前に噂されていた「中国と名指しする」がなかったのは、特に残念です。でも、だからといって別に内容が悪かったのかというと、そういう意味ではありません。米韓首脳『徳』談よりはマシで、日米首脳会談ほどではなかった、といったところでしょう。昨日の日米首脳会談と重なる部分が多すぎるのもありますが。

クアッド首脳会談については、韓国でも多くのメディアが報じています。ほとんどは『よくある』話だけですが、「海上での監視システム構築」について紹介する東亜日報の記事が、その中ではユニークさを放っています。これ、韓国も決して無関係ではない案件でもあります。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米国主導のインド太平洋安保協力体「クアッド(Quad)」が24日、東京首脳会議で、中国の海上活動に対するリアルタイム監視体系を導入することにした。これは、中国の海上覇権追求を遮断するという、明らかなメッセージである。

台湾海峡と尖閣諸島がある東シナ海、中国と東南アジア諸国が領有権紛争中の南シナ海、太平洋など中国周辺海において、包囲網を構築するということだ。特に、中国が海上領有権紛争地域において、事実上の準・海軍部隊とも言える海洋民兵隊を派遣する「灰色戦術」を展開している中、クワッドが彼らの活動を防ぐことにしたのだ。米中の軍事的衝突の緊張も、高まると予想される・・

・・クアッド首脳が合意した、人工衛星を基盤にしたリアルタイム海洋追跡システムは、自動船舶識別装置(AIS)をオフにして移動する中国船舶の違法操業はもちろん、中国海軍活動を支援する海洋民兵隊活動をも、リアルタイムで追跡し、抑制するということである。

南シナ海ではシンガポール、インド洋ではインド、南太平洋ではソロモン諸島とバヌアツに設置された拠点基地を通じて、衛星ベースの海洋追跡システムを構築すると、バイデン政権が明らかにした。バイデン政権の高位関係者は、「東南アジアと太平洋、南アジア地域の海岸と各国の排他的経済水域で、何が起こっているのかを知るための能力を、備えることになるだろう」と話した。

これにより、中国の海洋民兵隊は、彼らが助ける中国軍艦の移動も、リアルタイム追跡と監視が可能になる見通しだ。青い制服を着て「リトルブルーマン」と呼ばれる海洋民兵隊は、中国海軍の教育と支援を受ける準・海軍部隊だ。中国は南シナ海など領有権紛争地域に海洋民兵隊を不法操業船舶と共に投入し、他国の海域進入を防ぐ戦術を展開している。中国の黙認の下、東シナ海などで対北朝鮮制裁に違反して不法積替え活動を行っている北朝鮮船舶に対する監視も、さらに強化されるものと思われる・・>>

 

普通に考えても、この件、違法操業はもちろんのこと、北朝鮮関連の積替え(瀬取り)とも関係がありますし、どちらも深刻な問題であり、その対処をレベルアップするというグッド・ニュースですが・・いまのところ、東亜日報以外の記事ではあまり話題にならないでいます。例のレーダー照射問題と瀬取りが関わっているという話もあるし、違法操業だとK国のほうもよく問題になるので、あまり思わしくない話、とされているのでしょうか。そこまで曇った考え方はしたくありませんが・・(と言いつつ、いつもそんなことばかり書いていますけど)。

 

で、最後に余談ですが・・シン・ウルトラマンを見てきました。『深い』ファンではなく普通に楽しむタイプなので、あまり難しいことは考えず、今回も楽しむことができました。特に、「~になることで、~についてもっと知ることができる」というセリフには、心打たれるものがありました。お陰様で好スタートを切った『日本人を日本人たらしめているものは何か』にも同じ趣旨を書きましたが・・ちょうど自分が、つい最近までその件でいろいろ考えていましたので。シン・シアリ-だけあって(違う)、シン・ゴジラに続き、シン・ウルトラマンもまた、好きな映画になりました。シン仮面ライダーも楽しみにしています。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。