常任理事国関連の話も何度もエントリーしたので、もうそろそろいいかな、とも思いますが・・韓国側で多くの記事が出ている分、そして、韓国の『(いつものことですが)ズレた』日本観がよく出ているという点で、また常任理事国関連となりました。
今回の日米首脳会談及び米韓首脳会談で、韓国でもっとも話題になったのは何か。個人的な感覚にすぎませんが、IPEFでもなければ半導体でも中国でも北朝鮮でもありません。それは、バイデン大統領が、日本の防衛費(など)増強及び常任理事国入りを支持したことでしょう。なんというか、もちろん記事にもよりますが、なかなかの『セカイ オワタ』感が漂っていました。
本ブログでも何度も取り上げましたが、常任理事国関連発言の報道は、数だけだと日本の数倍はあったかもしれません。すごい勢いでした。なにせ、韓国はUfCに加入しています。Uniting for Consensusのことで、安保理改革はいいけど、常任理事国はそのままにして、非常任理事国を増やす案を支持する国々のことです。表向きはともかく、実は日本、ドイツ、インド、ブラジル(いわゆるG4)の常任理事国入りを防ぐためのものです。
一部、日本でも韓国でも、ネットでは「韓国は日本の常任理事国入りに反対していない」という話がありますが、UfCのメンバーになっている時点で、反対していることになります。なにせ、常任理事国を現状のままにするという趣旨ですので。そんな韓国としては、バイデン大統領が常任理事国制度に手を加える安保理改革について話しただけでも、なかなかのショックだったわけです。
しかも、ご存知、いまはロシアによって、常任理事国システムが大いに揺らいでいる時期でもあります。ロシアが『セルフ』で拒否権を使ったのは、やはりイメージが悪すぎました。ノーカットニュース(クリスチャン放送『CBS』の非宗教関連)一部のメディアがこの件を記事にしながら、韓国政府の『米国は前から日本を指示していた』『安保理改革にこれといった進展は無い』とする発言(外交部)を、ヌルすぎると批判しています。数年前とは状況が違う、日本が常任理事国になる可能性はあり、油断はできない、というのです。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・日本が国連安全保障理事会・常任理事国進出を長い期間模索してきたというのに、韓国政府は大して心配することではないという立場を繰り返している・・・・ロシアによるウクライナ事態から急変する世界情勢を勘案すれば、日本の安保理進出の可能性を決して排除できないという点で、政府の対応は安易だという指摘が出ている・・
・・ロシアはウクライナ事態に対する国連安保理の糾弾決議まで、「セルフ」で拒否権を行使し、国連の存在意味を自ら否定する大きなミスをした。いままでは超強大国ロシアの行為に異議を申し立てるのが大変だったものの、ロシアはウクライナで延々と撤退し、国家の地位も急激に下がっている。強力な核武装国家という以外には、経済や規範的な面で、リーダーシップを享受する資格がないと、絶えず責められているのだ。国連のもう一つの軸である人権理事会でロシアが退出されたことが、これを端的に示している・・
・・日本、ドイツ、インド、ブラジルなど、いわゆる「G4連帯」は、安保理常任理事国共同進出を狙い、長い間、力を注いできた・・・・米国を除く他の安保理常任理事国より国連への寄与度が高いという点を活用し、国際社会において、友軍を確保しておいたのだ。日本など他国の安保理常任理事国進出が、中国など常任理事国の反対と加盟国2/3以上の同意という壁を超えることはできないだろうと、単に油断していたいい状況ではなくなったのだ。
日本はドイツとは違い、前のことを反省するどころか、むしろ美化している。しかし、日本は、北東アジア以外の国際社会では、お金の力を使い、模範的な民主主義国家のイメージを構築してきた。例えば、財政的に脆弱なアフリカ諸国との連携などを通じて、支持基盤を着実に広げてきたのだ。ジョンウンスク世宗研究所名誉研究委員は、「今までは、国連憲章規定上、常任理事国の拡大が非常に難しい構造だったが、G4連帯が引き続き努力してきたうえに、ウクライナ事態で国際秩序が非常に流動的に変化している」と指摘している。
しかも米中戦略競争が激化する中、ウクライナ事態で国際秩序が激変し、国連の存在理由に対する根本的疑問さえ提起される今の状況において、(※韓国政府は)より明確な立場を示す必要がある。反省しない国が、絶対権力となる常任理事国の地位を占めた場合、国際社会にどのような影響が及ぼされるのか、それをはっきりと説明できるようになるべきなのだ>>
さて、どんなことが起きるのでしょうか。国連関連の施設がアニメ調になったりするのでしょうか・・はともかく。前にも、『韓国は、国際世界での日本の地位はお金によるものだとしている』と書いた記憶がありますが、今回も例外ではありませんでした。ある意味、『他国は金の亡者で、ウリだけ正義の国』としているような、高慢な主張です。
ちょうど一つ前のエントリーでも書きましたが、コピペしてきてもそのまま適用できそうです。韓国側の『日本関連』記事のほぼ全てがそうですが、「『日本の優秀さ(相応の役割をしている、など)』を認めようとしないこと」。これが、不自然な論理展開の原因ではないでしょうか。というか、説明できるようになるべきだとしつつ、それがどんな影響・どんな説明なのかは書いてないのが、またなんとも。
※おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました※
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・皆様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・準新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・韓国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した<卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・既刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。